概要
漫画アプリ「マンガワン」及び「裏サンデー」にて2017年8月11日から2020年10月まで連載された焼き芋ハンサム斉藤によるヒーローアクション漫画。
かつては新都社で連載しており、現在は新都社の方は休載中。単行本は13巻までリリース済み。
第6回マンガワン連載投稿トーナメント優勝作品。
個性豊かなヒーロー達や一般人や時に怪人が、自らの正義や存在意義を問う人間ドラマを描いた王道ヒーローアクション物である。
テンポの良いギャグなどコメディ色が強い一方で、家族の絆や、優しさと強さの間での葛藤、といったテーマを軸にシリアスな面も描いている。
あらすじ
日朝 千(ひあさ せん)は、妹ほのかと暮らす、ごく普通の高校二年生。ただ、彼にはひとつの秘密があった。それは、現在存在するヒーローの中で最強の「レート1000」ヒーローであるということ。
強いやつほど金がない!?1000円チャージ!で一秒ヒーロー!!
「金で変身」するヒーロー活劇開幕。
登場人物
主要人物
日朝千(ひあさ せん)
実在する世界最強の、レート1000ヒーロー。しかし、普段は極度の貧乏生活を送り、バイト・内職に追われる日々。17歳。ヒーロー名は「ブレイズマン」(マンガワンのちょい足しには「ネームレスヒーロー」と表記)。炎の能力を持つと思われていた。レートの10分の一(100円)ずつ消費して、0.1秒単位で変身できる。雑魚怪人は、千がまともに変身した姿すら見ることなく、文字通り瞬殺されることになる。妹を溺愛しており、彼女のためなら、どんなに辛い生活もいとわない。
サークル総帥との戦いにて、千の持つ能力が炎ではなく、鏡だと判明。他のヒーローの能力をコピーする事が可能になった。
また、千の心に宿る仲間の心を乱反射し、レート10000ヒーロー「カレイドスコープ ソルブレイズマン」のヒーロースーツを形成出来る。ただし、千の心に住まう魂の力も借りているため、魂たちの目的が一致しなければ変身できない。
「いいんだ。ほのかが笑ってれば、それでいい。」
日朝ほのか(ひあさ ほのか)
千のたった一人の肉親であり、愛する妹。10歳。千がヒーローであることは知らず、兄の努力のおかげで、家庭の貧困状態も知らずにすくすく育つ。親代わりの兄を大切に思っている。
怪人化してしまったが、本人が守ることと倒すことについて自分なりに考え、レート100ヒーロー「ブレイズガール」になった。
「おにいちゃんがんばってー!!」
天崎恵理(てんざき えり)
日朝千の同級生であり、千の事情を知る数少ない人物にして理解者。17歳。頭がよく、推理観察が得意で、知識や戦略等の助言で千の活動をサポートすることもある。千と対等な友人でいるために、金の貸し借りは一切しないと取り決めている。普段はほぼ無表情で、優しいがクールな性格。
「お前だけに戦わせない…私がウイルスの治療法を探す…!!」
威借刃(いかり じん)
千の高校に転校してきた同級生。17歳。軽薄で女好きとして有名なレート10ヒーロー。ヒーロー名は「エッジマン」。あらゆる場所から刃を出現させて戦う。男性をシニョール、女性をシニョリータと呼ぶことが多い。本当は、おとなしいが情と正義に熱い性格で、ナンパな行動は本来の性格を隠すための借り宿。あまりに優しすぎて、『誰にでも優しくありたい(怪人をも助けたい)』という正義(盾)と『強くなければ結局は誰も守れない』という正義(剣)とで、自己矛盾を抱え葛藤し続けたが、ユグドラシル編にてそれを乗り越え盾と剣両方を併せ持つレート100ヒーロー「Xエッジマン(くろすえっじまん)」に進化した。
更に、ルードと戦い敗北した後、盾と剣の両方を持つ矛盾をも乗り越え、レート1000ヒーロー「*エッジマン(あすたりすくえっじまん)」となった。
「俺は君を…君をも守れる男になる。待ってろ!」
ヒーロー
つなぎマン
まっすぐで純粋な心を持つレート1ヒーロー。本名は「綱木親一(つなぎ しんいち)」。レート1なので、それほど強くはないが、人一倍心優しい性格でヒーローとしての心根は本物。ささいなことでもすぐ変身して人を助ける。
ユニオンプライスの飛行船に潜入した際、「マジックテープ仮面」が怪人化させられたことに対する怒りでレート10になり、ジッパーフレイルを当てた相手の考えている事を読む能力を得た。
「マジックテープ仮面」とは保育園のころからの親友でお互いが心の支えとなっている。
マジックテープ仮面
つなぎマンとともに活動するレート1ヒーロー。本名は「播月友彦(はりつき ともひこ)」。行動派でつなぎマンに一歩先んじることが多い。彼とは保育園からの親友。筋肉を愛し、鍛えることを怠らない。
椿長司(つばき ちょうじ)
規則に忠実で冷静沈着なサラリーマン気質のレート10政府ヒーロー。26歳。ヒーロー名は「ホークマン」。物腰柔らかだが、本音と建前を分けるタイプである。多くの人を救うためには少数の犠牲はやむ無しとする冷徹な所があるが、『目の前の人を救いたい』という情を捨てきれない。面倒見が良く仕事もできるので、後輩から好かれる。政府ヒーローは皆スーツ姿でベルトも単一デザインのため、「区別がつきやすいように」と上司により奇抜な髪型を推奨され、頭部の左3分の1ほどを剃り、残りは長髪にしてすべて右へ流すという髪型。喫煙者であり、アークロイヤルパラダイスティーという紅茶の香りのするタバコを愛飲。近づくといい香りがするらしい。
「もらった給料の使い道まで、組織(うえ)にとやかく言われる筋合いないんでね…!!」
ケンジ
椿長司の部下のレート1政府ヒーロー。「椿さんに一生ついていくと決めている」と発言し、深い敬意を持っている。
華氷院麗華(かひょういん れいか)
日本でトップクラスの知名度を誇るレート100ヒーロー。22歳。ヒーロー名は「レディフロスト」(以前は「ヴォルフロスト」)。氷の能力を持つ。さっぱりとした性格。華道の名家に生まれ、厳しくしつけられて育った。幼い頃、炎の怪人に両親と飼い犬の「うるふ」を殺され、本人はレディ・ブレイズに命を救われる。ルックスもかなり良く、あらゆるメディアに引っ張りだこであるため、時々いやになり逃げ出すことも。
「アタシはヒーローであり続ける…怪人は引退なんてしてくれないもの。」
レディブレイズ
千とほのかの母。かつてレート1000ヒーローとして活躍し伝説となったが、ほのかの誕生と同時期に死去。
声井薫(こわい かおる)
決して素顔を晒さない謎のレート10ヒーロー。22歳。ヒーロー名は「マッハマン」。高速機動を得意とする。心優しくおとなしい性格だが、顔が怖いので他者から避けられる。自分を腫物扱いしない姉と姪を大切に思い、精力的にヒーロー活動を行っていたが、パラサイトヴァンパイアに寄生された姉から姪の麻衣を守るため、苦悩の末自らの手で姉を殺害。怪人に寄生された姪を庇いながらヒーロー達から追われる身となる。
「…一度守られて考えてみろ、命の重さというものを。」
声井麻衣(こわい まい)
声井薫の姪。パラサイトヴァンパイア事件を経てヒーロー適正を得、レート1ヒーローとなる。ヒーロー名は「マッハガール」。12歳。薫(マッハマン)を病死した父代わりに慕っており、怪人に寄生された自分を救おうと奮闘する彼の正義を理解し、彼のために戦うことを決意。
貴崎甲(きざき こう)
レート100の元政府ヒーロー。ヒーロー名は「ガンズラック」(ユウロが命名)。狙撃やレーザー銃による攻撃を得意とする。政府ヒーローが故郷の青森県を見捨ててから、組織と考え方を異にし退職。その後、政府ヒーローを根本から変えるためには圧倒的な強さを持ってトップの人間を上回るしかないと考え、精進していたところをユウロに見出され、強くなるためユニオンプライスに所属することになる。ウェーブのかかった銀髪と甘いマスクを持ち、作中屈指のイケメン。
番 雷童(ばん らいどう)
民間ヒーローシャインクリーズの会長。千の母レディブレイズの死後、千とほのかを引き取り育てた。千からは『先生』と呼ばれる。ヒーロー業界の重鎮でありながら、お茶目な所がある。千がレート1000ヒーローであることを知っており、千が自分の手を離れてからも陰ながら見守っていた。
岩永錠一(いわながじょういち)
政府ヒーロー特別防衛副大臣補佐。
怪人
怪人のおっちゃん
怪人化して日が浅いうちに千と出会い、「自分を殺してほしい」と頼む。怪人だが、おとなしく気弱な性格。独り立ちした娘がおり、自分が民間ヒーローに殺されて個人が特定され公表されれば、娘に迷惑がかかると考え、千の力で死体も残らないほど粉々にしてほしいと懇願。しかし所持金が足りないという千のアルバイトを手伝うこととなり、千の人間離れした働きっぷりに振り回されながらも必死についていく。
「千さん…私は…生きていて、良かったです。」
ヴァイタミン
モヤシの怪人。強者との闘争を求める孤高の存在。元々は中国拳法の達人だったがある日突然怪人になってしまう。己の存在理由を確かめるため襲い来るヒーローと戦う日々を過ごしていた。
千の必殺技である『フレイムサイクロン』を受けて唯一生き残った怪人である。千と青森の修学旅行で再会し、世界樹怪人ユグドラシルを倒すため千と共闘することになる。
ある呼び名で呼ばれることを嫌い、それを口にした中年サラリーマンに激怒し執拗につけ狙った。
「逃げるな初老…貴様だけは許さん」
エボリア
殺人ウイルスやガスを撒き散らすことで攻撃する極めて危険な怪人。怪人化と同時に800人余りを殺害したのち、自首し怪人刑務所に収容されていた。婚約者に会いたいと強く願っていた時に、ユウロに手助けされ脱獄を決行。逃走中、千達が遊びに来ていたプールに現れ、怪人であることがバレそうになったためその場の全員を殺そうとウイルスを散布、パニックを引き起こした。しかしその場にいた政府ヒーローと民間ヒーローに追い詰められ、千にとどめを刺された。
「あぁ…どこで間違えたのだろう…ただ私は、手紙が来なくて…彼女のことが心配で脱獄しただけなのに…彼女さえ…幸せなら…自分のこと…など…どうで…も…よかっ…たはずな…の…」
パラサイトヴァンパイア
吸血によって人間に寄生し、対象の体を乗っ取ることのできる怪人。コウモリのような姿をしている。ヒーロー「マッハマン(声井薫)」の姉に寄生し、彼女の死後その娘「麻衣」に寄生先を移行。
ユグドラシル
裸の女の姿をした怪人。髪が蔦のように自由自在に操れる。かつてレディ・ブレイズ相手に善戦するも敗北し、『種』となって眠りにつき、復活の時を待っていた。『グロウエナジー』という、生物が生きていく上で必要な生体エネルギー(寿命のようなもの)を操れる唯一無二の怪人である。『怪人だけの隔絶された理想郷を作り、怪人が人間を襲わなくて済むようにする』という理念を掲げ世界樹同盟を結成し、配下の怪人を増やしていた。ところが実際は己の力を蓄えるために弱い怪人たちを利用したに過ぎず、理念も理想も持ち合わせてはいない。怪人のグロウエナジーは一瞬にして吸い尽くせるため、対怪人では最強である。
「私は生きる…永劫に…」
シダー
スプリングシダーとも。バネの様にとぐろを巻いた姿をした、元々は非常に弱い怪人。ユグドラシルに助けられ、「弱い怪人を救う理想郷をつくる」という理想に共感し崇拝するにとどまらず、恋心を抱くようになる。しかし、本性を現したユグドラシルに切り捨てられ、殺されかける。それでも最後までユグドラシルに対する義理を通した上で、人間を救うため死に際にユグドラシルの秘密を暴いた。
ユウロ
怪人組織ユニオンプライスに所属している。しかし怪人化した姿や「星」はまだ確認されておらず正体不明。コードネームの由来は欧州連合の通貨「ユーロ」。空間に亀裂を入れるような能力を持ち、神出鬼没であったが、現在はなぜかその能力を失った様子。炎の能力を使ったこともあり、戦闘能力はかなり高いと思われる。計算高く、言葉巧みに他人を自分の思い通りに動かす能力に長ける。ユニオンプライスの総帥とは別の己の目的のために動いている節がある。
ニル
ユニオンプライスに所属する紅一点の怪人。コードネームの由来は中国の通貨「元(ユアン)」(漢字を上下に分解してカタカナに変換する)。中華風の「アル」口調で話す。大きなリボンのついた帽子とスーツを着ている。「改造」が好きで、ヒーローを洗脳し記憶を操作することによって操り人形にし、外見も自分好みの「可愛い」姿に変えてしまう。人間と恋するのが夢だが、普段の可愛らしい言動と裏腹に、怪人としての行動は残忍で容赦がない。
ブルール
ユニオンプライスに所属する怪人。コードネームの由来はロシアの通貨「ルーブル」。怪人名は「ジランダル」。ドラゴンの怪人で、レート100ヒーロー3人相手に無傷で勝利したこともある極めて危険で強力な怪人だが、バンクイーターの力を借りて強くなった同児に嫉妬と危機感を覚える。
ルード
ユニオンプライスに所属する怪人。コードネームの由来はアメリカの通貨「ドル」。アメリカンカウボーイのような恰好をしており頬に「星」が3つついている。話し好きな軽い性格だが、戦闘力は非常に高くこれまでにレート100ヒーロー27人を殺害している。
リブラスパイド
千の中学時代の親友、羽間同児が怪人化した姿。蜘蛛のような造形を持つ。ユニオンプライス所属。元の戦闘能力は高いとはいえず、レート1でも複数いれば制圧できる程度。しかし怪人化して間もなく「擬態」を習得し、さらに怪人として生きていく決意を固めたことでユウロを感心させている。実験による身体強化の結果、レート100ヒーローとも互角以上の勝負が出来るほどになった。「リブラ」とは「天秤」の意。
モグディグ
本名「土門倉之助(どもんくらのすけ)」小学五年生。ユニオンプライスに保護されている避難民。ほのかの友達になる。
ムクジィ
犬の怪人。75歳。デザイアメダリオンを集め、
日用品と交換でユニオンプライスに渡していた。
アバドン
バッタの怪人。過去にレディブレイズが殺害に失敗しており、現在は怪人刑務所の特級危険怪人収容エリアにて収監されている。常に飢えに苦しまされており、デザイアメダリオンを食すことでしか飢えを和らげることができない。食べたメダリオンを核に分裂することも可能で、一人一人の戦闘能力もかなり高い。
公立枠惑高校2年C組の生徒達
白駒優子(しらこま ゆうこ)
千や刃と同じクラスの女の子。17歳。4歳の頃、怪人の爪で喉を裂かれるが何とか一命をとりとめる。それ以来、怪人を映像で見るだけでも恐怖するようになってしまった。喉から頬にかけての大きな傷跡を隠すため、いつもマフラーを深く巻いている。これは恥ずかしいためというより、他人を不快にさせないための配慮である。初めて身近に生活するヒーローである刃の優しさや正義感に触れ、好意を寄せるようになった。ちなみに刃の見た目も中々タイプである様子。
東山映二(ひがしやま えいじ)
ひがみっぽいので嫌なやつに見られがちだが、ピンチにおいて自分より他人を優先できる心意気を持った少年。千と恵理の仲の良さを見てはひがむ。円谷太郎と友達。
円谷太郎(えんたに たろう)
頭がいいけどボケ思考気味のゲーム少年。東山映二の友達。見た目(特に目)はまるで某特撮ヒーロー。口癖は「仕方ないなぁ」。母親が2年C組の担任。
その他
羽間同児(はざま どうじ)
中学時代の千の親友。母子家庭で育ち、妹が心臓病。同児ら兄妹を引き取った叔母は、同児を学校にすら通わせず、彼をこき使って働かせていたが、同児自身はすべて妹の薬代のためと信じて受け入れていた。ところが、叔母が一切薬代を支払っておらず、金を横取りしていた事実を知り、強い憎しみから怪人化してしまう。怪人の姿のまま妹の病院に侵入し、正体を知らない千に攻撃されて重傷を負うが、ユウロに救われる。
LAW(ロウ)
正式名称「LAWプロト1」。人工知能による思考、自己判断が可能な怪人を倒す兵器。小さめの恐竜のようなフォルムをしている。人間と同様自我があり、褒められれば喜び、失敗すれば落ち込む。
政府ヒーローの母体である特別防衛省が企画し、アークインダストリアル社が開発を進めた。「怪人」と「変身したヒーロー」を見分けられないという致命的な弱点があり、そのためにLAWは失敗作として開発を中止されていた。現在は、椿の部下として配属され「ポンコツ」と呼ばれつつも彼の愛情に触れて懐いている様子。嗜好品として乾電池を経口摂取する。
日朝 零(ひあさ れい)
千とほのかの父親。ほのかが生まれる前に行方不明になった。
かなこおねえさん
子供向けTV番組「お父さんと同伴」に出演しているダイコクのパートナー。したたかな性格。最近野球選手と結婚したが、イケメンを見るとつい心移りしてしまうようである。
うるふ
麗華が子どもの頃に飼っていた犬。麗華の家族同然に愛されていたが、ある日怪人が麗華の家を襲った時、麗華を助けようと怪人に噛み付いて、殺されてしまう。しかし彼の時間稼ぎのおかげでレディブレイズが到着し麗華は助けられた。麗華がヒーローになろうとした直接の動機となっている。
チビ
9歳前後の少女。両親に捨てられムクジィに育てられる。匂いでデザイアメダリオンのありかが分かる。
藤岡聡(ふじおかさとし)
内閣官房副長官。
ヒーローについて
レート
レート1,10,100,1000,10000の5段階存在する。ヒーローは、一秒につき自分のレートの数字分だけ現金を変身ベルトに入金することで変身する。例えば、レート10ヒーローが30秒変身するには、300円が必要となる。レートが高いほど変身時のスペックが高い。また、レートの高さは変身者の「正義」の強さが影響すると言われる。最低レートのレート1ヒーローでも、その身は銃弾をものともせず、熊程度なら単独で制圧してしまう力を持つ。レート100ともなると、たった一人で人間の戦争を止められる。
なお、一人の力では変身するのはレート1000が限界である。
ヒーロー団体
民間ヒーロー
組織名「ヒーロー支援会シャインクリーズ」。構成員人数はヒーロー含め約3万人。活動目的は怪人出現時の民間人救出。主に一般的な倫理観に基づいて「平和」を守るヒーロー。変身時間は最高で100秒。
政府ヒーロー
組織名「指定災害特別防衛省」。構成員はヒーローのみで、約400人。活動目的は、怪人による日本国家への被害を防ぐこと。国を守るためには多少の犠牲はいとわない「秩序」を守るヒーロー。完全に統率され、与えられた任務の遵守が絶対。基本的に許可が下りなければ変身できないが、変身時間に制限はない。
無所属(フリーランス)
いずれのヒーロー団体にも所属しない者もいる。当然給料はないため、変身にかかる費用はすべて自己負担となる。変身時間は最高で100秒。
変身ベルト
バンクドライバー
民間および無所属ヒーロー用変身ベルト。互換性があり、他人のベルトを借りて使用することも可能だが、その場合も本人のレートは変わらない。「入金上限金額」が設定されており、「元々の所持者が100秒変身できる金額」までしか入金することができない(変身中の入金も不可)。
入金され変身に使われた金はベルト内で粉砕され、その情報が銀行に送信されて再発行される。変身の中断などによりお釣りが発生した場合、粉砕された硬貨を成形し特殊加工された「疑似硬貨」となって払い出される。この疑似硬貨は流通上で本物の硬貨に交換される。
レート1ヒーローは共通デザインのものを使用するが、それ以外のレートのヒーローは個人用のものを使用する。
リンクドライバー
政府ヒーロー専用変身ベルト。基本的には「バンクドライバー」の内部で行われていることを別の場所で行い、処理の結果を受信して変身している。
ブレイズドライバー
日朝千が使用している特殊な変身ベルト。チャージという機能がついており、使用することで強力な技を繰り出せる。
バンクイーター
ユニオンプライスが開発した特殊なベルト。怪人をヒーローに酷似した姿に変身させることができる。使いすぎると反動で身体に不調をきたす。
怪人について
人間が何らかの理由で変異することで生まれる存在。怪人に取って最も効率の良いストレス発散方法が「人を襲うこと」であり、これが発散されないと「暴走」して次第に理性や人間だった頃の記憶が消滅していく。
擬態
怪人が一時的に人間の姿を取ること。「もっと上手に人を殺したい」という悪意から生じる能力であるため、闘争心の弱い怪人や、怪人化して日の浅い怪人は擬態できない一方、人間や社会を強く憎む怪人は擬態しやすい。時間が経てば、大半の怪人は擬態を習得できるようになる。
星
ヒーローが「この怪人は自分の手に負えない」と判断したときに、ベルトから射出し怪人の体に付着させるマーカー。レート1の星の色は黒、レート10は白、レート100は赤、レート1000は不明である。これらにより、怪人の強さを判別する基準とするが、例外も多々ある。怪人にとっては強さの証であるため、星を集めることを目的にヒーローを殺す怪人もおり、そのような怪人を「ヒーロー狩り」と総称する。
デザイアメダリオン
怪人が死亡したのち残される、歪んだ金貨のような形状のもの。強大な力が秘められており、ユニオンプライスの開発したバンクイーターに使用すると、怪人をヒーローに変身させることができる。怪人の能力が封印されていると言われる。
その他の組織
ユニオンプライス
謎の怪人組織。アークインダストリアル社4階で活動する。現在判明している構成員はユウロ、ニル、ルード、ブルール、サークルの5名。サークルが総帥であり、その正体はアークインダストリアル社社長にして天崎恵理の父。貴崎も所属していたが、ユグドラシル編で脱退。レート1000ヒーローの存在を嗅ぎ付け、千の「観察」を当面の優先事項として活動していたが、怪人をヒーローの姿に変身させるベルト『バンクイーター』の開発成功を機に、「全怪人救済計画」を始動した。
「全怪人救済計画」の発案者はユウロであり、その目的と全容は彼の娘であるほのかが怪人になっても幸せに生活できるような世界を創造することであった。
アークインダストリアル社
天崎恵理の父が創設した会社。すべてのヒーローのベルトやサポート機器などを開発、製造している。ヒーロー関連の製品需要を独占して年商は数十兆にものぼる。
余談
バラエティ番組「リンカーン」にも同名企画が存在する。
こちらは予算1000円で買った100円ショップの商品を使いヒーローの扮装をするというもの。