ハミルトン・ハウズと空中機動戦術
1962年、当時のアメリカでは民主党が政権を取り、ジョン・F・ケネディが大統領となっていた。国防長官に就任したロバート・マクナマラは、数学理論を取り入れた独自の合理主義によって軍の無為な拡大を避け、より効率的で実用的な軍隊への転身を目指した。
そんな中、戦術機動要件委員会でも新たな時代における陸軍の在り方を模索し、ヘリコプターの機動力を利用し、歩兵を素早く展開させる事ができないかと考えた。その議長、ハミルトン・ホーキンス・ハウズ大将は、元々陸軍戦力と航空戦力の組み合わせには関心が高く、1941年にはアメリカ陸軍航空隊(USAAF)の設立に関わったほか、歩兵とヘリコプターを組み合わせた「空中機動作戦」、現在でいうところのヘリボーンの提唱者として知られている。