冬目景
とうめけい
経歴
大学院を受験するも合格せず、漫画の投稿を始める。描き始めの頃はひどく貧しく、クーラーも冷蔵庫も風呂も無い部屋で漫画を描いていたという(『僕らの変拍子』バーガーSC版より)。
1992年、コミックバーガー(後のコミックバーズ→バーズ)に発表の『六畳劇場』でデビュー(十目傾(とおめけい)名義)。しばらく同誌で読み切り作品を発表。1993年、月刊アフタヌーンでの四季賞受賞(冬目景二(とうめけいじ)名義)を経て、コミックバーガーで『羊のうた』、モーニング増刊OPENで『黒鉄』の連載を開始。
その後は活動の幅を広げ、様々な雑誌に作品を発表しており、2019年1月の時点ではグランドジャンプにて『黒鉄・改』を、イブニングにて『空電の姫君』を、それぞれ連載している。しかし同じ作品を描き続けるのが苦手なのか連載が中断するケースがしばしばあり、『黒鉄』は12年も中断した上連載誌が変更された上『黒鉄・改』と改名、『LUNO』に至っては中断を経て後に完結扱いとなっている。
『羊のうた』が実写映画化されたことがあるほか、『イエスタデイをうたって』がアニメ化されることになった。
また、2005年から2011年まで及び2014年と2018年には東京・神宮前の画廊「青山GoFa」で個展を開いた。
エピソード
デビュー当時は「冬目景二」という男性名であった。現在も男性目線の作風から男性に間違えられることが多い。デッサンにも似た粗削りな画風や、淡々としつつも叙情的な物語が受け、熱狂的なファンがついた。なお2000年発行のムック誌のアンケートで、ペン入れに父親からもらった万年筆を使っていると答えている。
沙村広明、玉置勉強は大学の後輩で、コミックマーケットで合作の同人誌を出したりしている。当時は会場で本人を目にすることも可能であった。余談だが、彼女の初期同人誌はプレミアがついてしまい高価。大学の先輩である山田玲司のアシスタントをウエダハジメらと共に経験したこともある。