八極拳とは、中国拳法の流派の一つである。
概要
中国拳法の中でも、極めて近距離で戦うことを旨とした武術流派。その様相は「陸の船」(動かないもの)と形容されるほどに射程が短く、自分の腕の届く範囲を最大効果範囲とする。
逆にいえば、この近距離だからこその力技での防御崩壊を可能にする。『八極』とは【八方の極遠にまで達する威力で敵の門(防御)を打ち開く(破る)】ことを意味している。
単純に言い表わせば、"相手にゼロ距離で大砲をぶっ放す"というところか。
まさに"八極"とは"大爆発"なのである…。
主な技
震脚を利用した、独特の重心移動を伴う急激な展開動作などから放たれる一撃必殺を旨とするものが多い。肘撃や靠撃などの至近距離でこそ有効な攻撃法にも重点が置かれる。また、開拳と呼ばれる体を開くように掌底を放つ型にも重点が置かれる。
震脚(しんきゃく)
地面を強く踏み付けるようなような踏み込み。
こと八極拳では一撃の威力を極限まで高めるための発勁のために、この震脚を用いた動作を多用する傾向にある。
靠撃(こうげき)
肩や背中による至近距離での突進。靠は【もたれかかる】の意。
特に貼山靠は鉄山靠の別名でも有名。
相手を防御もろとも吹き飛ばし、その体勢を崩す技。日本のメディア作品では一撃必殺技のような扱いを受けるが、どちらかと言えば先述したよう『防御崩壊』のための技と言える。