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アザトースの編集履歴

2018-04-12 01:22:18 バージョン

アザトース

あざとーす

アザトースとはクトゥルフ神話に登場する外なる神。

クトゥルフ神話に登場する、宇宙の原初であり万物の王。通称「魔王」。


アザトースとは

 宇宙の中心にいる原初の混沌にして、ヨグ=ソトース、ナイアルラトホテプ、シュブ=ニグラスなどの生みの親。太鼓やフルートを鳴らし地獄めいた踊りに興じる蕃神たちに囲まれ、宇宙の中心、白痴の夢の中で黒い玉座につき冒涜的な言葉を吐き散らしているとされる。

 地の属性に類し、ナイアルラトホテップを使役するものでもある。

 盲目白痴にして全能、この魔王の思考によって世界が創造されたとされる。

 我々のいる通常の次元の宇宙はアザトースの思考が物質化される空間である。アザトース自身が自我を持った物質創造の「場」であるとも説明される。


 この世の全ての現象や物事は全てアザトースを起源とし、全ての「存在」とは彼の思考によって創造される。このことからこの世はアザトースの見ている夢であるともされる。つまりアザトースが眠りからさめたとき、この世は一瞬にして消滅するのである。

 知性のないこの魔王の周りには数十から数百もの外なる神と下級の神々が腐敗し、同じく知性のない踊りを踊って自分たちの王をあやしている。どこかにナイアルラトホテップが待機しており、主人を軽蔑して眺めながら神々のあらゆる気まぐれを実現させる。


 アザトースは太古より地球に飛来しているクトゥルフナイアルラトホテップとは違い、直接に地球の人間の前に姿を現すことはないが、おそらく彼は、普通の地球人の五感によっては感知できる存在ではないのである。


「アザトース」とは二つの言葉が複合してできた名前。アザ(aza)とトース(Thoth)である。

「アザ」は力を意味する言葉で、「トース」は魔術師たちがナイアルラトホテップを表す暗号名として秘密に使っていた名前。したがって「アザトース」という名前は「ナイアルラトホテップの力」という意味となる。ナイアルラトホテップがアザトースの命令を全て励行するからである。

 つまり、ナイアルラトホテップはアザトースの力あるいは手先ということ。人間の魔術師達によってこう呼ばれていることがわかる。

 アザトースの意向はナイアルラトホテップによって直ちに満たされる。

 アザトース自身は白痴であるが故、ナイアルラトホテップに創造主としての権能を好き勝手に使われているのかもしれない。


信仰

 アザトースを崇拝するものはシャン達以外はほとんど確認されておらず、奉仕種族的な眷属もほとんどいない。崇拝の対象というよりも、そうした物理現象として捉えられていることもある。


 ただし、途方もない数の下級の神々や外なる神に崇拝に近い形で奉仕されているようである。また、アザトースの名前自体が魔術師達の間においても禁忌とされているという事情がある。


アザトースの「夢」

「この宇宙はアザトースが見ている夢である」という設定は、実は創造者であるラヴクラフトが作った設定ではない。

 恐らく同じく世界を夢として見ているペガーナ神話の神マアナ=ユウド=スウシャイの影響で付け足された設定だと思われる。

アメリカにおいてクトゥルフ神話作品の出版に関わり、ラヴクラフト研究者であるロバート・M・プライスはマアナ=ユウド=スウシャイがアザトースの原型だと主張している。

上甲宣之の『脱出迷路』のように、これを設定として採用している作品もある。クトゥルフ神話TRPGサプリメント『マレウス・モンストロルム』ではマアナ=ユウド=スウシャイがアザトースの化身の一つとされている。


「アザトースの夢」はクトゥルフ神話世界において重要な設定になりうるが、そうと規定してしまうのは非常に危険である。

 

 ラヴクラフトの書きかけの遺稿に、「アザトース」というタイトルのものが存在しているが、

 残念ながらわずか二ページほどの断片しか残っておらず、これからは何のデータも読み取れないのが現状である。

(収録は東京創元社『ラヴクラフト全集7巻』訳:大瀧啓裕)

 もし完成していたのなら、ラヴクラフトがアザトースをどのような存在だと考えていたのか明示されるか、あるいは重要な手がかりが描写された可能性が高いと思われ、非常に惜しまれている。

 ラヴクラフトは最初から理性のない存在として描いたが、他の作家によって元々は理性があったが旧神によって奪い去られたとされることもある。


旧神との関係

 旧神らによって創造され、宇宙の誕生と同時に存在しているとされることもある。創造主である旧神たちに反逆し創造主の座を奪い取ったともされる。その場合、宇宙開始以前の神々がいることになる。

 ただし、旧神の設定の方が明らかにアザトースのあとに作られたものであり、クトゥルフ神話旧神の記事に書かれているようにこの設定は絶対的なものではない。むしろ、考案者のラヴクラフトの設定に沿うならば、アザトースは旧神に作られたはずはない。

 クトゥルフ神話は作家、作品ごとに世界観が変化しうるため、注意。

 「大地の神々」の設定からすれば、旧神もアザトースの創造の一つになる。

別の読み方

アザトホース

アザトホート

アザトート


化身

ザーダ=ホーグラ(Xada-Hgla)

作品:ラムジイ・キャンベル『妖虫』、スコット・D・アニオロフスキー『Ye Booke of Monsters』

 アザトースの化身。体の特徴は二枚貝の様な殻を持ち、多数の長い偽足が殻から延びており、殻の中には毛が覆われ、緑色の目を持つ顔がある。この化身はアザトースが理性を持っていた時になれた姿と言われている。ただし、上記の通りこの神に元々理性があったかどうかは明確ではない。

 二枚貝が完全に開くとき核爆発が起こる。

 TRPGではこの姿で現れたアザトースは不機嫌になるとぐずって触手を伸ばして振り回すことがあるとされている。この触手に触れたものは消滅してしまう。

関係性

・兄弟

 ウボ=サスラはアザトースの双子の兄弟である。

 ナイアルラトホテップも異母兄弟とされることがある。

・娘

 アウラニイス 別名「最も奔放なる死を運ぶもの」

 オッココク  別名「敵意の年長の女巨人」

 トゥーサ   別名「くすんだ色の大釜の番人」

・息子

 ウイチロソプトル 別名「夢の憑依者」、「広大卿」

 夢に支配を及ぼす事ができる旧支配者。アザトースの息子だが、アザトースに罰せられてシルゴスと呼ばれる銀河に追放される。旧神に依る封印を免れているのはシルゴスに居たため。この神に関して知られている事は少ない。

○その他の子供


・ナイアルラトホテップ

 出生に多くの矛盾を抱えるもののアザトースを原因として生まれたはずである。


・ヨグ=ソトース

 アザトースの生み出した無名の霧から生まれた。アザトースが魔王なのに対して副王。


・シュブ=ニグラス

 アザトースの生み出した闇から生まれた。全ての女神の原型になった女神。


・クグサクスクルス(サクサクルース)

 両性具有であり、アザトースが分裂生殖によって産み落とした子供である。人肉嗜食(同族食いのことらしい)の性質を持つ。ツァトゥグアの祖父あるいは祖母。


・アザ―ティ

 定期的に産み落とされるアザトースの落とし子達の総称。強いエネルギーを持つが制御できずに死ぬものが大半。稀に身体を制御できるものがいる。

 生存しているアザ―ティは「アザータ」、「アザーテ」、「アザートゥ」の3体だけで、3体は宇宙の何処かに存在するといわれている。


崇拝

 シャン(シャッガイからの昆虫)

 この種族は複雑な儀式と体系的な拷問によってアザトースを崇拝している。

 それぞれのシャンの神殿(宇宙船)には生きたアザトースが異界の科学技術によって置かれている。シャンはアザトースが定期的に産み落とす種子のエネルギーを使い道具を作ることがある。

 彼らのアザトース崇拝の中心はアザトースの化身ザーダ=ホーグラがその中心である。

関連タグ

クトゥルフ神話

外なる神

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