概要
主に石油の販売を行っている、日本の大手企業である『出光興産』の創業者。
明治44年に『出光商会』を創業して石油の販売を開始し、多くの困難にぶつかりながらも事業を海外まで拡大させた。
戦後には、住居も食糧事情もままならない困窮した状態でも社員の首を1人も切らず、不当な占領下の政策に怒りGHQに真っ向から食ってかかり、過酷な状況を何度も乗り越え再び大企業へと返り咲かせるなど多くの武勇伝を持つ実業家。
百田尚樹氏が手掛け大ベストセラーとなった歴史経済小説『海賊とよばれた男』の主人公である国岡鐵造(表紙イラスト、漫画版)のモデルとなった人物であり、タイトルになっている「海賊」とは、出光氏が実際に呼ばれていた異名である。
至言
『玉音を拝して』
昭和20年(1945年)8月17日
東銀座「出光館」で行われた訓示
「十五日おそれ多くも玉音を拝し、ご詔勅を賜り、涙のとどまるを知らず、言い表すべき適当なる言葉を持ち合わせませぬ。(中略)私はこの際、店員諸君に三つのことを申し上げます。
一、愚痴をやめよ
二、世界無比の三千年の歴史を見直せ
三、そして今から建設にかかれ
愚痴は鳴き声である。亡国の声である。婦女子の言であり、断じて男子のとらざるところである。ただ昨日までの敵の長所を研究し、とり入れ、己の短所を猛省し、すべてをしっかりと肚の中にたたみこんで大国民の態度を失うな。
三千年の歴史を見直して、その偉大なる積極的国民性と広大無限の包容力と恐るべき咀嚼力とを強く信じ、安心して悠容迫らず、堂々として再建設に進まねばならぬ。」
『黄金の奴隷になるな。学問の奴隷になるな』
“人が資本” “人間尊重”を掲げ、社員たちに言い聞かせ、口癖にしていた言葉。
「人間がしっかりしておれば、金は自然に集まる」
「卒業証書を捨てよ」
「学問や知識に囚われ、理論の奴隷となってはならぬ。金に囚われ、金の奴隷となってはならぬ。人としての尊さはどこにあるのかを見極めよ。」