概要
作中世界にて登場する敵性勢力の総称。本編開始の10年前より現れたとされる。
所謂「真名を知らない人間が未確認怪物体として名付けた便宜上の仮名」に過ぎない。世間一般も大成タイセイをはじめ都市伝説やコラ画像などの形で一時期に騒がれていた。
メタバース世界に敷設された線路を、ファントムやハーデス等の「黒い新幹線」が疾走すると、電脳機器に異常をきたし現実空間との境界が無くなり、次元を割って出現。割られた空間は徐々に現実を侵食し、そこからアンノウンが現れる。
一体のみならず複数現れるケースも在る。
この特異な出現から対抗するべく超進化鉄道開発機構は実力行使で排除する特務ロボシンカリオンCW、一時的に対象を封じ込めるキャプチャーウォールを生み出している。
7話での描写を見るに、コードネームではなく個体番号が振り分けられている模様。
ERDAはかつてシンカリオン0によって対処していたが、本部長・鍋島チクゴが事故死した一件を最後に10年間音沙汰が無く、その間にERDAは各シンカリオン開発と整備を行いつつ、表向きの姿である私立大宮進開学園中等部で適性値を満たすシンカリオン運転士を探していた。
しかしタイセイがその適性を満たし判明した途端、偶然か否か謎の新幹線と共に再出現。タイセイの合否否応含めE5で立ち向かう事になる。
10年前も現在もその目的や全容などは不明だが、現在は何らかの手段をもってメタバース空間から現実空間へ干渉する力を持っていることが推測されている。
果たしてその動機とは一体……
登場個体
7話、11話、15話の描写、及び特別編第2回から、アンノウンには個体識別番号が割り振られていることが判明している。
数字の読み方は位ごとに読む方式で、例えば7話の「アンノウン19」の場合「いちきゅう」、10話の「アンノウン21」は「にいいち」といった具合。
また、同一の個体が複数現れる場合などがあったが、ミニュアデスに与えられた番号(アンノウン23)から、ある程度同一の個体は同じ番号を通しているようだ。
- 第1〜2話・アンノウン15
10年の沈黙を破り、黒い新幹線(ファントム)によって現実世界に呼び出されたアンノウン。
雰囲気や体躯は前々作の『レイルローダー』を彷彿とさせるが、中央の顔と思われる部位にハイビームランプを備えている、全体的に青みがかったカラーリングなど比べると差異は多い。
タイセイとイナがE5系新幹線の陸送光景を見学した思い出の歩道橋に現れ損壊させるも、念入りに準備していたERDAのキャプチャーウォールによって転送させられ、思い出を守るために戦うことを決めたタイセイのE5と戦闘になる。はじめは丸腰&戦闘経験無しだったこともあって一方的にボコボコにしたが、駆けつけたエルダトレーラーによりトレーラーフォームになると一転、リクソウセイバーの回転斬りで一刀両断され撃破された。
なお、コイツの番号が15番目であることから、少なくとも14種類のアンノウンが、かつての10年前までに襲来したことが推測できる。
- 第3話・アンノウン16
北陸新幹線・越前武生〜敦賀間に出現した黒い新幹線に呼び出されたアンノウン。金ヶ崎方面へ進行しようとしたところをキャプチャーウォールに捕獲された。
主に1話〜2話の個体と体躯は共通だが、青と緑の装甲と、車止め標識の顔を持つ。
右腕にはドリルを装備しており、トレーラーフォームのE5を相手に互角に立ち回るが、攻撃の隙をついてソラチが障害物を出したことで態勢を崩され、リクソウセイバーによって倒された。
しかし、遺された車止めパーツが意味深に消えていき……?
- 第4話・アンノウン17
案の定、前回の個体が再出現。今度は左腕にもドリルを装備していた(一応改良されたからか、番号は前個体から変更されている)。
両腕にドリルが備わったことで隙を与えず連撃を行い、E5トレーラーフォームを一方的に攻撃し続けあわやピンチにまで追い込むが、リョータの戦線加入を受けて奮起したタイセイによりリアカーシールドと根性で凌ぎ切られ、E7ドリルフォームの参戦を許してしまう。
そのままリョータに圧倒され、ツインクッサクドリルの必殺の一撃が胴を貫き、撃破された。
- 第5話・アンノウン18-03
旧万世橋駅周辺に出現した個体。先の2種類と比べると細身な外見をしている。
転送の直前、3発ほどショットを放って周囲へ被害を出した。
ゲームハードが組み合わさった胴体とバーニア付きの脚を持ち、胴体から放つショットとバーニアによる急制動で翻弄する。
しかし、リョータにその行動パターンの規則性を見抜かれてしまい、ショットをツインクッサクドリルで防がれ、次の行動へ移る隙にリクソウセイバーを叩き込まれた。
が、肩部には×03の表示があり、リョータはこれをゲームの「残機」と推測。あと2回は現れるかもしれない、とタイセイは戦慄する。
さらにキャプチャーウォールへの転送の直前に放たれたショットが起こした建物の瓦礫により、アカネが負傷していたことが発覚する……
- 第6話・アンノウン18-02/18-01/18-00
案の定前回の個体であったが、せっかく残機を余らせていたのになぜか3体まとめて出現した(×02、×01と×00で3体分。星のカービィやロックマンの残機システムのようなイメージ。リョータにも「0も数えるタイプだったか」とツッコまれている)。
攻撃手段がショットではなくケーブル状のムチのような武器となっており、一糸乱れぬ連携でE5トレーラーフォームとE7ドリルフォームを圧倒する。
しかしそこへ意を決したアカネのE6こまちが参戦、渾身のアッパーカットで殴り飛ばされた一体がそのまま撃破された。
即座にトップリフターフォームへ合体され、彼の指示でタイセイとリョータに挟み込まれてジャンプした一体がキンテイガンの偏差射撃で倒され、残りの一体もツイストロックバスターで撃ち抜かれる形で全滅した。
かなりあっさりと倒されているが、細身な外見から元々防御力は低い機動力重視だったのだろう。
- 第7話・アンノウン19
レイピアを得物とする、どことなく騎士のような見た目をした個体。コイツの存在により、アンノウンに番号が割り振られていることがわかった。
名古屋〜三河安城間に現れた黒い新幹線により、リニア・鉄道館に出現した。
冒頭、初出撃となったテンのN700Sのぞみ ブルートレーラーフォームと戦闘。
レイピアをリクソウブレードで捌き切られ、左腕のチェーンアームでの遠距離つかみ攻撃をしようとするも、逆に見切られてチェーンを掴まれハンマー投げの要領で壁に叩きつけられ、リクソウブレードで一刀両断されて倒された。
- 第8話・アンノウン20
港のクレーン型の大型個体が名古屋港に出現。
クレーンのアームの先には蜘蛛型のメカがあり相手を捕縛、そして後ろからはコンテナを発射と隙がない戦闘スタイル。
しかし復帰したテンがクレーンと反対側の突起でバランスを取っていることに気づき、ここから総出で体勢を崩し転倒させ、リクソウブレードの一撃を受けて爆散した。
- 第10話・アンノウン21
木古内〜新函館北斗間に現れた黒い新幹線がもたらした。
放送当初は番号不明だったが、11話の描写から判明している。
有刺鉄線を全身にまとったがっしりとした体型の個体で、鉄線を放ってそこから電線の如く電流を流すことが可能。その体躯を使った接近戦も行う上、見た目の割に俊敏。
電流でE5トレーラーフォームとE7ドリルフォームをダウンさせ、H5ドーザーフォームとの接近戦に持ち込むが、決意を固めていたシオンによって胸部の鉄線を掴まれ、ドーザーハイドアームで電流を遮断させたことで攻撃を無効化。背負い投げを食らわせられ、続けて必殺の「五稜郭流・デスティーノ」を叩き込まれて倒された。
- 第11話・ファントム
東北・上越新幹線・上野〜大宮区間内に黒い新幹線が出現。
ところがアンノウンは現れず、中浦和付近の線路上で突然停車した。
キャプチャーウォールへ捕獲された黒い新幹線だったが、内部で運転を再開すると、その真の姿であるファントムシンカリオンへと変形。
迎撃に向かったE5、E6、E7を素手で圧倒し、あらゆる攻撃をいなして一方的に叩きのめすと、搭乗しているのがイナである事実を残し、強力な電流を放ってキャプチャーウォールを破壊し去っていった。
- 第12話・アンノウン22×4、×2
チェーンソーを装備した個体。体躯は1話〜4話の個体とほぼ同様。
青森・秋田・新潟・滋賀の4か所同時出現という異例の事態だったが、イナがファントムに乗っていた事実に打ちひしがれて適性値が落ちてしまったタイセイ以外の4人で迎撃。
キンテイガン、ツインクッサクドリル、リクソウブレード、五稜郭流・レインメーカーで無事に各個撃破した。
その後追加で2体が現れ、リョータとアカネがそれぞれを倒している。
- 第13話・アンノウン22×複数、ファントム
キャプチャーウォール内でファントムがファントムダガーで空間を斬ることで、裂け目から大量に出現した。
E5、E6、E7の連携で全員撃破され、ファントムとのリベンジマッチとなる。
息を合わせた3人はファントムダガーやファントムブラスターの攻撃をかわしつつ攻め続け、意を決したタイセイのE5により右フックが炸裂。
焦ったイナはファントムガントレットソードに合体させ、斬撃波でE6とE7をダウンさせるも、最終的にタイセイの放ったグランクロスで機能停止され、ファントムは沈黙。イナも洗脳から解放された。
が、14話でファントムはこの直後にキャプチャーウォール内に突如開いた穴から回収されてしまっていたことが判明する。
- 第15話・アンノウン23(ミニュアデス)
仙台〜白石蔵王間にファントムとは違う黒い新幹線が出現、青葉城にコウモリ型アンノウンが飛来する。
当時の彼らは知る由もないが、ハーデスが連れているアンノウンの片割れ・ミニュアデスである。
タイセイ、リョータ、アカネが撃退のために出撃するも飛行能力を持つ相手に苦戦し、目から放つビーム連射によってE5のシールドがダウンしてしまう。
だが最上ガンマがE8つばさで出撃、エルダドローンと合体。同じ空中戦での対決に持ち込まれ、目からビーム=正面にしか攻撃できない、という弱点を見抜かれた結果、最期はドローンフォームのホーネットライフルで撃ち落とされた。
なお、出現後しばらく空中を飛び回っており捕縛が遅れたために、多くの一般人に目撃されネットに拡散されてしまっている。
- 第16話・アンノウン24(オルトロス)
北陸新幹線・金沢〜新高岡間に現れた黒い新幹線がもたらした、2つ首の獣型アンノウン。ハーデスの下僕のもう1つの片割れ、オルトロスである。
先行して迎撃に向かったアカネのE6トップリフターフォームと交戦、高い機動力と超火力の火炎弾で翻弄する。
タイセイとリョータが合流するが、オルトロスは両首から赤と青の炎を放ち、2人をシャフトの後ろから動けなくしてしまう。
一か八かSRG3体合体を行おうとするが、アカネのSRG値が高すぎた結果失敗、勢いを失ってE6が落下し、ぶつかったE5ごとタイセイがダウンしてしまう。
土壇場で駆けつけたガンマがE8ドローンフォームで応戦し、空中からの牽制射撃→急降下キックで隙を生み出すことに成功する。
だが、そこへ……
「チェンジ……ハーデスシンカリオン」
炎に揺らめく剣を携え、ミニュアデスを引き連れた、ハーデスシンカリオンが現れた!
- 第17〜18話・ハーデス、ミニュアデス、オルトロス
仮面の男の操る冥王のシンカリオン、ハーデス。
彼は3体の優れた連携により、アカネ、リョータ、ガンマを圧倒した後、いずこかへと去っていった。
その後再び出現し、またもミニュアデスとオルトロスを連れて攻撃。ガンマと、彼に呼ばれて駆けつけたテン、シオンの3人を圧倒的な強さで叩きのめしてしまう。
そこへ戻ってきたタイセイたち3人を受け、ハーデスは下僕2体と合体してデストロイフォームへと変貌。対するタイセイたちも、シンカリオンSRGへ3両合体する。
最終的にハーデスは右腕を失う大ダメージを負うが、仮面の男は斬られたその右腕をSRGへ投げつけて痛み分けに終わらせる執念深さを見せ、空間を切り裂き撤退していくのだった。
以後、ハーデスは損傷した部分の修理のため、黒い新幹線としての走行とアンノウン召喚は可能だが、モードシンカリオンによる直接戦闘はしばらくの間できなくなる。
- 第19話・アンノウン25
東北新幹線・宇都宮付近に現れたアンノウン。全体的な様子を見ると細長い棒のような姿を想像し、足には高く飛び上がることができるホッピング、頭にはブーメランにもなる帽子を着用している。イメージ的には唐傘お化けが近い。
当初タイセイ達はみんなで夏祭りを楽しんでおり、出現した際にはリオとイナを除いた全員が向かうことになった。(ガンマは鉄道部の緊急活動と理由づけている。当然実態を知らないリオは困惑していた)
最初は機動力が大きくて苦戦していたが、各員が夏祭りで得た特技を使って徐々に追い詰めた。最終的にはアカネの射撃のフェイントによる隙作り→リョータの金魚すくいから発想を得たドリルアッパー→ガンマの輪投げ応用のE5投下→タイセイのイナ直伝・型抜き高速乱打(ただのケンシ〇ウ)で追い詰めていき、E5のリクソウセイバーでトドメを刺した。
その後夏祭り自体は雨の為中止になったが、タイセイの鉄道仲間が資料を送ってくれた為、メタバースにて続行となった。(シオンとテンも誘った)
- 第20話・アンノウン26
西九州新幹線・新大村駅付近に出現したアンノウン。バスが人型に変形した見た目をしており、一度に4体現れた。その姿はジョブレイバーにも少し似ている。
ちなみにアニメで初めてとなるキャプチャーウォール展開に少々失敗した回でもある。
見た目は他のアンノウンに比べると小型で足元には車のタイヤ、背面には誘導ミサイルを兼ね備えている。背後にはジェットパックも搭載しており、自身の移動速度も上げられる。また息のあったチームワークを持っており、かごめかごめをしながらミサイルを飛ばしたりと中々の戦法を持っている。
ビークル合体をしていなかった為、最初のうちはアンノウンに完全にペースを乗っ取られ、手も足も出ない状態だった。
バスマニアである中谷ヒキノによると「元々九州の長距離移動は高速バスが有効だったが徐々に移動手段が新幹線に逆転された為、アンノウンは新幹線のスピードで勝りたいと言う思いでに高速になり出現した」と言う(がリョータには本当なのかとツッコまれている)。
その後ミヨシが自らの手でエルダフェリーと各シンカリオンビークルを射出し各シンカリオンがビークル合体。N700Sかもめフェリーフォームの増大した機動力により追い詰め、最終的には必殺技のサンドウカトラスによって斬られた。
- 第21話・アンノウン27
長崎県沖に現れたアンノウン。アニメでは初となる海上に出現した。
さらに、水中では展開できない都合でアニメで初めてキャプチャーウォール無しで戦うことになった敵である。
見た目は巨大な船や鯨のような姿になっており、潜水艦のように自在に潜水することが可能で、アンカーやミサイルなどを発射する。
始めは、辺りに霧が入っていたり、ツクモの苦手分野でもあったこともあり完全に主導権を握られN700Sかもめに圧勝し、そのまま潜水した。
しかし、タイセイ達と苦手を克服する為に特訓をした直後浮上。この時は霧も晴れていた。
苦手を克服したツクモは海面を走り回るように疾走。華麗に攻撃を避ける。最終的には敵のアンカーを剣に巻きつけて釣り上げ、サンドウカトラスで斬り倒した。
なおこの戦いの様子は弟達に見られていて、2人は薄々ツクモの隠していた事を察している。
なお、ハーデスから呼び出す際に仮面の男が「お前の無念を晴らしてやれ」と呟いている為、10年前にも出現した可能性がある。
- 第22話・アンノウン28
上越新幹線・熊谷駅付近に現れたアンノウン。クレアツレスに近い見た目であり、盾の部分にコアも持つ。
さらに周りをダイヤモンドのような半透明の水色の硬い鉱物で覆ってるためちょっとやそっとの攻撃は通用しない。エネルギーを集めてダイヤモンドのシャワーを降らすこともでき、その姿はまるで「ダイヤモンドの要塞」そのものだ。
当時タイセイは文化祭で喫茶店を運営しており、(リョータとアカネが主役)一時期は主役がいなくなることでクラスに亀裂が走ると思われたが、幸いにもE6とE7は定期整備中で出撃することができず、代わりにテンとシオンとガンマ(N700Sのぞみ、H5はやぶさ、E8つばさ)が参戦した。
(川越タンゴは運が良かったなと言っている)
ダイヤモンドのような硬さのせいでシンカリオン自体の攻撃が全く効かず、万事休すかと思われたが…
イナ「タイセイ!エルダドリルを使って!」
ダイヤモンド=鉱物と同じ仕組みならば、イオン結合の弱点を突き、原子の結合が脆い部分を攻撃すれば倒せる、と話し、本部長の了承も得てパワーに優れたエルダドリルで攻撃する作戦を決行する。
そしてE5がドリルフォームへ換装、番組内初の派生ビークル合体をした。テンのシールドによるガードとシオンのドーザーハイドアーム持ち上げでサポートしてもらい、大成姉弟流の型抜き乱れ突きでコア周辺にヒビを入れることに成功し、ツインクッサクドリルの必殺技で貫き倒した。
ちなみにドリルフォームになったことはリョータに伝わってなかったらしく、撃退後にテンがリョータに告げ口をしており、リョータは「聞いてないんだけど!?」と驚いている。
- 第23話・アンノウン29
初代シンカリオンシリーズ第11話に出現した巨大怪物体・プログレスクリーナーに酷似しているアンノウン。
見た目も性質もそっくりで、弾幕やシンカリオンをゴミとみなして全て吸い込んでいく。
最初はE6がキンテイガンを3発発砲するものの、吸い込まれて無効化された。それだけではなく、吸ったものを吸収し吸引力を大幅に増大し、シンカリオンを丸ごと吸い込もうとする威力にされてしまい、シリンダーである程度防いでもE7のバランスを崩すレベルにまで及んでしまう。
E5がE7を庇おうと上に乗りジャンプして敵に突撃しようとしたが、案の定吸い込まれそうになってしまう。
危機が迫る中、間一髪のところでE8が救出。ガンマが銃撃が有効と発言し(さっきE6の弾吸われてたじゃんとか言わない)、吸い込み攻撃をドローンフォームの高い機動性でうまく回避しながら前進し、ホーネットライフルの必殺技で撃ち抜かれた。
なお、出撃シーンが省略されているため、どこに現れたかはわかっていない。
- 第24話・アンノウン30×複数体
コピー機を模した、蜘蛛型の四つ足アンノウン。
物語開始直後に出現した。
当初はシンカリオン500こだまで撃破する予定だったが西大路ヤマトの適性値が稼働可能域に到達していなかった為出撃が出来ず、代わりに名古屋支部のN700Sのぞみが撃破した。
しかし、黒い新幹線の出現により復活、ここで5体同時に出撃したことが発覚する。その時はヤマトの適性値も回復。京都に遠征していたタイセイらと共に出撃した。
パワーが増大した500こだまが先制攻撃『虎蛇魔聖刃』(コダマセイバー)で一体目を撃破(紙詰まりですと表示され倒れた)
2体目が放った紙型の弾も、ジンキハンドで握り潰す『虎蛇魔賑賑』(コダマニギニギ)で受けきった。そして相手はトナーを使い果たし自壊した。
順調に行くかと思いきや紙がこだまの足を捉え転倒、3体からタコ殴りにされてしまうものの、タイセイたちがそれらを払いのけた。この時1体はアカネの銃撃で撃墜した。
残りの2体が突撃するものの、ヤマトはそれを迎撃しようと必殺技を発動。『大波駆十億巣派奈』(ダイナミックギガスパナ)で撃破し、討伐完了となった。
- 第25話・アンノウン31
四本のアームを持ち、上半身を回転させる機構を持つ大型のアンノウン。手には鎖付き鉄球や火炎放射器を持ち、加えて回転スピンで迂闊に近づけない。
よりにもよってヤマトのロボットコンテスト当日に出現し、彼を出場させるためタイセイら四人で迎撃に向かうもその回転スピンに苦戦する。
そこに京都を守る為に大会を押して駆けつけたヤマトの500ジンキフォームが参戦するも、やはり迂闊に近づけない。だが下半身に特徴的なネジを発見したタイセイの提案により4機がかりでアームを抑え込んだところに500こだまのジンキハンドでネジを外し、ダイナミックギガスパナで上半身と下半身の接合が弱まった部位を分断され、必殺『大波駆十億巣派奈』で撃破した。
その後、ロボットコンテストもギリギリのところで参加が間に合うのだった。
- 第25話、27話・アンノウン32
上越新幹線・大宮〜熊谷間で現れたアンノウン。番組終了直前に現れたのだが、この個体との決着は27話ラストにて描かれた。
道化のような姿であり、足はバネ、両腕は文具のカッターナイフ状になっており、替刃による武器再生が可能。さらに高い跳躍力を持つ。
当初はガンマを苦戦させるが、遅れてタイセイ、リョータ、アカネが到着。四人の連携攻撃に追われるも大ジャンプで上空に逃げ緊急離脱……したが、空中戦に対応できるE8つばさがいる中でそれは悪手であり、撃墜され転落。最期はE5の必殺技「リクソウセイバー」を受けて着地狩りされ、爆散した。
- 第26話・アンノウン???
東海道新幹線・品川付近に現れた。背景を見るとおそらく10年前に現れたアンノウンの何かしらの個体。ヒカリアンにも少し似た、機関車の一部を改造した姿となっている。
当時、シンカリオン運転士だった高輪カドミチがシンカリオン0に搭乗。適性値が本当に最低限しかなかったため、機体と運転士の操作が追いつかないという問題があったが、辛うじて反撃し、撃破した。
- 第26話・アンノウン???−2
両国周辺に現れたアンノウン。少し前に出てきたアンノウンとは見た目に共通点が残る。
今度はカドミチに代わり工部レイジが搭乗。適性値が高かった為か、多彩な動きでアンノウンに反撃をさせず畳み掛け、
本部がヘックスシリンダーを起動し閉じ込めた隙にゼロブレードを合体させ、十字に斬り裂かれ爆散した。
- 第27話・アンノウン14?
リョータがキャプチャーウォールに巻き込まれた例のアンノウン。敦賀に出現した。
レイジのシンカリオン0で無事に倒され、リョータも助けられた。
……が、出現の際に偶然現場に居合わせたERDA初代本部長・鍋島チクゴが、一般人を庇ったために死亡するというとんでもない事態に発展。
しかしそれと引き換えるかのように、以後10年間はアンノウンが現れなくなるのだった。
この個体の番号が14なのは、1話でのアンノウンが15で始まっていることからの推測である。
- 第29話・アンノウン33
東海道新幹線・三河安城〜名古屋間に出現。テンが対応するも、直後にアンノウン34が出現したため、そちらはアカネとリョータに任せてタイセイ(と後から参戦したモリト)が応援に向かうこととなる。
蒸気機関車に手足となった蒸気機関車をつけたような外見をしており、各部位に機関車の車輪のようなパーツが各部位についている。
N700Sブルートレーラーフォームを剛力で追い詰め、タイセイのE5トレーラーフォームが駆けつけるもその圧倒的なパワーの前に戦況を覆すには至らなかった。
そこへ、タイセイ同様に戦うことを決意したモリトのドクターイエローが参戦。3人で姿勢を崩し、モリトの怒涛の連続攻撃で怯ませた隙に、ケンソクブレードの必殺技で見事撃破した。
だが、そのアンノウンの正体は…
- 第29話・アンノウン34
名古屋・岐阜〜羽島間に二体同時に出現。アンノウン33出現直後に現れたため、アカネとリョータが対処することになる。
足には車輪がありスケート選手のようなフォルムで地上を滑るように移動する。また手持ち武器はマルチチューブ型の弓、ボディブレードのソード、バランスボール爆弾とダイエット器具を模した武器を持つ。弓は撃つ前にこそ弾き飛ばされてしまったが、ソードは大量召喚し一斉射出、ボムは分裂とモチーフ元からは連想できない手数の多彩さを持つ。
だがモリト参戦で士気が回復したリョータのE7かがやきとアカネのE6こまちに各個撃破された。
余談だが本作に関わるメカデザイン深野洋一氏が関わったアンノウンではこれが最終作であるとのこと。
- 第30話・ハーデス デストロイフォーム
ハーデスが上越新幹線・熊谷〜大宮間に現れ、アンノウンを出せずにそのまま大宮へ向かおうとした=ERDA東日本本部を直接目指そうとしたため、一定の速度で走っていたことを逆手に取ってキャプチャーウォール生成地点を逆算して展開、捕縛した。
捕縛されたレイジはハーデスをデストロイフォームへとモードチェンジさせ、先に出撃したE8ドローンフォーム、後から参戦したE6トップリフターフォームとE7ドリルフォームを圧倒するが、E5トレーラーフォームと決意を新たにしたモリトのドクターイエローも参戦する。
感情を昂らせたモリトは適性値を大幅に引き上げ、グレートドクターイエローへと合体変形。その性能とタイセイとの巧みな連携により、両手のクリムゾン/アズールインフェルノをリクソウセイバーとグレートケンソクブレードでとことん封じ込めることで反撃をほとんど許さず、E5が作った隙を突かれ、グレートケンソクブレードの必殺技で左下腕とクリムゾンインフェルノを破壊された。
レイジはハーデスAIの撤退進言に同意すると、イナの声にも耳を貸さず、アズールインフェルノでウォール内に裂け目を作って撤退していくのだった。
せっかく復活しての戦いにもかかわらず今度は反対側の腕を壊される結果になったが……
- 第31話・アンノウン(ダミー)×6体
厳密には本物ではなく、ERDA側で用意したメタバース訓練用の仮想敵。
今回の回はタイセイ、リョータ、モリト、アカネ、ヤマト、ツクモがメタバースにアクセスし、模擬戦を行った。
初めに素手のアンノウンが500ジンキフォームに攻撃を仕掛けるものの、ダイナミックギガスパナで反撃され撃破。
そしてドリルで武装していたアンノウンもN700Sフェリーフォームのサンドウカトラスで斬撃され、もう1体もE7ドリルフォームのドリルショットで撃破。
銃で武装したアンノウンはE6トップリフターフォームのキンテイガンで撃破。
ハンマーで武装したアンノウン2体も、グレートドクターイエローのグレートケンソクブレードとE5トレーラーフォームのリクソウセイバーでそれぞれ斬られ撃破された。
しかし訓練終了後のログアウトを狙って、レイジとテンダーが動き出し……
- 第32話・アンノウン35
東北新幹線・上野〜東京間で出現したアンノウン。
医療ベット、もっと言えば手術台に酷似しており、MRIの器具に多数の機械アームを生やしたような外見。はじめこそ攻撃してこなかったが、腕からのメス乱射、ライトによる目潰し等多彩な武器を持つ。
当初は大宮支部のシンカリオン全てが出撃する予定だったが。E5とE7は運転手の心理的都合で出撃することができず、アカネとガンマの2人で出撃した。
初めはE8ドローンフォームがホーネットライフルによる攻撃を狙うも、直前に眩い光がE8を照らし、攻撃を阻止。反撃として腕から紫色の光線を乱射して翻弄した。
追撃しようとE6トップリフターフォームが背後を狙ってキンテイガンを発射しようとするものの、突進されて転倒した。
E8には引き続き光と光線を放ったため、本部が出したヘックスシリンダーに隠れながらガンマは隙をうかがうが、シリンダーに囲まれたと知るやいなや強力なMRIの磁場を展開、E6を拘束してしまう。
E6が捕まったためにE8は反撃に出れず、これ見よがしにドリル攻撃でアカネを苦しめ続けたが、
「為せば…成るっ!」
機転を利かせたガンマはホーネットライフルをシリンダーで跳弾させ死角から足元を狙い撃つことでどうにか救出に成功。
アカネは最後の力を振り絞りライトを破壊、この機を逃さずガンマはホーネットライフルの必殺技を発動、ようやく撃破した。
しかし、被弾の多かったアカネはこの影響で怪我をしてしまい…
- 第33話・ハーデス デストロイフォーム→カオスシンカリオン
上越新幹線・上野〜大宮駅間で黒い新幹線が現れ、第30話のようにすぐに捕縛された。
E5はまだタイセイの心理的都合で出撃することができず、E8、E6、E7が参戦し、ハーデスシンカリオンに応戦。
ハーデスの動きは前よりレベルUPしており、素早い動きで3体を翻弄していく。さらにアカネは前回の怪我の影響でキレがなくなり、ハーデスの猛攻に圧倒されてしまう。なす術はないと思われたが、
「SRGシステム起動!」
イナとタンゴが短時間で完成させたSRGシステムを起動し、三両合体。シンカリオンSRG E8・E6・E7へ変形し対抗する。
武器として右手部分に搭載された「SRGホーネットアロー」の力は絶大の一言であり、僅か一発でハーデスの動きを止め押し出すほど。さらに防御面も上空から何度も切り付けられるもののアローを盾として使い攻撃を受け切り、そして反撃した。そして攻めようと試みたハーデスだが何度もアローで後ろに押し出され、ハーデスを圧倒し挙句の果てには転倒した。これを好機と見た3人は、最大出力のSRGホーネットアローでトドメをさすが…
「テンダー!」
テンダー「了解。システム起動します」
テンダーの手によってファントムシンカリオンがキャプチャウォール内に出現。
そして、ファントムとハーデス、ミニュアデス、オルトロスが合体しカオスシンカリオンへと変形してしまう。
一転して危機が訪れるSRG。
その頃タイセイはモリトと共に、レイジを必ず救い出す覚悟を胸にシンカリオンに乗り込む。
- 第34話・カオスシンカリオン&アンノウン22×8体
前回からの続き。
ハーデス、ファントム、オルトロス、ミニュアデスが合体しカオスシンカリオンヘと変形した。
さらにそれに続くかのように、北海道、名古屋、京都、長崎にアンノウン22が2体ずつ出現し、テン達はそれを討伐する為出撃した。
絶大な機動力と圧倒的攻撃力を得たカオスは、神速と大剣を武器にSRGに壊滅的な一撃を与えていく。
後にE5とグレートドクターイエローが現場に駆けつけるものの、参戦直後にSRGは機能を停止してしまった。
モリトは仲間の仇を討つかのように攻撃を開始し、E5も加勢するが、あっさりと剣で振り払われてしまった。カオスはグレートドクターイエローにトドメを刺そうとするが、E5が力を振り絞り阻止する。
一方でアンノウン討伐中のシンカリオン達も、タイセイ達がいる大宮に行く為に決着をつけようと奮闘する。
レイジとの対話の末、決意を力に変えたタイセイとモリトはE5とドクターイエローを合体させ、ユナイトシンカリオンを誕生させる。
カオスとユナイトの死闘の末にカオスが僅かに有利となり剣でユナイトを吹き飛ばし、そのままトドメを刺そうとするが、ギリギリのところでバラストキドウホウを発射、右腕と大剣を破壊することに成功する。そのまま反撃に出ようとするユナイトだが、逆にグレートケンソクブレードを折られ、カオスキャノンのバイデントクローで殴られ続け、最終的にバラストキドウホウを破壊されてしまった。
ダメージの蓄積も相まって倒れ込むユナイトに、今度こそカオスがトドメを刺そうと迫る。
イナが必死にレイジに呼びかけ、本心を言い当てて動揺させる中、タイセイは尚もひとりで立ち上がり……
タイセイ「シンカリオンは、まだ戦える…!」
イナはグランクロスをこのまま撃つのはやめなさいと訴えかけたが、どんな手段を使ってでもレイジを止めようとする思いが勝り、タイセイは遂にユナイトグランクロスを撃ち放った。
決意と想いを込めた黄金色の光はカオスを飲み込み、左腕と片翼も消し飛ばし、カオス完全に機能を停止。
ユナイトも力尽きてそのまま倒れ込んでしまった。
その後、各地のアンノウンも無事に処理され、カオスは回収された。
タイセイも目を覚ます中、テンダーはレイジに問われ、その真意を語る──
黒い新幹線
メタバース空間から現実世界に現れ、裂け目からアンノウンを召喚する、謎の新幹線車両。8両編成でグレーのオーラを纏っている。
正式名称が判明するまでは、ERDAには「黒い新幹線」と呼ばれていた。
詳しくはファントムシンカリオン、ハーデスシンカリオンを参照。
過去作の敵との違い
過去2作品では地底人や宇宙からやってきた民など、ある種の非現実的なSF要素の強い敵であったが、本作の敵はAI、そして人間が率いる敵であるため、これまでの作品より現実世界に近い世界観が特徴である。
また、これまでの敵は種族の繁栄や侵略を主たる目的としていたが、本作の敵の最大の特徴は復讐が主たる目的である。そういった意味では裏番組の敵組織と類似する部分もある。
余談
前々作、前作の巨大怪物体に相当する敵。
本編前に行方不明とされ、OP1カットでの意味深な描写、タイセイの適性判明のタイミングで現れたこと、彼が姉と一緒に旅行で訪れた鉄道名所付近にばかり現れるなどから、再出現には大成イナが何か関わっているのでは…?という不穏な考察が視聴者間で早期から上がっており、的中することとなった。
特別編第2回では福澤朗氏の実況のもと、これまで番号が曖昧だったアンノウンの番号を明かしつつ、各戦闘の総集編となっている。
番号の答え合わせや見逃しの回収と同時に、福澤氏による熱い実況を見れるので、アンノウンの振り返りにオススメ。
関連タグ
以下はシンカリオン チェンジ ザ ワールドのネタバレが記されています。
明かされた真実
アンノウンの正体は、これまで人間達が廃棄してきたデータだった。
そして、行き場をなくして彷徨うデータ達にアンノウンとして活動できるようにしていた存在。それは亡きERDA創設者鍋島チクゴの秘書AIテンダーである。
テンダーは消えかけていたレイジだけでなく、廃棄されたデータ達に助けの手を伸ばしていた。
『What do you want to do?』
──「あなたはどうしたいですか?」と。
このメッセージを廃棄されたデータ達に送り、アンノウンに変えていたのである。
自身の主の組織を狙う敵を作り出していた理由。それは『鍋島チクゴの願いを叶えるため』。
ERDAが作られる前、チクゴの仕事だけでなくパーソナルな願いをも叶えたいと考えたテンダーは、子供の頃に夢見た0系新幹線とそれが変形したロボット、それで戦う運転士達、そしてその組織のトップになりたかったという幼き日のチクゴの夢を聞く。
その後、テンダーは廃棄データに自我を与えアンノウンを生み出し、その恐怖を政府に植え付け、チクゴのノートにあった新幹線が変形する正義のロボットのイメージを元にシンカリオンを開発し対抗策として提示した。
そう、アンノウンどころかERDAやシンカリオンすらも、自身の主人の『願いを叶える』ための、テンダーによるマッチポンプだったのである。
これまで鉄道関連施設が狙われたのも、工部レイジというライバルを呼んだのも、「正義の新幹線ロボット組織」としてのERDAという組織の存在意義を作るためであった。
最終的にカオスのダメージによってファントム内部にいた自身も損傷してしまったテンダーは、レイジに真実を伝えた後、彼に想いを託して現実世界へ送還させる。
そして、亡きチクゴの名を呼びながら、データの海へ還っていくのだった。
その後、現実で意識を取り戻したレイジは、全ての真相を隠すことなくERDAに打ち明けた。
自分の信念に基づいて犯した、己の罪と向き合う覚悟を背負って。
こうして全ての真実が明かされ、アンノウンを生み出していた存在もいなくなり、レイジも生き返って、世界は平和へと向かっていく。
──はずだった。
「おやすみ、ビーナ」
「……ビーナ?」
残されたモノの行方
- 第36話
平和が戻って2週間後。
テンダーがいなくなり、レイジが現実世界で目覚め、アンノウンの脅威も去って2週間後。
……そして、ビーナが忽然と姿を消して2週間後でもあったある日。
廃棄データ達の有効活用方法を見つけ出すためにレイジがERDAに所属となり、一方でシンカリオンが必要でなくなったが故にERDAが縮小することとなった。
それぞれの夢を胸に未来を見据えるタイセイ達。
シンカリオンで誰かを守ることを夢としていたリョータだけは受け入れられずにいたが、レイジとの対話やタイセイ、アカネからの励ましを受け、新しい夢を見つける。
しかし。
上越新幹線・本庄早稲田〜熊谷間の廃校となっていた小学校に、もう現れないはずのアンノウンが出現した。
困惑しながらも、もう2度とアンノウンの現れない世界を作るため、タイセイ、アカネ、リョータ、ガンマはそれぞれのシンカリオンで現場へ急ぐ。
大宮組4体で対峙したそのアンノウンは学校の様々な要素を混合したような姿をしており、下半身のグランドピアノ型三脚キャスターで機動力を、左腕からの三角定規型ショットと右腕のハンマーで攻撃力を確保している。
E6とE8が遠距離から射撃して牽制し、その隙にE5とE7が接近するが、三角定規弾とハンマーで反撃される。さらに両肩の校舎のようなランチャーから紫色のビーム弾を乱射、挙句の果てには頭部を構成するスピーカーから怪音波を放出され、まとめて動きを封じられてしまう。
ヘックスシリンダーで覆ってもらい音波を緩和して立て直し、スピーカーへキンテイガンとホーネットライフルで集中砲火。E5を囮にしてE7が突くことで体勢を崩すことに成功する。
スピーカーへのダメージは修復されてしまうが、すかさずガンマが急降下キックを叩き込んで蹴っ飛ばし音波の再生を阻止。生じた好機を逃さず、タイセイが放ったリクソウセイバーの必殺技で撃破した。
そんな中、イナ達はこのアンノウンが、廃校がかつて実施していたメタバース登校のデータを経由して現れたことを突き止める。
そしてその廃校データには、ビーナのアクセスの痕跡があった。
メタバースへ突入しビーナを探すタイセイとイナは……
廃棄データの光を引き連れた、虚ろな目をしたビーナが、こちらを振り返ると共にログアウトする瞬間を目撃するのだった。
「まさか……ビーナが、アンノウンを……!?」
- 第37話
ビーナの最後の痕跡から、タイセイのメタバースに来ていたことが分かった。
タイセイはイナのサポートを受けつつ、様子のおかしいビーナを発見し、データの中から引っ張り出すことに成功する。
ところが、そんなタイセイにビーナは……
「タイセイ、イナさん。あたしは戻れない…いや、戻らない」
「今度はあたしが、導いてあげないといけない。あたしは…ナビゲートAIだから!」
……と、自らタイセイのもとを離れてしまう。
慌てて追いかけるタイセイに、
「今のアンタ…カッコ悪い」
と言い放つと、虚ろな目へ切り替わるとともに裂け目へログアウト。代わりに踏切や信号機、改札機等の無数の廃棄鉄道データを召喚、合体させ、タイセイのメタバース経由でタイセイ達のマンションの真横にアンノウンを生み出した。
何気に(ビーナ製限定かもしれないが)廃棄データからアンノウンが生み出されるプロセスが描かれている。
自宅から出るためにタイセイが遅れる影響で、先に迎撃に入るアカネ、リョータ、ガンマ。
しかし、閉そく指導票型のホーミング弾、装甲板の盾、特殊信号発光機型ビーム砲、信号機投げ槍と、多種多様な廃棄鉄道データを武器とした戦法に劣勢になる。
割って入ったタイセイからビーナのことを聞かされる3人だったが、それでもアンノウンは倒さないといけないことに変わりはない。E6のツイストロックバスターで盾を吹き飛ばし、そのままE7のツインクッサクドリルで撃破した。
しかし。
アンノウンだった廃棄データ達は、元の姿に拡散し、
「モット…使ッテホシカッタ…」
「モット長イ間、役目ヲ果タシタカッタ…」
「ワタシタチハ…捨テラレテモズット、ココニイル…」
「ソレヲ……ワスレナイデ……」
……意思を持って言葉を発し、紫色の欠片となって、朽ち果てたのだった。