概要
漫画アプリ「マンガワン」及び「裏サンデー」にて2017年8月11日より連載中の、焼き芋ハンサム斉藤によるヒーローアクション漫画。
かつては新都社で連載しており、現在は新都社の方は休載中。単行本は現在4巻までリリース済み。
第6回マンガワン連載投稿トーナメント優勝作品。
個性豊かなヒーロー達や一般人や時に怪人が、自らの正義や存在意義を問う人間ドラマを描いた王道ヒーローアクション物である。
テンポの良いギャグなどコメディ色が強い一方で、家族の絆や、優しさと強さの間での葛藤、といったテーマを軸に、王道を見事に王道として完成させている。
あらすじ
日朝 千(ひあさ せん)は、妹ほのかと暮らす、ごく普通の高校二年生。ただ、彼にはひとつの秘密があった。それは、現在存在するヒーローの中で最強の、「レート1000」ヒーローであるということ。
妹の日々の平和を守るために、千は隠れて怪人を倒す生活を送っている。ヒーロー達は、レートに応じて、一秒ごとに現金を消費して変身し戦うので、レートの高い千は変身するたびに財布が痛い。
強いやつほど金がない、ヒーロー活劇である。
登場人物
主要人物
日朝千(ひあさ せん)
実在する世界最強の、レート1000ヒーロー。しかし、普段は極度の貧乏生活を送り、バイト・内職に追われる日々。17歳。ヒーロー名は「ブレイズマン」。レートの10分の一(100円)ずつ消費して、0.1秒単位で変身できる。雑魚怪人は、千がまともに変身した姿すら見ることなく、文字通り瞬殺されることになる。妹を溺愛しており、彼女のためなら、どんなに辛い生活もいとわない。
「いいんだ。ほのかが笑ってれば、それでいい。」
日朝ほのか(ひあさ ほのか)
千のたった一人の肉親であり、愛する妹。10歳。千がヒーローであることは知らず、兄の努力のおかげで、家庭の貧困状態も知らずにすくすく育つ。親代わりの兄を大切に思っている。
「おにいちゃんがんばってー!!」
天崎恵里(てんざき えり)
日朝千の同級生であり、千の事情を知る数少ない人物にして理解者。17歳。頭がよく、推理観察が得意で、知識や戦略等の助言で千の活動をサポートすることもある。千と対等な友人でいるために、金の貸し借りは一切しないと取り決めている。普段はほぼ無表情で、優しいがクールな性格。千に関して「アイツは、誰よりも私のことを知っている。…私自身よりも…な」と発言していることと、関連する回想から、過去に千と何かがあったと思われるが現時点で明らかにされていない。
「お前だけに戦わせない…私がウイルスの治療法を探す…!!」
威借刃(いかり じん)
千の高校に転校してきた同級生。17歳。軽薄で女好きとして有名なレート10ヒーロー。ヒーロー名は「エッジマン」。男性をシニョール、女性をシニョリータと呼ぶことが多い。本当は、おとなしいが情と正義に熱い性格で、ナンパな行動は本来の性格を隠すための借り宿。あまりに優しすぎて、『誰にでも優しくありたい(怪人をも助けたい)』という正義と『強くなければ結局は誰も守れない』という正義とで、自己矛盾を抱え葛藤し続けたが、ユグドラシル編にてそれを乗り越えレート100に進化した。
「俺は君を…君をも守れる男になる。待ってろ!」
ヒーロー
椿長司(つばき ちょうじ)
規則に忠実で冷静な考え方のできるサラリーマン気質のレート10ヒーロー。26歳。ヒーロー名は「ホークマン」。スーツ姿で登場することがほとんど。物腰柔らかだが、本音と建前を分けるタイプである。多くの人を救うためには少数の犠牲はやむ無しとする冷徹な所があるが、『目の前の人を救いたい』という情を捨てきれない。面倒見が良く仕事もできるので、後輩から好かれる。
「もらった給料の使い道まで、組織(うえ)にとやかく言われる筋合いないんでね…!!」
華氷院麗華(かひょういん れいか)
日本でトップクラスの知名度を誇るレート100ヒーロー。22歳。ヒーロー名は「レディフロスト」(以前は「ヴォルフロスト」)。氷の能力を持つ。さっぱりとした性格。華道の名家に生まれ、厳しくしつけられて育った。幼い頃、炎の怪人に両親と飼い犬を殺され、本人はレディ・ブレイズに命を救われる。ルックスもかなり良く、あらゆるメディアに引っ張りだこであるため、時々いやになり逃げ出すことも。
レディブレイズ
千とほのかの母。かつてレート1000ヒーローとして活躍し伝説となったが、ほのかの誕生と同時期に死去。
声井薫(こわい かおる)
決して素顔を晒さない謎のレート10ヒーロー。22歳。ヒーロー名は「マッハマン」。心優しくおとなしい性格だが、顔が怖いので他者から避けられる。自分を腫物扱いしない姉と姪を大切に思い、精力的にヒーロー活動を行っていたが、パラサイトヴァンパイアに寄生された姉から姪の麻衣を守るため、苦悩の末自らの手で姉を殺害。怪人に寄生された姪を庇いながらヒーロー達から追われる身となる。
声井麻衣(こわい まい)
声井薫の姪。パラサイトヴァンパイア事件を経てヒーロー適正を得、レート1ヒーローとなる。ヒーロー名は「マッハガール」。12歳。薫(マッハマン)を病死した父代わりに慕っており、怪人に寄生された自分を救おうと奮闘する彼の正義を理解し、彼のために戦うことを決意。
怪人
おっちゃん
ヴァイタミン
モヤシの怪人。強者との闘争を求める孤高の存在。元々は中国拳法の達人だったがある日突然怪人になってしまう。己の存在理由を確かめるため襲い来るヒーローと戦う日々を過ごしていた。
千の必殺技である『フレイムサイクロン』を受けて唯一生き残った怪人である。千との戦闘後、重傷を負い、生きる気力を失っていたところを青森県のお婆さんに助けられ、恩を感じて以来、地元の水族館のマスコットキャラ『ダイコクさん』として働き始める。『ダイコクさん』は空前のブームを巻き起こし、日朝ほのかも彼の大ファンである。そうとは知らない千と青森の修学旅行で再会し、世界樹ユグドラシルを倒すため千と共闘することになる。
ある呼び名で呼ばれることを嫌い、それを口にした中年サラリーマンに激怒し執拗につけ狙った。
エボリア
殺人ウイルスやガスを撒き散らすことで攻撃する極めて危険な怪人。怪人刑務所に収容されていたが、恋人に会いたいと強く願っていた時に、ユウロにそそのかされて脱獄を決行。千達が遊びに来ていたプールに現れたが、怪人であることがバレそうになったためその場の全員を殺そうとウイルスを散布、パニックを引き起こした。
「あぁ…どこで間違えたのだろう…ただ私は、手紙が来なくて…彼女のことが心配で脱獄しただけなのに…彼女さえ…幸せなら…自分のこと…など…どうで…も…よかっ…たはずな…の…」
パラサイトヴァンパイア
吸血によって人間に寄生し、対象の体を乗っ取ることのできる怪人。コウモリのような姿をしており、主に女性に寄生する。ヒーロー「マッハマン(声井薫)」の姉に寄生し、彼女の死後その娘「麻衣」に寄生先を移行。さらに、逃亡したマッハマンと麻衣を追って来た「レディフロスト(華氷院麗華)」に寄生し、かねてから狙っていたレート100ヒーローの体の乗っ取りに成功する。
ユグドラシル
裸の女の姿をした怪人。髪が蔦のように自由自在に操れる。かつてレディ・ブレイズ相手に善戦するも敗北し、『種』となって眠りにつき、復活の時を待っていた。『グロウエナジー』という、生物が生きていく上で必要な生体エネルギー(寿命のようなもの)を操れる唯一無二の怪人であり、『怪人の理想郷を作る』という触れ込みで配下の怪人を増やしていた。怪人のグロウエナジーは一瞬にして吸い尽くせるため、対怪人では最強である。
千のクラスメート
白駒優子(しらこま ゆうこ)
千や刃と同じクラスの女の子。17歳。4歳の頃、怪人の爪で喉を裂かれるが何とか一命をとりとめる。それ以来、怪人を映像で見るだけで震えが止まらなくなってしまった。喉から頬にかけての大きな傷跡を隠すため、いつもマフラーを深く巻いている。これは恥ずかしいためというより、他人を不快にさせないための配慮である。初めて身近に生活するヒーローである刃の優しさや正義感に触れ、好意を寄せるようになった。ちなみに刃の見た目も中々タイプである様子。
その他
ユウロ
正体不明のスーツ姿の男。ユニオンプライスという組織に所属しているようだが、詳細は不明。戦闘能力はかなり高いと思われる。
羽間同児(はざま どうじ)
中学時代の千の親友。母子家庭で育ち、妹が心臓病。同児ら兄妹を引き取った叔母は、同児を学校にすら通わせず、彼をこき使って働かせていたが、同児自身はすべて妹の薬代のためと信じて受け入れていた。ところが、叔母が一切薬代を支払っていない事実を知り、強い憎しみから怪人化してしまう。怪人の姿のまま妹の病院に侵入し、正体を知らない千に攻撃されて重傷を負うが、ユウロに救われる。
ヒーローについて
ヒーロー団体
民間ヒーロー
政府ヒーロー
レート
変身ベルト
バンクドライバー
リンクドライバー
怪人について
擬態
星
ユニオンプライス
余談
バラエティ番組「リンカーン」にも同名企画が存在する。
こちらは予算1000円で買った100円ショップの商品を使いヒーローの扮装をするというもの。