炎邪(えんじゃ)とは、『サムライスピリッツ』シリーズに登場するキャラクターのひとりである。
初出は『サムライスピリッツ零』。
元々は風間火月の羅刹バージョンだったが、ハイパーネオジオ64の『SAMURAI SPIRITS2 アスラ斬魔伝』の羅刹バージョン「炎邪火月」を経て、『零』で修羅・羅刹が廃止されたことを受けて独立したキャラ「炎邪」となったという経緯がある。
概要
魔界出身の生命体。元々は劉雲飛の弟子だったが、闇キ皇の力「人魔一体の法」に魅入られ、
その力を欲すために冥府魔道へと堕ち、炎邪となった。(同様の理由で水邪も生まれている)
魔の力は入手できたが、何者かの手によって精神体として封印されてしまう。
精神体のままでは地上に出ても消滅してしまうため、依り代となるべき肉体を求めて「依り代になりそうな人間を生ませて育てる」ということを軽く1000年以上は繰り返し続けた。
そして20年前に生ませた二人の人間…風間火月と風間蒼月の肉体を乗っ取り、人魔一体の法を完全なものとせんと活動する。
一度は火月の身体を乗っ取ることに成功するも、蒼月と二人の妹である葉月によって朱雀という刀に封印されてしまう。水邪も同様に蒼月によって封印されてしまうので、彼らにとってはバッドエンドが正史である。
性格
好きなもの:ドグゴラァ!!!
嫌いなもの:グガアァッ!?
特技:ボッッゴラァ!!
コンプレックス:ゴウゥッ!?
尊敬する人:グォオオッォオオオ!!!
剣の道について:ジョラジョアラァ!!
好みのタイプ:ゴゥルアアアァァァァァァ!!
…と書かれているように、口を開ければ怒号があふれる。通称「炎邪語」。
当然本編ではまともに喋らない(というか、喋れるが喋らないだけ)。にも関わらず水邪は理解できる。一応、理性や知性等はあり人の言葉も理解できるようだが、そもそも流派が脊髄反射となっている時点で「考えるよりまず行動」なのであろう。
その余りのインパクトの強さからファンも多いが、一方で火月の存在感が薄まってしまうという事態に。天草降臨では主人公だったのに。
ちなみに、サムスピシリーズの時間軸上では後のほうとなる『アスラ斬魔伝』では、前述のように炎邪の力を制御できなくなった「炎邪火月」というキャラが羅刹バージョンとして登場するが、彼のEDでは…「真の強者よ……。我、汝の力に屈したり……。我、ぬしの一部とならん」と、普通に人語を喋る様になっている。きっと長らく封じられていて性格が丸くなったのだろう。
最も、発売されたのは『零』の5年前であるので、この設定が今も生きてるのかは誰も分からないし、知らない。
性能
前述のように、羅刹火月の性能をそのまま受け継いでいる。
「流派:脊髄反射」ゆえか、とにかく怒りゲージが溜まり易く、怒りMAXからの高い攻撃力が魅力…と言いたい所だが、とにかく技の隙が大きいので一撃のダメージが高いこのシリーズでは致命的といえる。
また「六道烈火」と呼ばれる連続技は、最後の「天道」まで決めると大ダメージ(最低でも4~5割、怒りMAX状態なら相手次第で開幕即死もありうる)を与える事が出来るのだが、少しでもタイミング(猶予1F)がずれると失敗し、その場でしゃがみ込んで大きな隙を見せてしまう(通称「ぐるじお」)というハイリスクハイリターンな技。前述の通り、一撃のダメージがでかいこのシリーズでこんな隙を見せれば漏れなく死ぬようなものである。
しかし一発逆転も可能な超高火力、そして決まった時の「チェストオオオオオ!!」のインパクトから、一種のロマン技として積極的に狙っていくプレイヤーも多い。…というか、彼の唯一の持ち味がこれだったりする。
なお非常に恐ろしい事に、CPU戦で出現した炎邪は天道まで確実に叩き込んでくるので、「CPU炎邪に隙を見せる→即六道で敗北」と言うのは良くある話。イヤ、マジでマジで。
初登場となったサムライスピリッツ零ではダントツのダイアグラム最下位で、主人公の徳川慶寅相手になると、しゃがまれた瞬間に詰みとなる。それ故、炎邪vs慶寅のカードは「いざ尋常に勝負あり!!」が合言葉。
また、零SPECIALでは特定のコマンドを入力することで、全ての動作速度が1.5倍になるという裏技「界王拳」が存在した。ただし、基盤に負担を掛ける一種のバグ技でもあるので無闇に使うのは控えたほうがいいだろう。