概要
ナビタンとはNHKの集金人が訪問時に肩から下げているPDA(携帯情報端末機器)の通称である。すべての集金人はこの端末機器の登録情報をもとに各家庭を訪問して歩く。
担当地域の住所(町名、何丁目何番地、建物名、何号室など)を単位とするデータベースの上に、個々の家庭の情報を細かく登録、追加、修正する。個々の集金人の担当地域は頻繁に変わるが、ナビタンの情報は常に共有される。
登録情報の詳細
1、契約住所の場合:氏名、電話番号、契約開始年月日、支払方法、未納情報、過去の対応状況など。
2、未契約住所の場合:
① 接触不可→空家、不在の区別。不在の場合はその理由(仕事、居留守など)とその時間帯。
② 接触可能→契約拒否の理由(テレビがない、民放しか見ない、制度に不満、金がない、理由を言わず拒否など)とその時の対応者の情報(世帯主、妻、子供など)。
登録情報の転送
ナビタンに登録された情報は、原則として訪問後すぐにオンラインで地域のNHK営業局に転送される。従ってNHK本体のサーバーにも集金人の氏名と共に、訪問日時、やり取りの詳細が共有され、苦情の処理などもこの情報によって行われる。
登録情報の更新
ナビタンの登録情報に変化がないか、年に数回すべての家庭を1軒づつ訪問チェックすることを「全戸点検」という。これも集金人の雇用契約上の義務であるので、原則訪問を止めさせることはできない。特に未契約住所は重点訪問の対象となり、不在や居留守の場合、早朝、深夜の訪問を生む原因となっている。
(住民から見た)登録情報の活用
一方で、ナビタンの登録情報に「外国人」「ヤクザ」「録音、録画」「警察を呼ばれる」など集金人が嫌う文字がある場合、訪問頻度が極端に減る、あるいは実際には訪問せず訪問したこととして登録される傾向があるという。
集金人に訪問されたくない場合、積極的にナビタンにそうした情報を登録させるのもひとつの方法である。