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アジャニ

あじゃに

アジャニとは、トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」(MTG)の登場人物の一人であり、 プレインズウォーカーと呼ばれる次元を渡る力を持つ存在である。
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強者が弱者を蹂躙しようとするとき、そこに私がいるだろう。



概要編集

2007年発売のエキスパンション『ローウィン』で初登場し2008年発売の『アラーラの断片』の背景ストーリーに本格的に通常するようになったTCGマジック・ザ・ギャザリング登場人物(?)。

アジャにゃんのあだ名で知られており、その名の通り人と同様の知性とライオンのような逞しさを備えたネコ科の亜人種:ナカティルの一族であり、元はアラーラ次元の断片の一つナヤ出身。


獰猛さと正義感の板ばさみに悩む魂の魔術に長けた癒しの達人。

彼もまたプレインズウォーカーであり、たてがみに色の違いから部族から疎まれていた自分を庇ってくれた兄を殺されたときの怒りで覚醒したという過去を持つ。


兄の仇を討つための多次元宇宙の旅の中で様々な出会いを経て元凶のとの対峙といった経験から次第に群れのリーダーとしての才能を開花させていく。



語録編集

  • 「この世界の全ての魔法は、容易く封じられる小さい扉を通らねばならない。」(沈黙 基本セット2010)
  • 「刃の鋭さは、あくまでそれを持つ者の信念の鋭さでしかない。」(栄光の突撃 基本セット2013)
  • 「義務感、名誉、武勇。これらは決まった人物の心にのみ宿る。自分の心にあるかどうかは、試練に直面するまで分からない。」(武勇の誇示 基本セット2013)
  • 「荒野では、私のような白い毛は常軌を逸している。自然に隠れることはできぬが、隠れられないことが別な力をもたらすのだ。」(銀毛のライオン 基本セット2013)

ゲームでの性能編集


全体強化カードの多い白のプレインズウォーカーだけあってクリーチャーを強化する能力を持ったものが多い。


黄金のたてがみのアジャニ編集

マナコスト(2)(白)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒(警戒を持つクリーチャーは、攻撃に参加してもタップしない)を得る。
[-6]:白のアバター・クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。

ローウィンで初登場、基本セット2010と基本セット2011で再録された。小型クリーチャーを大量展開するウィニー戦術やトークンを大量に生成して[-1]能力で一斉に強化する物量作戦と得意とする


復讐のアジャニ編集

マナコスト(2)(赤)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度3
能力[+1]:パーマネント1つを対象とする。それはそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
[-2]:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。復讐のアジャニはそれに3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
[-7]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールするすべての土地を破壊する。

アラーラの断片にて収録。ナヤ([緑+白赤]の世界)からジャンド([赤+黒緑]の世界)に渡った為、多色になり能力も荒らしくなった。

ちなみにイクサラン・ブロックで廃止されまで存在したプレインズウォーカーの唯一性ルール(1人のプレイヤーが共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーを2体以上コントロールしている場合、そのプレイヤーがその中から選んだ1体だけ戦場に残り、残りはオーナーの墓地に置かれる。)の初適用カードでもある。


群れの統率者アジャニ編集

マナコスト(1)(白)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+1]:クリーチャーを最大1体まで対象とし、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
[-3]:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行と二段攻撃を得る。
[-8]:白の2/2の猫クリーチャー・トークンをX体生成する。Xはあなたのライフの総量である。

基本セット2013・基本セット2014で収録。クリーチャー強化に特化した能力のため、場にクリーチャーがいないと力が発揮できないものの、その分マナコストが軽く初期忠誠度もそれに対して高め。


英雄の導師、アジャニ編集

英雄の導師、アジャニ

マナコスト(3)(緑)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+1]:あなたのコントロールするクリーチャーを1体、または2体か3体対象とする。それらの上に3個の+1/+1カウンターを望むように割り振って置く。
[+1]:あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを見る。あなたはその中からオーラ・カード1枚かクリーチャー・カード1枚かプレインズウォーカー・カード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
-8]:あなたは100点のライフを得る。

テーロス・ブロック第三エキスパンション:ニクスへの旅でエルズペスの救援に現れたときの姿で収録、マナコストが5マナと若干高くデッキを選ぶタイプの能力ではあるものの、在りし日の彼女同様に忠誠度+能力複数持ちである。ちなみに緑白なのはすでにテーロスにて白単色で収録されたエルズペスと同じ色にすると色に偏りが出る+緑白のプレインズウォーカーがコレまで無かったからというゲームバランス的なメタなもの。


不動のアジャニ編集

不動のアジャニ

マナコスト(3)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+1]:クリーチャーを最大1体まで対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受けるとともに先制攻撃と警戒と絆魂を得る。
[-2]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個、あなたがコントロールする他の各プレインズウォーカーの上に忠誠カウンターをそれぞれ1個置く。
[-7]:あなたは「いずれかの発生源があなたかあなたがコントロールするプレインズウォーカーにダメージを与えるなら、そのダメージを1点を残してすべて軽減する。」を持つ紋章を得る。

基本セット2015にてエルズペスの遺品であるマントをまとったイラストで収録。クリーチャーとプレインズウォーカー両方のサポートが可能である。


勇敢な守護者、アジャニ編集

マナコスト(4)(緑)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+2]:クリーチャー最大1体まで対象とし、それの上に+1/+1カウンターを2個置く。
[+1]:クリーチャー・カードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上からカードを一枚ずつ公開する。そのカードをあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為で置く。
[-11]:クリーチャーを対象とし、それの上に+1/+1カウンターをX個置くXはあなたのライフに等しい。ターン終了時までそそのクリーチャーはトランプルを得る。

2017年1月発売の霊気紛争プレインズウォーカーデッキと共に公開された1枚。忠誠度+能力複数持ちなのでカウンターを貯め易い。

ただし、クリーチャーが居ないと腐りやすい能力が多いのがネック。

不撓のアジャニ編集

マナコスト(4)(緑)(白)
カードタイププレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+2]:あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚公開する。これにより公開されたすべての土地でないパーマネント・カードをあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番に望む順番で置く。
[-2]: クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。それのコントローラーは、それのパワーに等しい点数のライフを得る。
[-9]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ5個と、あなたのコントロールする他の各プレインズウォーカーの上に忠誠カウンターをそれぞれ5個置く。

カラデシュブロックのエキスパンション、霊気紛争のプレビュー最初の1枚として紹介されたカード。これまでの経歴からか誰も殺さないと固く誓っているのだが農場には容赦なく相手を送る新アジャニ。

除去が追放なので破壊不可能といった相手にも対処可能。その反面、マナコストの重さに反して勝負を決める能力が足らない。[+2]能力で上手く他のフィニッシャーに繋げたい。


賢明な助言者、アジャニ編集

マナコスト(3)(白)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度5
能力[+2]:あなたは、あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき1点のライフを得る。
[-3]:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。
[-9]:クリーチャー1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターをX個置く。Xはあなたのライフ総量に等しい。

基本セット2019のプレインズウォーカーデッキに収録されたアジャニのカード。

クリーチャーの数によって効果が大きくなるのでトークン戦術等々、物量戦法向き。

懸念材料はいずれの忠誠度能力もクリーチャーに強く依存したものであるため、運用の際は、戦場に常にクリーチャーを用意することを心がける必要がある。


暴君への敵対者、アジャニ編集

マナコスト(2)(白)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力[+1]:クリーチャー最大2体を対象とし、それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
[-2]:あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが2以下のクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
[-7]:あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、絆魂を持つ白の1/1の猫・クリーチャー・トークンを3体生成する。」を持つ紋章を得る。

基本セット2019で登場したアジャニのカード。点数で見たマナ・コスト2以下という制約付きリアニメイト能力をもつ。その制限のおかげで大型クリーチャーを吊り上げるような使い方には不向きだが、全体除去のリカバリーは可能。+1能力で、忠誠度を増やしながら同時に2体強化していけるので軽量クリーチャー主体のビートダウンデッキでの活躍が期待できる。


寛大なる者、アジャニ編集

マナコスト(2)(緑)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度5
能力あなたがコントロールしているクリーチャーは警戒を持つ
[+1]:あなたは3点のライフを得る。
[-2]:あなたがコントロールしている各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個と、あなたがコントロールしている他の各プレインズウォーカーの上に忠誠カウンターをそれぞれ1個置く。

灯争大戦でのアジャニのカード。

各クリーチャー・各プレインズウォーカーにまとめて一緒にカウンターを乗せる能力をもつ。


なお、日本語版のブースターパックに限り、50%の確率で日本イラストレーター描き下ろしのオリジナルアート版プレインズウォーカー・カードが通常版の代わりに封入されており、

担当するのは 緑川美帆氏。


鼓舞する指導者、アジャニ編集

マナコスト(4)(白)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度5
[+2]:クリーチャー最大1体を対象とする。あなたは2点のライフを得る。それの上に+1/+1カウンターを2個置く。
[-3]:クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。それのコントローラーは2点のライフを得る。
[-10]:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは飛行と二段攻撃を得る。

基本セット2020のプレインズウォーカーデッキ収録のアジャニ。

プレインズウォーカーデッキ収録のプレインズウォーカーとしては全体的にカードパワーが高めではあるが、

実際の構築では、各種拡張パック収録のPWには劣る。


群れの力、アジャニ編集

マナコスト(2)(白)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度5
[+1]:あなたは、あなたがコントロールしているクリーチャーの総数とあなたがコントロールしているプレインズウォーカーの総数の合計に等しい点数のライフを得る。
[-2]:《アジャニの群れ仲間》という名前で「あなたがライフを得るたび、《アジャニの群れ仲間》の上に+1/+1カウンターを1個置く。」を持つ白の2/2の猫・兵士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
[0]:あなたのライフが、あなたの初期ライフ総量よりも15点以上多いなら、群れの力、アジャニと、対戦相手がコントロールしている各アーティファクトと各クリーチャーをそれぞれ追放する。

基本セット2020のアジャニ。実在するカード、《アジャニの群れ仲間》と同性能の(実物のテキストは外部リンク参照)トークン生成を行える。


ぱっと見、[0]能力は派手だが、発動条件の15点もの余剰ライフを稼ぐのは至難の業。[+1]能力も回復量にブレがある。

デッキ全体でいかに強固なシナジーを築けるかが運用の肝となる。できればライフ関係の能力を持ったクリーチャーが多数存在するデッキで使用したい。


関連タグ編集

MTG

プレインズウォーカー

ジャザル(兄)

サルカン・ヴォル(プレインズウォーカーの概念について教わった)

エルズペス・ティレル(友人)

ブリマーズテーロスにおける友人)

ヘリオッド(テーロスの神。エルズペス・ティレルへの所行によりテーロスの神々に不信を抱く)

ゲートウォッチ(後に加入)

アジャにゃん


外部リンク編集

『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「黄金のたてがみのアジャニ」の紹介記事

『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「英雄の導師、アジャニ」の壁紙ダウンロード


非公式リンク編集

M:TG Wikiにおける「アジャニ」の項目





ここから先はネタバレ注意!







































-Φ-ALL WILL BE ONE-Φ-




潜伏工作員、アジャニ



「ようやくか」


アジャニの声が歪んだように聞こえた。血に飢えたうなり声ではなく……機械のような。

カーンは友へと向き直った。

アジャニは苦痛に顔をしかめ、歯をむき出しにした。そして耳を低くし、無傷の目を固く閉じた。毛皮の下を蛆虫が這うかのように、皮膚が波打った。

信じられないというようにヤヤはうめいた。テフェリーは踏み出した。

まさかアジャニが――ありえない――


アジャニは無傷の目を恐怖に見開いた。


やめろ、やめろ、やめろ。


彼は拒むようにかぶりを振り、くぐもった呟きを発して自身の腕を強く掴んだ。まるで皮膚の下に走るファイレクシアのケーブルに抵抗し、それを出させまいとするかのように。

だがそれらは彼を貪り食い、筋肉と毛皮を引き裂き、彼自身の下に組み込まれていたファイレクシアの筋組織を露わにした。滑らかで、密な。


アジャニは完成されていたのだ。彼こそがスパイ、裏切り者だったのだ。


彼はシェオルドレッドに連合を売ったのだ。



潜伏工作員、アジャニ

マナコスト(1)(緑)(Φ/Φ)(白)
カードタイプ伝説のプレインズウォーカー — アジャニ
初期忠誠度4
能力完成化((Φ/Φ)は(緑)でも(白)でも2点のライフでも支払うことができる。ライフで支払うなら、2個少ない忠誠カウンターで戦場に出る。)
[+1]:あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を公開する。それがクリーチャーやプレインズウォーカーであるカードなら、それをあなたの手札に加える。そうでないなら、それをあなたのライブラリーの一番下に置いてもよい。
[-3]:クリーチャー最大3体を対象とし、3個分を割り振る。それらの上にその割り振った個数の+1/+1カウンターを置く。ターン終了時まで、それらは警戒を得る。
[-6]:「あなたがクリーチャーやプレインズウォーカーである呪文を唱えるたび、対戦相手1人を対象とする。それは毒カウンター2個を得る。」を持つ紋章を得る。



「団結のドミナリア」のストーリーにて再登場。

「この中にファイレクシアの工作員プレインズウォーカーがいる!」と危惧されていたが、ストーリー第5話で突如ファイレクシアの工作員がアジャニだったことが判明。

ドミナリア連合と新ファイレクシアの戦いの中、これまで平然とファイレクシアンと戦い続け、窮地を乗り切った矢先での出来事だった。


14年間もの間ストーリーで活躍を続け、エルズペスやタミヨウのよき相談役であり、ゲートウォッチの一員だったレオニンがファイレクシアの手先だったという非常に衝撃的な展開が待ち受けていた。さらにファイレクシア化した瞬間にヤヤ・バラードをマナリグから突き落として殺害、ゴーゴスの酒杯/Golgothian Sylexの破壊など、蛮行の限りを尽くした。

キービジュアルは「アジャニは完成化する前と後を用意した」という説明、つまり絵違い商法のために準備したものだったのだ。


この描写を見ると「ファイレクシアの工作員は本当にまったく自覚症状がないままファイレクシアの手先として動いている」というコズミック・ホラー的な要素が強いようであり、

特にアジャニの正体が露見する寸前の絶望的な描写はこれまでのファイレクシアとは全く異質な、 「身内を疑い始めたらキリがないが確実に身内におり、そして工作員本人自身が自覚していない」 という厄介さを示している。

ザンチャやギックスの頃のような「自覚があるファイレクシアンが一般社会の中に混ざって工作を行っている」というあり方から大きく変化していることが窺える。


ちなみにカードの方の能力は忠誠度能力はクリーチャーかプレインズウォーカーの濾過、+1/+1カウンターの割り振りと警戒付与、と歴代のアジャニを思わせる能力だが、[-6]の能力は毒カウンターを与える紋章の獲得、とファイレクシアの工作員としての本性を現すものとなっている。


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裏切り

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