概要
「失顔症」とも呼ばれ、相手の顔を顔として認識できない病気である。先天性のものと、脳に強い衝撃や脳出血、脳梗塞による後天的なものがあり、このうち先天的なものは、発症確率は人口の2%と推計されるが、実際はもっと多いとされている。
最近、ハリウッド俳優のブラッド・ピットが自ら失顔症であることを雑誌のインタビューで告白し、世界中に衝撃が走った。
漫画のキャラクターでは荒川アンダーザブリッジのニノがこれに該当すると思われる。(1日合わないと相手の顔を忘れている)
どういう風に見えているのか
目や鼻といった個別のパーツに注目すればそれは認識できるが、それら全てを総合した「顔」として見ることが出来ない。性差や表情の違いを判別できない場合もある。
症状には軽度のものから重度のものまであり、軽度の場合は他人からは人見知りが激しい人に思われる程度だが、重度の場合は写真に写った自分の顔すら判別出来ない人もいる。
この病気を持つ全ての者が日常生活が出来なくなる程の症状を持っているわけではないので、周囲を取り巻く状況によっては本人すら気付いていない場合もある。この記事を読んでいるあなたももしかするとそうかもしれない。
どのように人を区別しているのか
幸いにも人間は顔以外の要素でも相手を区別できるようになっている。
具体的には声や仕草、身長や体格、髪型や服装などを判断材料にすることで認知を補っている。
しかしそれでも全く困らないというわけではなく、相手が見た目を変える――所謂イメチェン――をした場合や雰囲気の似た人物――所謂キャラ被り――と出会った場合には判別がつかなくなる可能性が高くなる。
※因みに眼の病気ではないので、健常者と見えている景色が違うということはありません。
身近なものに例えるなら、車好きの人は街を走る車を見たときに車種の違いが判るのに、そうでない人には車種の違いが判らない、という話と似ています。
(厳密に言えば少し違うため、若干の語弊がありますが……)