概要
カワサキが発売していたバイク。
国内では400cc、750cc、1100ccの三種類の排気量が設定されていた。
1990年代にネイキッドブームを巻き起こした名車であり、カワサキのブランドイメージにも影響を与えた。
ZEPHYR
1989年発売。
排気量は400ccで、単に「ZEPHYR」と呼ぶ場合はこのモデルを指す。
そのスタイルは、往年の名車Zを思わせる古典的なもの。
エンジンも空冷2バルブで最高出力46馬力と目を見張る数値は無く、戦闘的なスタイルとカタログスペックばかりが注目されていた当時としては平凡なバイクであった。
しかし、カタログスペックを意識せず、バイク本来の美しさを追求したこのコンセプトが市場に受け入れられ、大ヒットを記録。
レーサーレプリカブームの波に唯一乗れず、業績を悪化させていたカワサキの二輪部門を立て直すまでの活躍を見せた。
更に、他社が触発され追従した結果、ネイキッドブームが発生し、後にレーサーレプリカブームを終焉させる一因にもなった。
カウルが無い古典的なバイクは昔から多数存在したが、それらを「ネイキッド」とジャンル分けしたのは本車である。
1996年にはZEPHYRχ(ゼファー・カイ)にモデルチェンジ。
ライバルの高性能化に対応するため、最高出力53馬力の4バルブエンジンを搭載し、足回りも強化された。
年次によってはZと同じカラーリングパターンを採用し、人気を博した。
2009年に生産終了。
ZEPHYR750
1990年発売。
400ccの大ヒットにより、大型バージョンを望む声が市場から高まったために発売された。
デザインは全体的に丸くなり、エンジンも頭の丸いタペットカバーを採用。
排気量と合わせ、Z2のイメージを強く感じさせるものとなった。
また、後述のZEPHYR1100が大きく重い事から、本車をベストバランスと評する声もある。
1996年には、スポークホイールを履いたZEPHYR750RSを発売。
2003年に一足早く生産終了となるも、生産数が少ない事もあり未だに高い人気を誇る。
2007年に生産終了。
ZEPHYR1100
1992年発売。
デザインは400ccを巨大化させたようなもの。
渦巻き状の5本スポークホイールは本車のアイコンとなっている。
ZEPHYR750同様に、一時期はスポークホイールのZEPHYR1100RSをラインナップしていた。
2007年に生産終了。