概要
ドイツの作家ラルフ・イーザウによるファンタジー小説。
酒寄進一訳による日本語版があすなろ書房から出版されている。
キリスト教の概念を主軸とした世界観が展開する冒険ファンタジー。異世界ネシャンにおける主人公ヨナタンの冒険と、現実世界(地球)におけるもう一人の主人公ジョナサンの物語とが同時に進行する。
あらすじ
全知全能の神イェーヴォーの不肖の息子である邪神メレヒ=アレスによって創造された世界ネシャン。
その北部の村に住む14歳の少年ヨナタンは、ある日森を散歩中穴に落ち、そこで美しい杖を見つける。穴の中で怪物に襲われるが、窮地に陥ったヨナタンがその杖で怪物に触れた瞬間、杖が瞬く間に怪物を焼き尽くした。
家に帰って養父ナヴランにその杖を見せたところ、それが失われたイェーヴォーの聖なる杖ハシェベトであることが判明する。
その夜枕元に現れた天使ベネルの導きで、イェーヴォーの使いである裁き司ゴエルのもとまでハシェベトを運ぶ役目を担ったヨナタンは、ゴエルのいる遥か彼方の「英知の庭<ガン=ミシュパト>」を目指して冒険を開始する。
一方、スコットランドの寄宿学校の生徒である車椅子の少年ジョナサン・ジェイボックは、数年前に病気で歩けなくなったその日から、自分と同じ年頃の少年「ヨナタン」が出てくる夢を見るようになっていた。