概要
古くは関東大震災でも作られていた。
現在は災害救助法に基づき、都道府県知事の判断で建設されることになっている。
費用は主に国が負担する。
入居期間は原則2年であり、その間に元の住居を立て直したりして退去することに一応はなっている。
ただ、現実には後述のようにうまくいかず長引く場合も少なくない。
多くはプレハブや木造で平屋か2階建。
仮設住宅の課題
体育館などの避難生活よりははるかにマシとはいえ、コストを抑えて早く建てることを重視しがちであり、通常の住宅に比べれば簡素で狭い。
そのため、防音には難があり結露しやすいことも多く、避難者の強いストレスや体調不良に追い討ちをかけることになる。
東日本大震災では冬の寒さが厳しい地域だったこともあり、隙間風の寒さに悩まされる被災者も少なくなかった。
これらの反省から徐々に居住性の改良は進んでおり,平成28年熊本地震では木造やバリアフリーの仮設住宅も増えており、仮設団地にスーパーや店舗が作られ、孤立による震災関連死やうつ病防止のため交流施設を設けると入った改善策も取られている。
とはいえあくまでも「仮設」であるため、長い年月暮らすには向いていない。
自宅の自力再建が完成したり、新しいアパートへ引っ越して退去できる者は順次去ることになる。
避難者が多い大規模災害の場合、自力再建がままならない高齢者や病弱者・賃貸住まいだった低所得者層、かつての自宅場所が地割れなどでもう住めない層も少なくない。
このため、仮設ではないマンションや一戸建ての「災害復興住宅」が作られ被災者が格安で住むことができる措置が取られることもあり、出来次第順次避難者はそちらに移動することとなる。
しかし災害復興住宅の建設がすんなり行かず、新しい住居になかなか移れないという事態も頻発している。
特に東日本大震災では津波被害により住宅地移転・土地改良の手間がかかり新しい住宅地の建設も滞りがちであり、5年以上の生活を余儀なくされる者、仮設で生活するうち老衰や体調悪化で死亡する被災者も多い。