太陽系第2惑星の天体。地球より太陽に近く、水星より太陽から遠い。
西洋では「venus」と呼ばれ、美の女神の化身とされる。その名の通り硫酸によって形成された雲に覆われた姿は非常に美しいといえよう。
地球より少し小さいがほぼ同じ大きさであるが、その環境は地球とは似て非なる。灼熱の地表と二酸化炭素によって形成された大気、美しくも見える外側を覆う雲によって、外部からの侵入を拒んでいる。
この高温・高圧(気温:約400~500℃、気圧:約90気圧)の大気のため、旧ソ連のベネラ計画では探査機の着陸カプセルがその大気に耐え切れず壊れてしまい、何度も地表の観測に失敗した。幾度もの挑戦の末、着陸に成功したカプセルから送られた電送写真により、それまで金星の地表は厚い雲により暗いものと考えられていたが、実際は明るいことが判明した。(そのため、ベネラ計画探査機の着陸カプセルには地表撮影のために照明が取り付けられていた)
現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)によって打ち上げられた金星探査衛星PLANET-C「あかつき」が一路金星を目指している。2010年12月、金星の軌道投入を試行したが失敗、軌道・速度を調節し、次回金星に接近する2015年に到着予定。