旧キット
きゅうきっと
全体的な概要
商品というものは年月を重ねるとともにヴァージョンアップするものであり、模型玩具の一つであるプラモデルも同じである。
キャラクターモデルからスケールモデルまで、デザインやディテール、組み立て方などが年月を重ねるごとに進化していくものであり、新しい毎にそれは洗練されて行くものである。
大抵は古いヴァージョンは淘汰されて新しいヴァージョンに移行していくものであるが、人の思考というのはそう単純ではなく、時として古いヴァージョンのものを作りたくなることもある。
この古いヴァージョンの物を「旧キット」という。
キットの製造終了後に数年間の時を置いて再生産された場合、安全基準の厳格化により形状に修正が加えられていたり、パーツが削除されるなどの修正が加えられている場合もあるため、これらの変更点に不満を感じるマニア層はオークションなどでプレミアの付いた旧キットを探し求める傾向にある。
ガンプラにおける旧キットについて
ロボットプラモとして実に37年もの歴史を誇るガンプラ。
このガンプラでいう旧キットとは広義でいえばMG、PG、HGUC展開前の商品であり、狭義でいえば宇宙世紀シリーズの放送当時に展開されていた商品で、その殆どが要接着剤要塗装の物であるが、80年代後期に公開された『逆襲のシャア』や『ポケットの中の戦争』の製品から接着剤不要(但しビス止め等が必要なものもある)のスナップフィットへとシフトしていっている。基本的に色分け等は考慮されず、そもそもモビルスーツ等のデザインすら模型化(及び玩具化、フィギュア化)等の際の関節可動まで考慮されておらず、シリーズによっては可動すらしないものまで存在する。また、FGやAG、「SEED」放送時の1/144スケールのコレクションシリーズや「SEED」「00」のMGに分類されない1/100商品も旧キット扱いされることもある。
その旧キットとひとくくりにされるものでも、細かいながらもヴァージョンアップがなされている例は多く、ガンダムやザクはMSVにて別ヴァリエーションの商品が出た際に色々とヴァージョンアップがなされている(1/144ガンダム→1/144プロトタイプガンダム、1/144ザクⅡ→1/144ザクマインレイヤーなど)。全体においても関節パーツにポリキャップ採用、色分けの進化、顔の小顔化、パーツ分けの進化などは旧キット時代からも散見されている。
その一方で、後発キット以上にアニメや設定画のデザインそのものに忠実に再現されている事が多く、この旧キットとHGUCなどの二個一での制作をするという人も多い。
また、HGブランドが確立した後、「HG GUNDAM SEED」からリファインされたものやHGUCでもリヴァイヴなどヴァージョンアップがなされているものも多く、HGUCにおいても旧キットとされるものも存在している。