概要
中国のweb漫画サイト「快看漫画」と少年ジャンプ+で毎週土曜日に連載されているサスペンスストーリー漫画。
同作者による「兄に付ける薬はない!」とは真逆の作風となっており、特殊なアプリによって能力を手に入れた少年少女たちが連続殺人犯を追うストーリーとなっている。
ジャンプ+では日本語訳された漫画が本家より遅れる形で配信されている。
ストーリー
突如、携帯に送られてきた「第二模式」の当選メール。
それをダウンロードした者に与えられた能力が、連続殺人犯を追い詰める鍵となる——!?
(少年ジャンプ+ 作品紹介ページより引用)
登場人物
※記事中の話数表記は日本語版に準じる。
第二模式所有者
葉 秋(ヨウ シュウ)
本作の主人公。初登場は第1話。1年C組。
自分が理不尽な目に遭っても相手に強く言えない性格が足を引っ張ってしまっている学生。
母と妹・葉 柴の3人暮らしで父親とは別居している。父親に対しては良い感情を抱いていない様子を見せる。
紫が連続殺人犯に襲われた事件を境に相手の心を読む「覚通話(サトリツウワ)」のアプリを手に入れる。
艾思(アイスー)
初登場は第2話。葉秋と同じ学校に通う男子生徒。1年A組。一見するとチャラ男でノリが軽い性格だが仲間思い。
出会った当初はトーク本を使って誘ったり、執拗な勧誘で葉秋の怒りを買ったこともあったが葉秋が自分の携帯電話を劉に没収された際に協力し合ったことから連続殺人犯を追う仲間となる。
自分の母親が父親の愛人だったためか陰口や陰湿ないじめの被害にあっており、自分と同じ境遇に遭いながらも人々に愛されたスーパーヒーロー・マイクの漫画本に感化され、誰かを助けるためのヒーローを目指す。
父親が用意したマンション「優隣レジデンス」の21階で1人暮らしをしているが父親との関係はこじれにこじれている。
カメラで撮影した相手の視覚を映し出す「オーディンの眼」の所有者。
陳 子墨(チン シボク)
初登場は第4話。葉秋と同じ学校に通う女子生徒。1年C組。無口に見えるが声帯ポリープを抱えており、手術の結果次第では声が出なくなる可能性を言及され、恐れるあまり口数が少なくなってしまった。
友人の小雪はそれでも子墨の友人であったが連続殺人犯に殺害されて以降は第二模式の力で犯人を捜すことを決意。その途中で出会った葉秋・艾思らと手を組むことになる。
当初は犯人に対するドス黒い怒りを覚通話で聞いた葉秋に犯人であると思われ、子墨もまた葉秋が小雪を殺害したと思い込んでいた。
医者である母親と一緒に暮らしているが仕事で家を空けがちなことから生まれる孤独を母親の声を録音した第二模式で使って埋めている。
録音した相手の声を自由自在に使い分ける「変声」の所有者。
林 樹風(リン シュウフォン)
初登場は第8話。葉秋たちの学校に赴任してきた臨時講師。白・黒・灰色のモノトーンで全身を固め、余計な会話は一切しない人物。教師同士の関係も悪く、交友圏も狭い。学校の独身寮に住んでいる。
女子生徒に乱暴したことで警察まで介入する騒ぎとなり、元居た学校を解雇された経歴を持つが、女子生徒のでっち上げだったことが裏掲示板で発覚した。それ以降、林は嘘を付く人間を極度に嫌うようになる。
一時期は葉秋たちから連続殺人犯と疑われていた。柴とは一度会ったことがあり、「天使のような子が被害に遭うなんて残念だ」と思いを吐露している。
動画で撮影した対象の時間を停止する「Rec」の所有者。
陳 尚兵(チン シャンピン)
初登場は第22話。刑事。連続殺人犯の捜査担当をしている中年男性。ベテランらしく、様々な犯罪者と接してきた生活故か相手の目を見ただけで何を考えているか分かると豪語する。
葉秋に「第二模式の力を乱用するな」「我々は対等ではない」と圧を掛ける。そのために葉秋たちを監視している、とわざわざ告げるほど。
何かしらの病気を患っているのか吐血している。
第三者からの情報を詳細なプロフィールに組み上げる「捜査」の所有者。
李 子光(リー シコウ)
初登場は第25話。警察官…のコスプレをしている青年。死んだ父親が警察官だったことから幼少時から警察官に憧れており、父の正義を受け継ぎ、遺品から制服を引っ張り出しては街のためにパトロールを行っている。
尚兵とは知り合いで「いい加減にしないとムショにぶち込むぞ」と脅されている。
相手と同じ力をコピーする「正義」の所有者。
ニヤ
初登場は第36話。
小学生の女児で葉秋の携帯に太った男性の事故死を予言するショートメールを送信する。
誰かから葉秋の携帯番号を教えてもらったらしく、「教えたらおもちゃ取り上げられちゃう」と葉秋に教えることを拒否した。
対象の死を抽象的な童話で予言する「予言の詩(うた)」の所有者。
シューベルト
初登場は第37話。
不良たちに絡まれていたところ、固定周波数を発生させる第二模式で不良の1人を殺害する。
その後、第38話にて葉秋・ニヤたちと出会う。
何故か葉秋の第二模式を把握しており、自宅に戻ろうとする葉秋を襲撃し、「私の心の声を聞いてくれよ」と挑発する。
連続殺人犯
初登場は第1話。少女のみを狙って殺害する連続殺人犯。
手口は至ってシンプルだが滅多刺しにして殺害するほど残虐でまだ手がかりも出てきていない状態。殺された少女たちの携帯電話を盗んでおり、第1話では3人を殺害していることが明らかになっている。
葉秋の覚通話で本音を聞くことが出来たがその正体は掴めていないが覚通話の性質から「葉秋が会ったことのある人物」であることが判明している。葉秋が心の声を聴いた際に所有者同士の電波干渉の雑音が入ったことから第二模式の所有者であると思われる。
艾思が挙げた可能性として「携帯を持っているのに持っていないフリをしている人」「内向的で人間関係が希薄なタイプ」「いきなり携帯電話を変えても問題が無い交友圏の狭い人物」。
殺された遺体には性的暴行をされた様子は無く、被害者の恐怖の感情を集めていると艾思は推察している。
暗殺者
初登場は第28話。艾思を抹殺するために現れた暗殺者。第二模式のユーザー。
彼の父親に変装することで子光の眼を誤魔化そうとしたが艾思との関係を把握していなかったため、ボロを出してしまう。子光の能力で腕に怪我をするも瞬間移動のような第二模式で逃亡。
協力者がいるようでその人物が「ブラックリスト」に入れた人間のみをターゲットにしている模様。想定外であった警察(のフリをした子光)の介入に対して焦っていた。
所有者の関係者
葉 紫(ヨウ シ)
初登場は第1話。葉秋の妹。気が強く、傍から見ると気弱な兄を避けて行動しているように見えるがその実は葉秋のことを大事に想っており、兄がしっかり者になれるように影から応援していた。
少女のみを狙う連続殺人犯のターゲットにされ、一命を取り留めるも刃物で刺された傷が原因で意識不明の重傷を負ってしまった。運が良かったのか定かではないが携帯電話は盗まれておらず、これが葉秋と連続殺人犯を結びつける繋がりとなった。
秋と柴の母
初登場は第1話。
夫とは別居しているようで彼女1人で2人の兄妹を育てている。
小雪(シャオシュエ)
初登場は第3話。
子墨の友人。彼女が落としてしまった携帯電話のストラップを探している途中に連続殺人犯により殺害されてしまった。
その他
委員長
初登場は第1話。
連絡網を貰っていない葉秋を気遣ったりしていたのだが心の中では「内申を稼ぐために」優しくしていたことが覚通話で明らかになった。
郭帥(カクスイ)
初登場は第1話。
葉秋から本を借りていたが本人の知らぬところで売り飛ばしており、それが覚通話で暴かれてからは互いに口を利かなくなってしまった。郭帥は葉秋がそのことを忘れるまで逃げ回るつもりでいた。
李田(リーティエン)
初登場は第3話。
ミスキャンのレンと付き合っていると噂されている男子生徒。
葉秋が覚通話で本音を聞き出した際に「親のクレジットカードを勝手に使って買った腕時計をプレゼントする」ことで正式にレンと付き合おうとしたが、レン自身も李田を金づるとしか見てないことが発覚し、葉秋の乱入で破談となった。
第二模式
携帯電話に届いた怪しげなダウンロード案内メールから登録することにより、所有者の望む能力を与える謎のアプリ。
ユーザーに選ばれる基準は不明で葉秋たち学生のみならず、大人も所持している。
能力を行使するには様々な条件があり、第二模式をダウンロードした携帯電話またはその番号のSIMカードを所有していることが前提条件。コピーした電話機・SIMカードは不可。
第二模式は所有者毎に紐づけされており、所有者以外の人間が使用することは一切できない。
能力者同士で通話すると電波干渉のような雑音が入る。
能力が使える携帯電話が2台ある場合は先に使用した方に能力の使用権が移る。
物語開始前より第二模式による犯罪は発生していたが連続殺人犯のようなケースは初めて。
覚通話 所有者:葉 秋
通話した相手の「本音」を聞き出す第二模式。
「本音」を聞き出すには葉秋が相手の「顔」「名前」「電話番号」を把握していなければいけない。
また、対象の意識が無い場合でも「本音」を聞き出すことができない。
画面には顔の付いたハートが映し出され、「青」=焦っている、「赤」=好意を示している、「黒」=不快な感情を抱いているのように変化する。
快看漫画版では「心声」表記。
オーディンの眼 所有者:艾思
携帯電話のカメラで撮影した対象の「視覚」を手に入れる第二模式。
2~3秒ごとに視覚の情報が更新される。「対象者」が目を閉じている・暗闇にいる・携帯のメモリー不足のいずれかに該当すると能力が使用できなくなる。
自撮りでは能力が発動しないが他人を撮影することができれば、能力の発動先はその他人の視覚になる。
変声 所有者:陳 子墨
ありとあらゆる「声」に偽装する第二模式。
携帯電話に録音した人物の声を使うことであたかもその人物と自然に会話をしているように装える。
ただし、子墨自身がその声を聴かないと使用することはできない。
捜査 所有者:陳 尚兵
どんな人物でも指紋や身分証などで「身元」が分かれば相手の詳細なプロフィールを閲覧できる第二模式。
だが、「第三者が対象に関して見聞きした情報しか得られない」という検索サイトに似た能力で対象が自分で考え、自分で行動した場合は「捜査」の情報には更新されない。また、一定時間経過してしまうと「捜査」の範囲外になってしまう。
正義 所有者:李 子光
相手の能力をそのまま自分にコピーする第二模式。
相手が拳銃などの武器を持っていればその武器もコピーできるが「子光自身が危機的状況に陥っていないと発動しない」という欠点を持っている。
自分に危害を加えない第二模式の場合も効果は発動されない。
Rec 所有者:林 樹風
動画で撮影した相手の時間を止める第二模式。
撮影対象が増えるほど体力を多く消耗する、停止した対象者に攻撃できないなどのデメリットを持つ。停止した対象者には一時停止マークが携帯電話上で付与される。葉秋たちのクラス全体を止めた際は「42/41 0:05」と表示されていた。
「巻き戻し」することにより停止した時間を巻き戻してワープしたかのように見せかけることもできる。林が子墨の訪問から「巻き戻し」で戻った際には7分後にいる独身寮前から6分前にいた独身寮内の廊下に移動しており、画面右下の表記から察するに1人に対して使った場合は8分間の巻き戻しが可能。
予言の詩(うた) 所有者:ニヤ
対象の死の予言を行う第二模式。
子供らしい言葉で作られた抽象的な「童話」による予言を行うが死に直結している内容であるため、受けた本人が回避しない限り、その死の予言は確実に起こることになる。
葉秋の死の予言がされた時のタイトルは「死んじゃう葉秋くん」。
振動を起こす第二模式(仮) 所有者:シューベルト
携帯電話を当てた箇所を振動させ破壊する第二模式。
初登場時は彼に絡んだ不良の1人の頭部をねじ切って殺害するという恐ろしさを見せた。