概要
麻雀の和了役の一つ(1飜)。槓(かん)した時にツモった嶺上(リンシャン)牌で和了した場合に付く役である。
門前ツモからの暗槓であれば門前清自摸と複合する。最後の山牌は槓出来ない上、残り1枚の状態で槓して最後の牌(嶺上牌)でツモった場合海底撈月はつかないため海底撈月との複合は不可能である。裏を返せば、聴牌していない状態でカンをしても和了できないどころか新ドラで相手を利する挙句墓穴を掘ってしまう事もある。
また槓ドラ後乗りのルールである場合は槓ドラが乗る場合と乗らない場合があるので、事前に確認が必要である。具体的に言うと、一般的には暗槓の場合は、槓が成立した時点で槓ドラを表示するが、明槓の場合『槓した後の捨て牌が通った時点で槓ドラを表示する』ので、明槓→嶺上開花ではドラが表示される機会を失ったまま終了する、と見做されるからだ。但し近年は槓ドラ即乗りのルールが多い。
三人麻雀や抜き麻雀で抜きドラを抜いた際の嶺上牌で和了した場合も基本的に嶺上開花は付かない。
マンガ「咲-Saki-」の主人公である宮永咲の得意技と言っても良い役であるためか、pixivでは主に咲-Saki-や宮永咲関連のイラストに付随する事が多い。
ちなみに咲-Saki-の影響で麻雀を始めた人も多いかも知れないが、嶺上開花は実際の麻雀でそれほど頻繁に出る役ではない(槓自体がそれほど頻度が高くない上、その後ツモれるかどうかもかなり運の要素が強いため)。このために無闇に槓をするのはオススメしない。咲のように嶺上開花のみで和了出来るのは余程運が良い時だけである。
尚、古役であり現在ではほぼ採用される事は無いが、五筒の図柄を花に見立て、嶺上開花を五筒で和了すると「五筒開花」という役が付くルールもあった。満貫役(ただしローカル役、古役にありがちなことだが、点数にばらつきがある)。
中国麻雀では8点役で打点に恵まれなくても即和了可だが、やはり狙わないのが吉。
大明槓の責任払い
嶺上開花は上述のように槓した際のツモ牌(嶺上牌)が和了牌であった時に成立するという性質上、放銃者が生まれることはない(ツモ和了扱い)。但し大明槓(暗刻状態から捨て牌を加槓された場合)で嶺上開花された場合、ルールによっては大明槓させたプレイヤーに責任があるとみなし、『責任払い』として大明槓させたプレイヤーが一人で点数を全額支払うという場合がある。この場合、振聴であったとしても1人から点棒を徴収できる可能性が存在する。また、このルールが採用される場合、大明槓の後に小明槓や暗槓を挟んで嶺上開花でも責任払いが発生するケースも多い。
但し、大明槓については四槓子同様に有効牌が自明ではなく、また嶺上開花という運に左右される役ということもありこのルール自体が採用されているケースは稀であり、麻雀のルールブックにさえ全く記述が無い場合もある。但し咲-Saki-の世界では採用されている(ほぼ100%咲のためのルールだが)。