月読の一族
つくよみのいちぞく
伝承~常世の国の成立~
かつて豊葦原には日(日向ひむか)と月(月読つくよみ)と星の名を持つ民が暮らしていました。しかし輝血の大蛇が去った後、中つ国の人々が始めた争いのため、日向の一族は西へ飛び去り、星の一族は姿を消してしまいます。そして少女を贄にしたことが許せなかった月読の一族は中つ国と戦うことに。しかし月読の一族は戦いに敗れ、豊葦原から逃げざるを得なくなります。彼らは海を渡り、長い航海の果てに遠い異界へとたどりつきました。そこで豊かで誰もいない土地を見つけた彼らは、常世の国を建国したのです。
土蜘蛛となった月読の一族
土蜘蛛となった元・月読の一族の血を引く彼らは、月読の一族の能力(巫医の癒しの能力、妖と意思疎通できる能力、自然の声を聞く能力など)は失わずに今でも使うことが出来ます。ただ人間になると、その能力を失ってしまいます。
土蜘蛛は名前を持っておらず、持って生まれた力によって『二』以降の番号が与えられます(例えば歌呪の力をもって生まれた土蜘蛛たちは『十八』、つまり『トオヤ』と呼ばれるなど)。ただし、最も力のある人物は、土蜘蛛の長として『一』(エイカ)の番号で呼ばれるようです。
中つ国での地位は非常に低いですが、人々を癒す不思議な巫医の力を持つため、中つ国や常世の国の人々に求められ、仕えることもあるようです。
神殿
熊野の海宮(わたつみのみや)の海の底に隠された不思議な建物が、かつての月読の一族の神殿です。神殿にはかつての龍神の神子のことを伝える壁画が描かれています。
神殿は海の底ですが、なぜか普通に息をすることができ歩くことができる、不思議な空間です。