ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
そらうぬぁざれそふぃあり
「いえ、そんなつもりじゃ……御免なさい。言い過ぎたわ」
「どうしても納得しないというのなら……この右腕を切り落とすしか他になくなるけれど、どうするの?」
プロフィール
略歴
ロンドン協会は時計塔、その降霊科学部長の地位を歴任するソフィアリ家の息女。
一子相伝を原則とする魔術師の家であり、生まれたとき既に後嗣は兄に決まっていたが、その兄の命が危ぶまれる権力闘争の渦中であったため、ソラウは「予備の」後継者として魔術の基礎を修める。
兄妹そろって無事に生き残った後は、彼女は魔術師の素養がある政略結婚の道具として扱われて生きてきた。
聖杯戦争ではケイネスに随従する形で参加し、彼女が魔力の供給を、ケイネスが令呪を持つという変則契約をランサーと結ぶ。
ランサーの魔貌による魅了を受けた後は、ランサーを手に入れるために狡猾に立ち回り、最後はケイネスから令呪を奪い正式なマスターとなる。
キャスターが召喚した『海魔』との戦闘に際しランサーと離れた際に久宇舞弥によって拉致されケイネスと衛宮切嗣の交渉に利用される。
最終的に切嗣の罠に嵌ったケイネスと共に、気絶した状態で背後から撃たれ、死亡。痛みを感じずに死ねた分、彼女の方がケイネスより幸運だった。
人物
高慢で怜悧な人物だが、それは彼女の「貴人としての商品価値」を高めるために叩き込まれた一種の処世術であり、本来の彼女は強く何かを欲したりといった感情を理解できない人物であった。故に表層の態度こそつれないものであったとしても、ケイネスとの婚約に何らかの不満を持っていたということは決してなく、彼を嫌ってなどはいなかった。
歯車が狂ったのはランサーの魔貌による魅了を受けたため。ソラウは抵抗力を備えていた。にも関わらず抵抗しなかったのは人生で初めて懐いた「心の底から沸きあがる激情」でその感覚そのものが彼女にとって至宝となったため。この慕情が「正しい」ものかなど彼女はどうでもよかった。
後に久宇舞弥の襲撃によって右腕を失うが、そのとき彼女が懐いたのは痛みや出血の恐怖よりも、ランサーとの繋がりの証明でもあり、いざとなれば「私を愛せ」と命じる事もできるであろう令呪を失った事への恐れの方が大きかった。
能力
本格的な魔術師ではないものの、上述の事情から兄の予備として次期後継者としての教育と訓練を受けていたため、基本的な魔術を行使することが可能。
また、魔術師としての素質は兄ほどではないが優れている方であったため、サーヴァントの限界に必要な魔力供給を余裕を以て担えるだけの性能がある魔術回路を有している。
その他
本編の平行世界にあたる『Fate/Apocrypha』では、時計塔の重鎮で兄のブラム・ヌァザレ・ソフィアリが登場。
本編の数年後を描いた『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』には父であるルフレウス・ヌァザレ・ユリフィスが登場。