アラーラ
あらーら
- トレーディングカードゲーム・マジック・ザ・ギャザリングの背景ストーリーの舞台である多元宇宙に存在する次元の一つ。
- 同ゲームの『アラーラの断片』、『コンフラックス』、『アラーラ再誕』の3つのセットからなるエキスパンションブロックを指すアラーラの断片ブロック、もしくはアラーラ・ブロックと呼ばれる。
『アラーラ』次元の概要
多元宇宙に存在する次元ひとつ。
本来、豊富な5色のマナに溢れた一つの次元であったが、ある時を境に一つだった次元は五つの断片に砕け散ってしまい、他の断片と断絶された各断片には友好色3色のマナしか存在しない。
しかし、今やそれはひとつに結ばれ、統合された次元には5つの色のマナが再び流れ始め、かつての次元の境界線を巡って力と力がぶつかり合い、すべての断片は忘れられていた魔法を取り戻し、断片の間の境界が混ざり合う中で、文明は衝突し、戦乱が巻き起こる。
断片
断片とは5つに割れたアラーラ次元のそれぞれを指す言葉。断片のみを指して次元あるいは(亜次元)と呼ぶこともある。
要は世界を構成する5種のマナのうち、2つの繋がりが欠けた世界と考えればいい。
バント
マナの色は緑白青。
秩序と階級を基準とした社会である。労働者階級は騎士階級を、騎士階級は王侯や宗教的リーダーを支え、その彼らも、天空から彼らを見つめる天使たちを支えている。住民は名誉を重んじ、功績に対して与えられる印章は天使からの祝福に次ぐ名誉であると同時に主君や土地、ひいては天使に対する絶対の忠誠と義務を表すものでもある。
バントでの戦いは暴力的ではなく、儀式的なものである。戦闘・戦争は、儀礼的な軍の行進、代表者の一騎打ちによる決着、天使の審判の下での戦闘、重く大型で装飾過多な武具、背面からの攻撃を考慮に入れていない鎧、といった形へと発展している。
エルズペスがかつてここに所属していた。ただしエルズペス自身はバントの生まれではない。
エスパー
マナの色は白青黒。
知性と発展を基礎とした文明である。人間やヴィダルケンの魔道士を、スフィンクスが支配している。
魔道士たちは、霊気を封じ込めた合金「エーテリウム」により、次元全体を高次の思想へと導こうとしている。彼らはあらゆる生命体にもエーテリウムを埋め込み、肉体を完全なものへと変えることを目標としている。あの人の片腕が金属製なのはそのため。
グリクシス
マナの色は青黒赤。
退廃と狂気が覆う死の世界である。住人は死んでいるとも生きているとも言えない者たちが大半で、アンデッドや悪魔らである。死と腐敗に満ちたグリクシスにおいては、生命エネルギーは貴重な資源であり、住人は力を維持または強化するため、絶滅寸前の生ける者を常に狙っている。
この断片では、アンデッドを操る屍術師やリッチ、加虐的な思想の悪魔が支配的な地位にある。
実はこの断片、
アラーラ各断片融合の黒幕として、とんでもない存在が潜伏していた。
ジャンド
マナの色は黒赤緑。
地上は多くの火山と密林で覆われ、いたるところに硫黄や溶岩が噴出し、上空にはドラゴンが舞う、弱肉強食の過酷な世界である。
ドラゴンを頂点とする食物連鎖が形成されている。ドラゴンに続き、ヴィーアシーノ、人間などが中間層、ゴブリンが底辺である。下位になればなるほどドラゴンに捕食される可能性の高い火山の近くに居住するという特徴がある。
そのドラゴンらの力強く獰猛な様は、サルカンをも魅了した。
ナヤ
マナの色は赤緑白。
ジャングルなどの自然と生命に溢れた楽園のような次元である。巨獣ガルガンチュアンが闊歩し、住民はそれらを崇拝している。
エルフ、人間と、ナカティルと呼ばれるレオニン(ネコ科亜人種)が住民であり、それぞれが異なる社会を築き、また対立していている。
プレインズウォーカーのアジャニの生まれ育った故郷でもある。
アラーラの断片・ブロック
第1セット、アラーラの断片は2008年10月3日発売。
第2セット、コンフラックスは2009年2月6日発売。
第3セット、アラーラ再誕は2009年4月30日発売。
テーマはラヴニカ・ブロックに続く「多色」。各断片は分断によって2色を失い、3色しか存在しないという設定であり、各断片にはその断片の性格を反映した異なるテーマが与えられている。
断片 | 色 | 特徴 |
---|---|---|
バント | 緑白青 | 単独でアタックしたクリーチャーを強化する賛美という特殊能力を持ったクリーチャー |
エスパー | 白青黒 | 有色のアーティファクト |
グリクシス | 青黒赤 | 墓地にある時に、規定のマナを払うと1ターン限定で場に戻る蘇生という特殊能力を持ったクリーチャー |
ジャンド | 黒赤緑 | 戦場に出る際にクリーチャーを生け贄に捧げた数に応じて自身を強化する貪食という特殊能力を持ったクリーチャー |
ナヤ | 赤緑白 | パワーが5以上のクリーチャーに恩恵を与えるカードが多数存在する |
また、コンフラックスでは5色をサブテーマとし、5色カードや、5色のマナを使用するカードが多く登場する。それ以外はアラーラの断片同様、各断片のテーマがそれぞれ引き継がれている。
さらにアラーラ再誕では、
多色推奨のブロックの最後にふさわしく、すべてのカードが多色カードという異色のセットとなっている。
また混成カードの新たな形として、マナ・コストに通常のマナと混成マナが混ざったカードが初登場した。
余談
これ以前では、三色の色の組み合わせの略称はインベンション・ブロックに登場した多色の伝説のドラゴンらの名称を使用されていた(青黒赤だったら同じ色の組み合わせを持つ粛清するものクローシスからクローシスカラー)。
現在は、このアラーラの断片ブロック以降は各断片の名称を略称として使うことが過去多色ブロック同様にプレーヤーの間では一般的になっている。
故に、背景ストーリー関係ない場面で断片の名称が出てきた場合は色の組み合わせの略称がほとんどである。
例:グリクシスコントロール → 青黒赤3色のコントロールデッキ