主たる業務
集金人と呼ばれるが、現金を収納することはほとんどない。(滞納者の支払いや契約開始月の収納など一部に限定される。)通常の受信料の支払いは振り込みや自動引き落としとなる。
集金人の業務としては、
①未契約世帯の契約獲得
②地上契約から衛星契約への変更
③引越しなどに伴う住所変更の確認
④契約を結びながら受信料を滞納している世帯に対する督促
などである。訪問時には必ずナビタンと呼ばれる携帯情報端末を持ち歩き、その登録情報にもとづいて訪問先や、対応を決める。
地位、身分
訪問時に「NHKです」と名乗るがNHKの職員ではない。NHKの職員が個々の家庭を訪問することはなく、すべてNHKから委託された会社の社員や個人業者などである。
収入、待遇
新聞の勧誘員と同じく新規契約や契約変更などの数による歩合報酬が収入の中心である。新規契約、衛星契約への変更、滞納分の回収、振込みから自動引き落とし、などの獲得が細かく点数化されてその月の給与が決まる。一方で一定の点数が取れない場合、指導や委託解除といった処分を受ける。
法律的位置づけ
受信契約自体は放送法を根拠とするが、罰則規定はない。また、集金人は単なるNHKからの委託人に過ぎず、特別な権限があるわけでもない。従って、訪問されても応対する法律的義務はない。一方で住人の退去命令に従わない場合、集金人は刑法上の「不退去罪」に問われる。
社会的問題
以上の経緯により、契約などの獲得数が集金人の生き残りのすべてであるため、訪問先での多くのトラブルが報告され社会問題になっている。
① 早朝、深夜のしつこい訪問、居座り
② 威圧的セリフ(契約しないと裁判になる、職場や近所から非難される、など)
③ 詐欺的誘導(電波の確認がとれている、リモコン詐欺行為など)
以上はすべて違法行為である。また、過去にはそれ以外にに訪問先での「傷害」「性的暴行」も複数報道されている。
対処方法
① 居留守や無視することが一般的である。ただ、早朝、深夜を含め定期的に訪問されることを覚悟しなければならない。(定期訪問は集金人の雇用契約上の義務である。)
② 威圧的言動に対しては、最寄の警察に相談する。
③ 詐欺的誘導に対しては、消費生活センターに相談する。
④ 防犯カメラによる録音録画は違法な訪問の証拠となるだけでなく、しつこい訪問を未然に防ぐ有力な手段となり注目されている。
なお、NHKふれあいセンターや地元NHKの営業局に抗議する方法は、この訪問システムを採用しているのがNHK本体である以上、あまり改善は望めない。ちなみに、ふれあいセンターの電話応対もすべて外注である。