元々は単数でヨグ=ソトースを指す言葉だった。TRPGでは一つのカテゴリーとして使われるようになった。「外なる神」という言葉でくくられるようになったのは、元々ヨグ=ソトース等他と別格として扱われていた神話的存在を用語としてまとめるのに最も適した言葉だったためと思われる。
特に体系化されるときに邪神級の存在を区別なく「旧支配者」と設定してしまった節があり、現在「外なる神」として知られている存在も資料によっては「旧支配者」と書かれている場合も多い。
しかし「外なる神」「旧支配者」それぞれの言葉に本来厳密な意味があるので、単に上級下級の関係としてしまうと齟齬がある。特に太古の地球の支配者でなかった神を「旧支配者」と呼んでしまうのは問題がある。
描写から外なる神に匹敵する力を持つと考えられる旧支配者も確かに存在している。
カタカナ語としては「アウターゴッド」と読まれる。
作家によって記述が異なり、地球外の神という意味では「異形の神(アザ―ゴッド)」、また「旧き神々(エルダーゴッド)」と呼ばれることもある。
ただし、「旧き神」は外なるかみに対して中立、あるいは敵対する別の種族を指す言葉としても使われる。現在は区別するためにこの神々を指す言葉として使われ、特に一般的には「旧神」という呼称が使われている。
概要
旧支配者(グレートオールドワン)は力が強大であっても限りがある、ある種の異世界、異星人的存在であり、まだ一定の世界法則に則っている。
それに対し、宇宙の力を擬人化した存在たる外なる神は、宇宙の法則にさえ干渉できるほどの真の神かもしれないとされる。
個々の名前が知られているのはほんの僅かで、ほとんどの神は目が見えず、知能がない。現象や法則に近い者もいるようだ。例外なく非常に強力な異界の存在であり、中には宇宙の外から来たものもいる。「外なる神」という名称もこうしたことからきているのだろう。
普通外なる神々は宇宙を支配しているだけで人間界にはあまり関係を持たないが、唯一の例外がナイアルラトホテプである。外なる神々はメッセンジャーであり魂であるナイアルラトホテプにある程度支配されている。外なる神々に不都合が起こるとナイアルラトホテプが調査する。
最高支配者はアザトースであり、ナンバー2あるいは共同支配者はヨグ=ソトースである。
実体のない力
宇宙における絶対的存在であり、実体のない「力」とされる。物質的な形として化身をつくり、人間の前に現れることもあるがごく稀である。姿が描写されるものも「形」を持って顕現した際のものであり、元々そのような存在ではない。
異界のモンスター然としているグレートオールドワンとは異なり、本当の神のような現れ方をする。この神々の中には宇宙の原則を擬人化したものもいるのだとされる。人間界のことに興味を持つ者は滅多にいないし、人間というものの存在が分かっていないものも多いようだ。
たまたま人間に興味を持つと宇宙の壁、次元の壁を破りこちらにやってこようとする場合がある。人間を滅ぼすことに執着しているヤマンソという神がいる。
人間の理解の及ばない超常の存在
彼らのなすことは基本的に人間の理解を超えている。積極的に人間に関わろうとするナイアルラトホテプでさえ、その意図や目的が不可解なことが多い。
これらのことを説明する際、人間を蟻、その社会を蟻の巣として例えることが多い。
蟻には「大気」や「人間の足」という認識はなく、人間が大気を掻き分けて蟻を踏みつぶし殺害したという事象はアリからでは理解できず、そこには蟻でも認識できる程度の結果、つまり潰れた同胞の死体が残るのみである。
蟻に比する人間、つまり人間に比しての「宇宙的存在」が成す"事象"は、蟻のように矮小な人間には理解できないのだ。