概要
腐れ縁幼馴染的な関係であり山口さん曰く『兄弟同然』。
その筆舌に尽くしがたい絶妙な関係は回を追うごとに変化してきている。
本編中の描写(ネタバレ注意!)
壱話での2人
島根さん初登場の直後に互いを「しじみと高齢化しか取柄のないゲートボール天国」「お前こそ砂丘以外取柄のない王道田舎県の代表」と罵り、掴み合い頭突きをし髪を抜きマウントを取る派手な喧嘩をした。
その後スターベックスが出店した喜びを噛み締めている鳥取くんの回想として、鳥取にスタベが無かった頃「うちはあるぞ 2軒も」と馬鹿にした笑みを浮かべる島根さんの姿が見られる。
そしてこの2人について語る上で欠かせないのがこの後である。
2人で1つのチーズケーキ
偶然にも同じスタベの隣り合ったレジで注文することになる2人。同時にチーズケーキを注文しお互いの存在に気が付き、「なんでおまえがいるんだよ!いつも出雲大社に引きこもってるのに」「勘違いするなよ僕は白兎神社に出張だ」……どんな勘違いを想定しての台詞かは想像に難くない。
そんな言い合いを遮るスタベ店員。なんとチーズケーキが1つしか残っていないのだ。
嫌そうな顔で同じテーブルに座りチーズケーキを分け合う2人。チーズケーキを切り分けもせずつつき合う2人。これもう間接キスでは?
スタベちゃんに何故仲が悪いかを聞かれ「仲悪いっていうか…」「こいつといるといちいち混同されて迷惑なんだ つまり一緒にいたくない」「奇遇だな俺もだよ」と、互いに嫌いではないがライバル意識で素直になれないことが仄めかされる。
話してる内に大半を島根さんに平らげられたチーズケーキ。鳥取くんは抗議するが当の島根さんは悪びれる様子もなく喧嘩が始まる、かと思いきや2人はフラペチーナクリームに包まれ首都争奪戦の会場に連れて行かれ、鳥取くんは棄権を表明。「素朴さが取り柄の山陰の民」「俺達はコツコツ出生率上げて頑張るよ」「なあ島根」……そう、この男島根さんと一緒にされるのを極端に嫌いながら島根さんは自分と同じだと疑いすら持たず考えていたのである。
島根さんは刀を翳して参戦を表明。決闘が始まった。
2人の決闘
スタベちゃんに焚き付けられようやく武器を執った鳥取くん。銃口にしじみを詰められ、鳥取砂銃を鈍器にして島根さんと激しい攻防を繰り広げる。お前なんか頭髪全部抜け落ちろと思っていたけどこんな形で決着はつけたくなかった、そう告げる鳥取くんの砂銃を弾き飛ばし揺神としての自覚を問う島根さん。からの「俺の頭頭髪より自分が討伐される心配をするんだな」……つまるところ、鳥取くんにとっての島根さんは頭髪全部抜け落ちろ……なんて小学生のようなことを素直に言える相手であり、島根さんにとっての鳥取くんは恥ずかしげもなく駄洒落を言える相手なのだ。
そして鳥取くんに無数の刃を向けた島根さん。人口が流入し決着がつく、かと思いきや。
「…ったく腹立つなあ 島根にまで砂丘しかないと思われるなんて」
そう、彼は蟹取県でもあるのだ。松葉ガニで刀を防ぐことだって可能。しかし重要なのはそこではない。「島根にまで」……島根さんには自分の魅力を分かっていて欲しかったのではないだろうか。唯一無二の、兄弟同然であり自分に一番近い存在にだけは理解していて欲しかった、見ていて欲しかったのかも知れない。
そして一発の弾丸で島根さんを倒し併合した鳥取くん。2話からは併合するつもりがされてしまった島根さんの複雑な心情が少しずつ見えてくる。
弐話での2人
すなば珈琲でニュースを見ながらお茶をする2人とスタベちゃん。肘をつきそっぽを向く島根さんの首には鎖を模した刻印。要するに鳥取くんが望まずして付けた所有印である。
チーズケーキを勧めても地名及び文化や伝統などを尊重する旨を伝えても口をきいてくれない島根さんを、お前だって俺を併合しただろうと詰る鳥取くん。突然の大声に驚いて顔を上げた島根さんの手には文庫本が。これを読んでいて声が聞こえなかったのか聞こえないフリをしていたのかが気になるところ。
2人の因縁
そこに現れた山口さんと決闘することになり、自動的に島根さんが補佐として選択された。しかし決闘におけるヒットポイントに相当する「人口」が、元々の鳥取県の分しかカウントできない(本来は併合県含む総人口をカウント。そこから補佐に人口が分け与えられる)。その理由が重要である。
「島根が納得してねーからだよ 元々因縁深いテメーらが楽に合併できたら歴史に戦争は存在しねえ」
「お前が昔併合されても再独立したようにな」
そうなのだ。元々因縁深い。壱話で散々強調されたように、互いを混同されたり相手より下に見られることを忌避している為島根さんは「鳥取県」になることに激しい抵抗感を抱いている。一筋縄でいかないところがまた良いものである。
壱話から滲み出ていた「鳥取より自分が上」という意識が今回分かりやすく露呈する。
島根さんの想い
「僕に命令するな! 鳥取のくせに」
「僕に指図するな 僕の方が上だったんだ 人口も面積も!」
「お前を庇って戦うのだって 僕の役割だったはずなのに」
島根さんが鳥取くんの下につくことを嫌がっているのは何も憎悪や嫌悪からではなく、彼を自分より弱い『庇護対象』だと考えていたからではなかろうか。守りたいから併合して自分のものにしようとした。そう考えるのも良いのではないかと思う。そしてその台詞を受けた鳥取くんはのどぐろを島根さんの頬に叩きつける。
「…ここで山陰のミクロな上下競ってどうすんだよ」
「足元より前見ろ! 底辺知ってる俺たちだからこそ 変えられるものが絶対あるんだよ!」
その言葉に心を動かされたのか、島根さんは竹下ノボルを召喚し山口さんの攻撃を防ぐ。鳥取なんかに従うのは癪……そう言いつつも鳥取くんが喚び出したシゲルとのダブルアタックで『総理の加護(プライド・オブ・ヤマグチ)』を退けた。
本編外での描写
ブレザー姿の鳥取くんが島根さんを脱がせてセーラー服を着せるという公式が病気どころではないこの漫画。これで分かることは、島根さんが全力の抵抗をしても鳥取くんが傷1つ負わずに着せ替えを完了できるくらい鳥取くんの方が強いもしくは島根さんは何だかんだ言って鳥取くんのお願いに弱いまたは親密度MAXの刻印に併合印と似たような効果があり何かしらの要因で島根さんの動きを鈍らせられる、この中のどれかが公式によって認められたと言うことだろう。
肝心の着せ替えシーンは省かれた為真相は不明だが、いずれにしても公式が最大手である。