「いつか彼らが再び戻って来た時こそ、真の試練の始まりとなる。」
ー始炎の殉葬者 シュバランケ
CV:岡田雄樹(過去回想)/若宮敦貴(少年憑依時※)
※依り代の少年役も兼任していると思しい。
概要
ナタの初代炎神で、「始炎の殉葬者」。古名「キオンゴズィ(指導者)」の初代。
ゲーム外ではヌヴィレットの立ち絵で彼に言及するセリフがある他、ナタ編後日談にあたるマーヴィカの伝説任務に魂だけで登場する。
本記事メインイラストの姿は、一日限定で花翼の集の少年・マソウに憑依した状態であり、彼本来のものではない。名刺「ナタ・神の軍」で象徴的なビジュアルが明かされており、褐色の肌に被り物をしていることがわかる。
当時のナタは炎龍王・シウコアトルが支配していたが、アビスの力によってシウコアトルは仮死状態になり、ナタの古龍たちは龍の威厳を保つため、暴政を敷いた。人間で異邦人の勇者シュバランケはオチカン、アホブとイキ、ウヌク、ディンガ、ユパンキ、リアンカといった仲間を集めて炎龍に戦いを挑み、最終的にシュバランケは炎龍と相討ちになる。
一度死んだシュバランケは炎龍の心臓から復活を遂げ、同時に炎龍の力を引き継ぎ、人間でありながら他の七神と同様に神の一柱となった。
彼はナタの諸部族を統一し、初代炎神の座に就いた。彼は神座を利用してロノヴァから天空の力を借り、帰火聖夜の巡礼や夜巡者の戦争といったナタのルールを制定した。こうして人間に炎神の座は代々受け継がれることになった。やがて彼は聖火の中に入って去った。
しかしシュバランケがいなくなった後、後を託したオチカンはシュバランケの意向に反した暴政を行い、結果的に残された仲間の殆どが死亡してしまった。ナタが夜神を信仰し人と竜の共存が実現した現在の形に落ち着くのは、二代目炎神の反乱を経てからであった。
ナタ人の伝承では、シュバランケが足を踏み入れた土地にはエンバーコアフラワーが多く生えているらしい。
人物
ナタでは偉大な功績のみが伝わり、威厳のある人物のように伝わっていたが、実際はユーモア溢れる人物。自分が最強だと自負し、目新しいものや楽しい事が好きという、ヤンチャ坊主じみた快男児。
一方で初代炎神としての威厳も持ち合わせており、ナタのルールを制定した通り交渉上手な一面も持ち、人の感情の機微も的確に読み取る事に長けている。
まさしく皆を纏めて導く勇者や太陽というべき人柄だったが、それ故彼の死によって、後述する仲間達はバラバラになってしまう結果にもなった。
関連人物
オチカン
シュバランケの仲間で、ナタの歴史で「暴君」と伝えられている存在。元は「盗炎の賢者」によって人と龍の魂を合わせて創られたハーフ。その出自故に古龍たちからは奴隷として虐られており、シュバランケに救われ彼に心酔するようになる。龍を憎んでおりその過激さは仲間たちからも心配されていたが、皮肉にも半分は龍であった為に古龍たちが使う装置を扱えた為、シュバランケの大きな助けとなった。
シュバランケが聖火の中に消える前に、次の炎神が現れるまでの代理の統治を任されていた。しかしオチカンはシュバランケ以外の炎神を認められず、その遺言を反故にして古龍たちの本拠地であった土地にオシカ・ナタを創り、自ら「聖王」を名乗りナタ大同盟を支配し、ナタを真に「人の国」にする為に夜神の信仰の禁止や部族の竜の捕縛し、逆らう者を処刑するなどの暴政を敷いた。
やがてオシカ・ナタにアビスが侵攻しその対策に追われている中、竜との共存を望むニ代目炎神の少年率いる反乱軍の侵攻を受ける。最終的にオシカ・ナタはアビスもろとも炎神の烈焔によって焼き尽くされ、オチカンはアビスの力を取り込まれ体と魂はアビスに侵食されてしまった。
- ココウィク
旅人とパイモンが廃墟となったオシカ・ナタで冒険者のポーナと共に出会った、小さな謎の生き物。その正体は自らの龍の部分すらも許せなかったオチカンが、精神の「竜」の部分を切り離した事で生まれたもうひとりのオチカンで、秘源装置を操作するために封印され使役されていた。長い年月が経ったあと、漆黒の災いから数十年後に花翼の集の冒険者ポーナによって封印が解かれココウィクと名付けられたが、賢龍の暗躍によってポーナが死ぬのを止める事が出来なかった。彼女の魂と共にオシカ・ナタを彷徨い続けて本編の時代で旅人に出会い、最終的にはアビスに侵された本体のオチカンとひとつになり、旅人によって引導を渡された。
アホブとイキ
シュバランケの仲間で、双子の兄妹。アホブは古名「力(ウウィーゾ)」、イキは古名「祝福(バレカ)」の起源となった。
幼い頃に両親を龍王に殺された事で双子は離れ離れになり、アホブは豊穣の邦で、イキはこだまの子で育てられた。成長後は悪龍討伐をしていった中で再会し、やがて双子はシュバランケの仲間に加わった。
シュバランケが聖火に消えた後、オチカンが逃亡した龍の追跡を命じた際に、龍を憎んでいたアホブは応じるがイキはシュバランケの教えに従い拒否。意見を違えた双子はアホブが我を忘れて武器を取った事で殺し合いに発展して死亡した。その後それぞれ族長を失った豊穣の邦とこだまの子はオチカンの支配下に入った。
ウヌク
シュバランケの仲間。流泉の衆の出身で、古名「団結(ウモジャ)」の起源となった男性。
龍と敵対しており、水源から燃素を取り除きたい純水精霊シネイラと利害の一致から協力し、やがてシュバランケの仲間になった。シネイラはウヌクを愛するようになり、最後は炎龍の炎からウヌクを庇い死亡したとのこと。オチカンの手記によれば、ウヌクはシュバランケの死後にナタ大同盟を離脱し行方不明になったという。
ディンガ
シュバランケの仲間。謎煙の主が住む村がミクトランと呼ばれていなかった頃、龍が人間を戦火から守る見返りとして、龍を夢へと導く人間の「聖王(という名の生贄)」の従者を務めていた。力を使い果たした聖王の少女が死んだ後、シュバランケの仲間になる。詳細は語られていないが、オチカンがナタを支配した時には既に亡くなっていたと思われる。
リアンカ
シュバランケの仲間。古名「超越(ヴーカ)」の起源となった人物で、花翼の集の始祖。
捨て子だったところを龍の母に育てられ、成長後は弓を授かり人と龍の地を巡って旅をしていた。やがて自由は強者にしか許されない現状に憤り、弱者に自由を与える事を志すようになる。その中で弱者を保護し強者を倒して友人にしてを繰り返した結果、その集団が花翼の集となった。その後はシュバランケの仲間になり、共に炎龍討伐の戦いに挑んだ。
オチカンがナタを支配した後は花翼の集もその支配下に入ったが、龍を虐げるオチカンのやり方にリアンカは真っ向から反発。オチカンに賛同していた花翼の集の後継者の裏切りに遭い、最終的にはオチカンに軍勢を向けられ殺された。
ユパンキ
シュバランケの仲間で、仲間の中では唯一二代目炎神の仲間にもなった人物。懸木の民の出身で、古名「廻焔(マリポ)」の起源となった。
調子の良い性格で、シュバランケとオチカンに戦いを挑んだところをオチカンに返り討ちにあい、敗北の恥を誤魔化すように仲間に加わった。
オチカンがナタを支配した後はオチカンのやり方に内心反発していたが、老いたユパンキはただ1人残った旧友オチカンを見限る事もできず、大同盟の軍械官という閑職についてオチカンに干渉せずにいた。しかし龍との共存を望むニ代目炎神の少年に懇願されて反乱軍に参加。オチカンの廻焔を盗み出し、暴君の軍隊に投げつけて攻撃したが、後ろからオチカンの声が聞こえて振り返ってしまったところ、廻焔が急に飛び出してユパンキを飲み込み死亡した。
ワシャクラフン・ウバ・カン
ナタ人に燃素をもたらした「盗炎の賢者」。元は炎龍王に仕えていた龍だが、アビスに侵され衰えた主や同胞を見限り、人間に種族復興の可能性を見出した。人と龍の魂を融合して「息子」オチカンを創り、当初はオチカンに炎龍王を倒させて新たな龍王にする算段だったが、炎龍の力を継いだのは人間の勇者シュバランケだった。賢者はやむを得ず計画を変更し、シュバランケと契約を交わし炎龍王の瞳から創られた「二枚の通牒の金盤」を分け合った。
後にオシカ・ナタがアビスに侵略された際に、シュバランケの「通牒の金盤」を受け継いでいたオチカンに一つに戻して「ウィツィロポチトリ」でアビスを滅ぼすように迫るも、「ウィツィロポチトリ」はナタもろともアビスを滅ぼす兵器であった為にオチカンは拒否し、天蛇の船に隠した。
その後は「通牒の金盤」を手に入れるために冒険者たちに「アビス」を滅ぼす兵器として噂を流し、冒険者たちに手に入れさせようとしているが、悪龍化したオチカンによって冒険者たちが殺されている。オチカンに取り込まれた人間の姿に化ける事が可能で幾つもの顔を持つ。オチカンは旅人が片割れの「通牒の金盤」を持っているのを見て間違いなく賢者に会っている筈だと語っており、その変身能力でちびと旅人に干渉している事が判明している。
- マンク
世界任務「約束と忘却の間」に登場するこだまの子の男性。龍の遺物研究会の一員。兵器である「通牒の金盤」をちびの「焔の主(シウコアトル)の祝福」を制御するための物と語り、旅人たちに手に入れるように語った張本人であり、オチカンの話が本当であれば賢者が化けた姿である事が示唆されている。
ちなみにVer5.3で修正されたオシカ・ナタの資料によると、「マンク」は二代目炎神の仲間であった「無名職人」の本名である。マンクはオシカ・ナタの地下水路の工事に召集された職人のひとりであり、アビスの侵攻により職人たちが発狂する中でオチカンは口封じの為に職人たちを焼き殺したが、マンクだけは謎の人外の女性(恐らくイレール)の気まぐれにより命を救われた。顔に酷い火傷を負いながらも生き延びた彼は、オチカンの旧友でありながら彼と距離をとっていたユパンキなら匿ってくれると思い、自らの名を捨ててユパンキの元へ向かった。その過程で二代目炎神の仲間となり、オシカ・ナタの構造に詳しかった為に反乱軍の侵攻に貢献したが、最後はオチカンに焼き殺された。サッカクに好意を抱いていたが、彼女が二代目炎神に好意を寄せている事を察し、最後まで思いを告げなかったという。
- ティトゥ
世界任務「山々の影」に登場するこだまの子の男性。部族の語り部を任されているため、常に物語を考えている。陰縫いの針と呼ばれる大石柱を見守っており、その力が弱まってきた為にちびや旅人たちと共に奮闘した。同名の同一人物が490年前のポーナの父の仲間のひとりであった事が判明しており、旅人が会ったティトゥは賢者の化けた姿であった事が示唆されている。
- レグバ
世界任務「夜に帰す夜」に登場する懸木の民の男性。先人の神殿を活動拠点にしており、旅人と一緒にいたちびが禁域にあるレリックを持ってきてしまった為、共に禁域に戻しに行くことになる。同名の同一人物が490年前のポーナの父の仲間のひとりであった事が判明しており、旅人が会ったレグバは賢者の化けた姿であった事が示唆されている。
登場する任務・書籍
魔神任務第五章第二幕
マーヴィカ伝説任務
見聞任務「ユパンキの廻焔」
世界任務「約束と忘却の間に」
書籍「ハナン・パチャの記録」
余談
シュバランケ(元ネタ:イシュバランケー)とは、マヤ神話に登場する神の名。双子の兄にフンアフプーを持つ。殺害された父と叔父の仇をとるため協力して冥神並びに冥府シバルバーを滅ぼし、太陽と月になって天に上ったという。