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旧神

きゅうしん

旧神とは、クトゥルフ神話に登場する神格の総称の一つである。「旧き神」「Elder God」などと呼ばれる。
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旧神とは

クトゥルフ神話上における、旧支配者邪神)と敵対、あるいは中立するとされる神々。
 基本的には大地の神々(地球本来の脆弱な神々)と呼ばれる存在だが、クトゥルフ達の創造主であり、彼らが反乱を起こしたため封印したという設定であることもある。
 ダーレスは旧支配者、外なる神を宇宙的悪とした場合に対となる善なる存在と設定した。この「善なる」という定義は以下の内容でも度々触れるが、安易な意味にとらえるのは正しい理解とはならない可能性が高く、危険である。特に、人間を捕らえて弄び、殺戮を娯楽とする旧神や、人類に深い慈愛を持ち信仰する部族に知識を授け守護しようとする旧支配者もいることは見逃してはならない。
 ギリシャ神話など、既存の神話の神が多く属する。外見もモンスターではなく擬人化された姿をしている者が多い。
 作品世界の設定に大きく関わる存在のため、作家によって世界観が変わるクトゥルフ神話において解説しにくい側面がある。以下の内容も断定調で記さないものが多いが、固定観念で誤解などを与えないための配慮である。

クトゥルフ神話内の扱い

 クトゥルフ神話にはよくあるように、作家により解釈自体が変わってくる。この神々の扱い方が作家ごとの世界観がどのようなものであるかに大きく関わってくる。
 アザトース達を創造した非常に強大な存在であったり、邪神達には一歩及ばない実力だったり、脆弱な神だったり、実はただの人間の妄想だったりもする。
 外なる神と同じ存在で(つまり外なる神の別の呼び方)、個々で対立しているだけとする場合もある。
 エルダーサインを考案したヌトセ=カアンブルなど、人間にとって好意的、あるいは守護するような立場で行動するものが多い。
 神によっては旧支配者とあまり変わらない行動をとる。普通の人間が旧神と関わってもろくなことにはならない。決して人間にとって怖ろしくない存在というわけではない。
 他の神々と同様、崇拝者に生け贄を要求するのは普通のことである。その接触には現代的な価値観では受け入れられない事柄も付随する。例として、神による強姦、幼子の要求、戯れに人間を攫って弄ぶなど。


 一般的にはノーデンスが首領。ブライアン・ラムレイ作品ではクタニドがリーダーとされる。ノーデンスは旧神という概念がなくとも、一柱の神としては登場することもある。
 旧支配者以上に謎めいた存在とされることもあり、ダーレスの作品では名前が唯一分かっているのはノーデンスだけとされた。
 個々の概念がなく、強い力を持つ光の柱と描写、説明されたこともある。
 実際にはどの神が旧神でそれらが一つの勢力かどうかははっきりとは言えない。一部の作家は「そのようなものがある」と設定することがあるというだけである。

 ちなみに、ラヴクラフト作品においては明確に区別して言及されておらず、他の旧支配者と同様に謎めいた超自然的な何かとしてしか描かれていない。ワードとしては外なる神や旧支配者と指しているものは同じであったと思われる。

各作家の設定

 オーガスト・ダーレスによれば、クトゥルーたちを封印したりこの時空から追い出したのは彼等であり、彼等の中で唯一名前が判っているのはノーデンスだけだという。
 ブライアン・ラムレイによれば、旧神の中で力に驕った者たちがおり、それで旧神たちから追放されたり封印されたりしたのがクトゥルーたちであった。クトゥルーたちのリーダーはクトゥルーであり、旧神たちのリーダーはクタニドである。
 ゲーリー・メイヤーズによれば、クトゥルーたちに敵う力を持たなかった弱小の神々がクトゥルーたちが眠りについている隙を狙って地球に飛来、彼等の一柱で女神のヌトス=カアンブルの作り出した旧神の印を使って封印し、そのままドリームランド(幻夢郷)にとどまり今日「地球本来の神々」として知られる存在になり、唯一、旧神の印の見張り役のノーデンスが疲れ果てて眠りについた時、クトゥルーたちは復活するのだという。

クトゥルフ神話に導入されたことによるあれこれ

 オーガスト・ダーレスが考案しクトゥルフ神話に取り入れられた。本格的に取り入れられたのが創始者であるラヴクラフトの死後だったために、ダーレスとラヴクラフトの作家性の違いからクトゥルフ神話を私物化した行いであるかのように誤解され、ファンから批判されることがあったが、ラヴクラフト自身もこの設定の創作には協力していたことが分かっている。
 ラヴクラフトは飽くまで、クトゥルフ神話は各々が自分の作品内で好きに扱って構わないと公言していたので、ラヴクラフトが考える形で扱わなくても、文句を言うどころかむしろ好意的に捉えていたことが分かっている。

 また、「旧神」なる分類の設定を作ったのはダーレスだが、そこに所属する神々はそれ以前からラヴクラフトその他の作家の作品内ですでに登場していたものが多い。
 旧神のリーダー的存在として設定されることの多いノーデンスも、元々はクトゥルフ神話以前作品で名前が登場した超自然的な何かである。
 体系化、分類する際に怖ろしい邪悪な存在と対立している存在を善なる存在に据えて、わかりやすく整理する必要があったものである。旧神を設定したダーレスもその振る舞いまで手を入れたわけではなく、つまるところダーレスが考える「旧神」も人間にとって怖ろしくないわけではないのである。
 ラヴクラフトは善や悪といった考え方自体が人間の都合による視点でしかないと考えていたため、この点がラヴクラフティアンからクトゥルフ神話の醍醐味を失わせる無粋な設定だと否定される一因である。

 ダーレスの定めた設定には納得しない作家も多く(特に「悪」と「善」という考え方)、扱い方、見解においても大きく以下の通りに別れている。
1)旧神は、ドリームランドを統治する地球の小神、大いなるものかもしれない。彼らの神話によると大いなるものは旧支配者が眠っている間に生まれた。彼らの墓にいる旧支配者を見つけたとき、旧神は恐怖し、旧き印で邪悪なるもの(旧支配者)の墓を封印して、大いなる深淵の大帝ノーデンスをその監視役とした。
 ノーデンスが眠るとき、旧支配者は世界を支配するために現れる。大いなるものにはこれを止めたり、または人類を保護したりする力はない。
2)旧神は、この宇宙の創造者であり、それに尽力した。旧支配者は宇宙を破壊することを望んでいるが、その結果、よりよい宇宙が作られるかもしれない。
3)旧神は南極にいる古のものである。古のものは未知の理由で旧支配者を封じ込めた。
4)旧神は実際に存在しているが、旧支配者に比べて「善」というわけではない。人類にとっては結局同じである。
 これらの混合型もよく見られる。

 ラヴクラフトは、どうやらクトゥルフ神話を扱う作品であっても、各々の作家の個性を殺してしまうことをよく思わず、独特のトーンを持たせることを推奨し、場合によっては作家独自の世界観や設定を使うことを望んでいたようである。
 ダーレスが自らのクトゥルフ神話作品において旧神の設定について相談してきたときも、アドバイスし設定創作に協力していたようだ。
 ダーレスはこのようなラヴクラフトの意向を知っていたためか、若きラムジー・キャンベルにラヴクラフトの舞台を借りただけの模倣ではなく、自分独自の世界を構築してクトゥルフ神話を書いてみるべきだと指導した(これによりハイパーボリア大陸など、より幻想的な舞台が作られた)。
 こと旧神について考えるときには、このような事情を知っておくべきだと思われる。

邪神達との戦い

 世界観に大きく関わる設定として、旧神と邪神の軍団とに大きな戦いがあったとされる場合がある。だが、この戦いがどのようなものであったのかは不明とされている部分が多く、作家によっても明らかに扱い方が違う。そもそもこういった戦いはなかったとする場合も多く、上述したように旧神という概念そのものを採用していない作家もいる。 
 大きく分けて下のような扱いをされていると思われる。見れば分かるとおり、この戦いの解釈次第で必然的に旧神の強大さも大きく変わることになる。
 繰り返しになるが、この戦いもあったとする場合と、なかったとする場合、それすら不明瞭な場合とに分けられる。

・地球を巡り争いが起こった。旧神と、当時地球を支配下に置いた存在「旧支配者」たちが戦い、敗れた旧支配者たちは封印された。外なる神や当時地球にいなかった神は無関係。
・旧神によって創造されたアザトースとウボ=サスラが反乱を起こした。この二柱の神を始祖とする邪神群と旧神達の大規模な戦いとなり、アザトースとウボ=サスラは理性と知性を奪われた。
・地球にてクトゥルフなど、侵略の意志が強い地球外から飛来した神が他の神々に戦いを挑んだ。元々地球にいた神々はこれに反抗し、現在でも個々で対立している。

 そもそもが不明瞭であるため、上に当てはまらないことはいくらでもある。

主な旧神とされている存在


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