淫紋

いんもん

【R-18】淫紋とは、性的な意味や意図を持って体表に施された紋様

留意事項

この記事では、あくまで記事編集者の調べた範囲で記述している。「淫紋」は作者並びに作品ごとにさまざまな設定づけがなされており、また発展も著しい用語であるため、鑑賞の際にはここに記した項目を云々するよりも、作品における設定や解釈を理解・尊重するように心がけ願いたい。

　概要にも書いた通り性的な意図をもって体表に描かれた紋様である。

　女性の下腹部、ちょうど子宮の上あたりに描かれているものが最も多く、この位置にある紋様というだけで淫紋だと思われることも多い。

　次いで同じく性的な部位である臀部や乳房に施されるケースも見られる。また、そこだけに留まらず手足など他部位に紋様が及んでいる大規模なものや、あるいは性的な要素の薄い部位に施されているものもある。

　形状はさまざまであるが、ハートマークないしはそれに近似した意匠が描かれるケースが多い。下腹部に描かれるものは特に子宮の具象ともとれるため、膣、子宮、卵管や卵巣などを意匠化したものなどもポピュラーである。

　ただし、あまりカラフルな図柄の場合は刺青やタトゥーとして捉えられやすくなる。また、メッセージを伝えるような文字もタトゥー、もしくは身体に落書きの要素が強くなる。

一枚絵で表現される場合は、どこかしら性的な部位を強調したり性を思わせるデザインのものを淫紋、そうでなければただの刺青やボディペイントと区別される場合が多い。

しかしストーリー性を伴う作品においては、顔や首など比較的性的でない部位や、幾何模様や魔法陣などの性を思わせない図柄で施されていても、それが洗脳や発情など性的な効果を伴うことで淫紋と扱われるものもある。対魔忍ユキカゼで用いられた、洗脳ナノマシンの作用として舌へ浮かんだ幾何模様はその好例だろう。

単に禍々しいデザインの紋様が体に描かれているなら何でも淫紋と扱っているケースもあるが、淫紋ジャンルのファンからは異論が上がる。明確な定義がされている語ではないが検索妨害と感じられかねないため、タグ付けにあたっては紋様に淫らで性的な要素が含まれるかを考慮すべきだろう。

　肌に筆などで描かれるもの、刺青として彫られるもの、呪術等の影響で肌に浮かび上がるもの、焼印やレーザー刻印で刻むもの、何らかの人体改造の一環である、あるいは淫魔など異種族の身体的特徴であるなど、その施し方は多岐にわたる。この手段で施されたものが淫紋だといった定義づけはされていない。

　淫紋は呪いや人体改造などの何らかの効果や作用を持っているか、もしくはそれら効果の象徴として存在することが多い。

　特に発情や感度上昇など身体や精神へ干渉して性的屈服を促すための効果か、反対に受精してしまったことや、洗脳や人体改造のような回復困難・不可逆の作用が完了したなど、心身の屈服を淫紋の発現や図柄の変化によって知らしめる効果が代表的である。

　現実における刺青や焼き印は施すにあたっての苦痛や施したら容易には消えない性質から、犯罪者への刑罰、虜囚や奴隷や家畜の個体識別および所有証明、暴力団が彫っているもののような組織への帰属・忠誠の証として用いられることがある。

　淫紋も同様に、性的な効果を伴って対称を苛む術として、あるいは施術した者との所有や支配、性的屈服や婚姻、受胎といった関係性や、施術者の仲間となったことの証明としての意味を付して描かれることが多い。

　また、下腹部にあえて女性器の図表を描くことで、本来隠すべき秘部をあばき、対象者の羞恥心や被虐心を煽る目的もある。

　魔法や超科学のような効果はなくとも、単に性的興奮をそそるためのファッションの一つとして用いられることもある。実際の例としては、海外では黒人への性的隷属の意思表明として、スペードのエースのタトゥーを用いる例がある。

現在、複数の官能小説やアダルトゲームで淫紋の語が用いられ、タイトル等にも採用されている。
一部の非アダルト作品のキャラクターにも淫紋において多く用いられるデザインが使われ、消費者から淫紋っぽいと扱われるケースがある。作中で直接淫らな要素はないが、お腹に紋様のあるクロエ・フォン・アインツベルンやレウィシア・アクアブルー、禍々しいハート型の文様が浮かんだ加賀美ティナ(マジンフォーム)などが該当する
模型界隈では、ホビージャパンから『INMONデカールセット』なる水転写式デカールシールが販売された。ハート形をベースにした紋様が複数パターンあり、中には卵巣や膣道を具象化したような文様もあって、お手元のフィギュア等をいやらしくドレスアップできる。

肩のものはタトゥー、腹部のものは淫紋と解釈されやすいだろう。