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オイディプスの編集履歴

2020-01-04 17:20:24 バージョン

オイディプス

おいでぃぷす

ギリシャ神話の登場人物のひとりである。数奇な運命で知られ、彼を主人公としたギリシャ悲劇『オイディプス王』(ソフォクレス作)は有名。

概要

コリントス王ポリュボスと王妃メロペの子として育つ。だが王子たる彼は、ある日友人から国王夫妻の実子ではないと告げられ心乱される。両親からも明確な答えは得られなかったため、その答えを求めて彼はひとりデルポイのアポロン神殿を訪れ、神託を伺った。だがそこで告げられたのは、


お前は父親を殺害し、母親と結婚する運命にある


というものであった。


オイディプスは「祖国」コリントスに帰還すればこの予言通りの大罪を犯すことになるのを恐れ、流浪の人となる。その旅の途、テーバイの国に向かう狭い山道で、馬車に乗った貴人の一行とどちらが道を譲るかという些細な一件から争いになり、その果てに喧嘩の弾みで馬車に乗る男は崖下に転落死してしまう。


テーバイの国に着くと、この国の民を苦しめていた怪物スフィンクスと対決。怪物は道行く人に「朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩くものは何か」という謎をかけ、これを解けぬ者を食い殺していたのだ。オイディプスはこれを「人間だ」と見事に正解する。赤ん坊の時は四つん這いで、成長すると二本の足で立ち、老齢になれば杖をついて歩くというわけである。謎を解かれて力を失ったスフィンクスは自ら崖下に身を投げて死んだ。


オイディプスはこの功績によってテーバイの民に英雄として迎えられ、ちょうどその少し前に国王ライオスが謎の死を遂げて空位となっていた王位に就き、亡き国王の妃だったイオカステを妻に娶ることになる。4人の子をもうけ、善政を敷き民たちから名君として讃えられるも、テーバイの国を酷い不作と疫病が襲う。神託によればその原因は、前国王ライオスの殺害者がまだこの国にいて、その穢れによるという。民と国を誰よりも思うオイディプスはその禍の元凶を探し出し、国難を救ってみせると宣言。予言者テイレシアスの助言を仰ぐなど、捜索を進めていく。


だがそこで、恐るべき事実が判明していく。かつて彼が山道で死に至らせたあの男こそライオスだったのだ。彼自身こそがこの国に禍をもたらす元凶だったことになる。しかも同じ頃に祖国だったはずのコリントスからの使者により、彼はコリントス国王夫妻の実子ではないことを知らされる。山中に捨てられていた赤子を子宝に恵まれなかった夫妻が引き取り、世継ぎとして育てたのが彼だというのだ。


しかもその赤子とはライオスとイオカステの子であり、遺棄したのは「この子は長じて父親を殺すことになる」という神託の実現を恐れた母親のイオカステだったことが判明。つまり、オイディプスは知らずして実の父親を殺害し、母親と結婚するという大罪を犯していたのだ。神託はやはり実現したのである。


全てが明らかになるとイオカステは絶望のあまり自殺。そしてオイディプスは己の運命を呪い、自らの視力を奪って、自身をテーバイの国から追放。流浪の身となった果てに死を遂げる。


「神託の実現を回避しようと尽力したが、それが寧ろ神託の実現を招いてしまう」ものとして、ギリシャ神話における「運命」の非情さを象徴する人物として名高い。彼を主人公としたソフォクレス『オイディプス王』はギリシャ悲劇の最高傑作ともしばしば呼ばれる。


また、この神話をもとに、精神分析の創始者ジークムント・フロイトが「父親を憎み、母親と結ばれたいと願う」男の子の心理を「エディプスコンプレックス」と名付けたことも有名。


「コロノスのオイディプス」

「オイディプス王」の続編である「アンティゴネ」と対になる、もう一つの続編。

こちらの話では、オイディプスとその娘(であり妹の)、アンティゴネが贖罪の旅へと出発し、

安寧の地を目指すという流れになっており、「アンティゴネ」と大きく結末が異なる。

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