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プロトタイプガンダム

ぷろとたいぷがんだむ

プロトタイプガンダムは、メカニックデザイン企画『MSV』に登場するモビルスーツ、ガンダム1号機の通称である。特に初期の仕様であるRX-78-1時に呼称されることが多い。
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機体データ編集

型式番号RX-78-1(後にRX-78-2に改修)
所属地球連邦軍
開発地球連邦軍ジャブロー工廠
生産形態試作機
頭頂高18.0m
本体重量43.4t
全備重量58.8t
出力1,380kW
推力55,500kg
装甲材質ルナ・チタニウム合金
固定武装60mmバルカン砲×2、ビーム・サーベル×2
携行武装専用ビーム・ライフル、ビーム・ライフルハイパー・バズーカザク・マシンガン、シールドなど

概要編集

模型企画『MSV』に登場する、地球連邦軍が試作したガンダムタイプモビルスーツ(MS)。

RX-78 ガンダムの1番機。型式番号はRX-78-1

黒・赤・グレーを基調としたカラーリングが特徴。

なおこの色は2号機がまだ銀と白で塗装されていた時期のロールアウトカラーであり、最終的に後述する外見の差異は2号機と同様のRX-78-2仕様に改修され、塗装もトリコロールに塗り直されたとされている(このカラーリングはプラキットの塗装見本として掲載されていたが、TV決定稿直前の色彩を流用したもののため細部が異なる。近年に至るまで資料・ムックなどではスルーされることが非常に多く、注目のされることの少ないカラーリングではある)。


RX-78-2、RX-78-3等とは前腕部に窪みがある、アンクルサポートアーマーは肉抜き穴が存在する、右側サイドスカートにホルスター状の部品があるなど細部の形状が異なっており、ライフルは腕の窪みにストックを噛ませ半固定するデザインとなっている(ビームスプレーガンの準備稿を装備するイラストもある)。

また、8機のRX-78すべてがこの機体と同仕様だったものを順次改装していったという説も存在する。


劇中では最終試験の為に搬入されたサイド7の1バンチコロニーへのザクⅡ襲撃の際に破壊され、機密保持のために残骸はスーパーナパームによって焼却処分された事になっている

ただプロトタイプガンダムは放送当時は明確に設定されておらず、本機の残骸が焼却処分される直接的な描写は無い。

その為か後年の『MSV-R』では「サイド7での試験後の運用記録が無い」と言った旨の表現に改められている。


ガンダムマガジン掲載の漫画『RX-78誕生秘話』では2号機と同じトリコロールカラーの本機と思しき機体が登場している。

テム・レイはガンダムの学習型コンピューターを完成させる為に捕虜にしたジオン兵アルガをテストパイロットとして起用した。彼の協力もあって4か月後にガンダムが完成した。


バリエーション編集

プロトタイプガンダム(ロールアウトタイプ1)編集

型式番号RX-78-1

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。

プロトタイプガンダムがジャブローでロールアウトした当初の仕様。この時点では、頭部マスクにスリットが存在しないうえに面積が小さく、所謂「隈取り」の部分が大きく露出し、鼻のような突起が以降のタイプよりはっきりと確認できる。

この段階では宇宙空間での模擬空戦などが行われており、鹵獲したザク・マシンガンをテスト用武装として用いることもあった。

この特徴は各種テストを行うと共に早期に改修されて消失し、後のRX-78、ひいては「ガンダム」の名を冠するMSの多くに受け継がれていく「への字」のスリットが縦にふたつ連なったマスクに換装された。


フルアーマーガンダム陸戦タイプ編集

型式番号FA-78[G]

『MSV-R』に登場。

計画のみに終わった陸戦仕様のフルアーマーガンダム。素体としてプロトタイプガンダムを用いることが予定されていた。

詳細はフルアーマーガンダム陸戦タイプを参照。


ガンダム高機動型編集

型式番号RX-78F00 HMT

動く実物大ガンダムプロジェクト「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」にて設定のみ登場。

一年戦争終結から数十年後、地球連邦軍関連施設「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」によるガンダム(RX-78)の再構成作業の中で製造された機体。

RX-78F00をベース機としつつ、高機動型ガンダムに加えてプロトタイプガンダムの復元も目的としている。

詳細はRX-78F00を参照。


ガンダム試作機1号(THE ORIGIN版)編集

ガンダム試作1号機

型式番号RX-78-01

安彦良和氏が執筆したコミック作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』において設定の変更が加えられたプロトタイプガンダム。ガンダム試作1号機ではない。

詳細はガンダム試作機1号を参照。


その他関連性の高い機体編集

RX-78のひな形編集

漫画『RX-78誕生秘話』に登場。

V作戦の初期にテム・レイが開発した実験機。機体サイズはザクⅡの半分ほどで、外観もガンダムタイプのそれではあるが完成形のRX-78とは大きく異なっている。

RX-78-2のビーム・ライフルと同形状のビームガンを装備しており、この時点で鹵獲したザクⅡの破壊に成功しているが、テストパイロットの練度不足もあって射撃時の反動で転倒してしまう。

なお、『MSV』で文字設定のみ登場するRX-78系列の原型機「X-78」と本機を関連付ける見解もある。


RX-78プロトタイプ編集

ムック『ガンダムセンチュリー』に登場。

『MSV』以前に設定されたRX-78のプロトタイプ。V字アンテナではなく頭部両側面に計2本のアンテナが設けられており、腰部のヘリウム・コアもこの時点では存在しない。また、プロトタイプガンダムとは異なり単色で塗装されている。

走行・戦闘テストを行った結果、ビーム・ライフルの運用に必要な出力が当初の想定を上回っていることが判明し、全8機のうち2機に出力強化を目的とした改修が加えられた。この際に出力強化用補助システムを兼ねてヘリウム・コアなどが増設され、完成形であるRX-78の姿になっている。

なお、『MSD』に登場するガンダム(ロールアウトカラー)(型式番号RX-78-02)のデザインは、頭部や塗装が本機に近いものになっている。


セイラ専用ガンダム編集

対戦型格闘ゲーム『機動戦士ガンダム』に登場。

セイラ・マスが搭乗するガンダム。RX-78-2の青部分を赤色に置き換えた塗装を施されている。

『機動戦士SDガンダム サイコサラマンダーの脅威』や『SD機動戦士ガンダム V作戦始動』といったゲーム作品では、同仕様の機体が「プロトタイプガンダム」として登場している。

いずれの作品でも機体形状はRX-78-2と同一であり、『MSV』のプロトタイプガンダムと同様の「脚のスリット」を描いているのは『V作戦始動』のパッケージと説明書内のマンガのみ。

なお、V作戦始動のマンガでは「ガンダム兄弟」として豪放な兄に振り回される苦労人のガンダムがギャグ調で描かれ「ガンダムに兄がいる」ことをわかりやすく表現している。

また、エンディングのキャスト表記では「PROT. GUNDAM」となっており、略称のプロトガンダムが採用された珍しい例となっている。

「LINE: ガンダム ウォーズ」では脚にスリットが入った赤いガンダムが「ガンダム(V作戦始動版)」の名称で登場、ラストシューティングを披露している。


ゲーム作品編集

『戦場の絆』シリーズや『ガンダムバトル』シリーズでは万能型のガンダムとは違い、格闘戦向きの仕様になっている場合がある。ガンダムのプロトタイプということを意識してか、ガンダムと比較すると若干ながら性能で負けている事も。

『ギレンの野望』では一部ムービーにおいて性能テストを行う本機の様子が描かれている。またシャアの入手した記録画像として、サイド7内でザクに破壊されたビルの下敷きになった2号機と同じ外見のガンダムのパーツも登場しているが、左肩に「01」とマーキングされている事から改修後の本機だと思われる。


機動戦士ガンダム ファイナルシューティング スペースウォー IN 0079編集

アニメ本編を元にリファインした設定のガンシューティングで、出撃シーンで1P側のガンダムの左肩に「01」2P側の赤いカラーリング(セイラ専用ガンダムと同様)のガンダムの左肩に「02」とマーキングされているのが確認できる。

ジオングとの最終決戦はア・バオア・クー脱出後に行われ、エンディングではコアファイターに乗ったパイロットが仲間たちに迎えられているが、それとは別に1P側のガンダムがコアファイター搭載のまま半壊して宇宙を漂っており、結局どれが何なのかわからなくなっている。


機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン編集

アーケードゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン 修羅の双星』では、ステージ1のボス機体として登場する。続編の『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン 戦士の記憶』でも「激闘!プロトタイプガンダム」のボス機体として引き続き登場。

パイロットはゲームオリジナルキャラクターのファレル・イーハ(CV:志賀克也)。


なお、この2作品には青い装甲のフルアーマーガンダムも登場し、戦闘の途中でアーマーの一部をパージして半脱ぎ状態になるのだが、その素体となっているガンダムは形状も塗装もプロトタイプガンダムそっくりである(おそらくプロトタイプガンダムのCGモデルをそのまま流用したのだろう)。


立体物編集

MSVシリーズ最古参のひとつであり、旧キットでは1/144で商品化されていたのだが、同様に最初期から設定されていた同型機であるG-3ガンダムと違い細部がガンダムと異なるためか、単なるカラーバリエーションで商品として成立するG-3ガンダムに比べ立体化に恵まれていない。


旧キット発売から31年後の2014年には 初の1/100キットとしてMGがガンダムVer. 2.0のリデコとしてプレミアムバンダイ限定で発売された。


その他はB-CLUBにおいてレジンキャストの初代MGやHGUCの改造パーツが発売されていたに留まり、現在入手は困難。


食玩「GUNDAM CONVERGE」シリーズにラインナップ。 ※現在、入手困難


余談編集

カラーリングはマジンガーZからリスペクトしたという説がある。

「プロトタイプ(あるいは1号機)は黒い」という設定は後のガンダムシリーズに少なからず影響を与えている。


また、よく『MSV』用に新規デザインされた機体と思われがちだが、実は大河原邦男デザインはプロポーションは大幅に違うものの(クローバー社のダイカストガンダムのデザインは実はこれを基準にしている)ディティールはこのプロトタイプガンダムに近い。ちなみに、初期設定時点ではザンボエースダイターン3に近似した旧来のサンライズスーパーロボット的な色彩であった。

その後に安彦良和氏に、プロポーションを現在もおなじみの物にアレンジされた決定稿直前の画稿が存在し、コア・ブロック・システムのギミック設定イラストにはこの機体が描かれており、どうやら放映ギリギリまでこのデザインで準備をしていた事が窺える。


関連項目編集

機動戦士ガンダム MSV MSV-R 黒いガンダム

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