芸能事務所
げいのうじん
概説
主に芸能人が所属するとされる事務所であり、所属する芸能人のマネージメントなどを行う。
また新人の発掘と育成なども仕事の内であり、養成所を開設する芸能事務所も少なくない。
基本的に、声優事務所やお笑い事務所はどのように様々な芸能活動の場に特化した事務所が多めだが、太田プロやホリプロなどのようにあらゆる分野の人脈に精通した事務所も少なくない。
事務所の主な収益は、契約する芸能人が獲得してきた契約料から差し引いたもので、多くは契約料の半額が事務所の配当として支払われる。
契約内容によっては半額以上を懐に仕舞う事務所もあり、ときに所属タレントと契約形態に関してもめごとに発展する事態も少なくない。
ただし事務所と契約した芸能人はあくまで個人事業主であり、事務所は彼らの「事業をサポートする」という大義名分で動いている過ぎない。よって法律上では、事務所の所属タレントが労基違反で事務所を訴えることはできない状態となっている。
所属タレントへの契約料は、事務所によって「歩合制」と「給与制」に分けられる。
歩合制なら、獲ってきた仕事量に応じて月収増額が見込めるが、同時に仕事の量と質をタレント自身が見極めてコントロールする必要に迫られる。
給与制なら、どれだけ仕事量が増えても所得額は一定を越えないが、煩雑な事務処理や福利厚生のサポートが手厚く、仕事の質と量さえ保持していれば安定した生活が望める。
なお、芸能事務所という存在自体、日本の芸能界特有の存在であり、海外では個人でマネージャーや会計士、そして自分を売り込んでくれるエージェントを雇用し、彼らを通じて契約を獲得するのが通例である。
これは日本の芸能界が、歌舞伎や大衆演劇など、古くから「座」と呼ばれる芸能集団によって経営されてきた背景があり、その延長線上に「劇団」があり、さらに劇団がテレビ業界に俳優を提供する形式がテレビ業界・映画業界で早期に確立されたため。
劇団から独立して事務事業に特化した「芸能事務所」となってからも、この形式の利便性から日本では今なお「芸能事務所」が大小問わず幅を利かせている状況が続いている。
主な芸能事務所
芸能全般
ホリプロ/スターダストプロモーション/太田プロ/ワタナベエンターテインメント/ヒラタオフィス/研音グループ/サンミュージック/ライジングプロダクション/バーニングプロダクション/石原プロモーション(石原軍団)/ケイダッシュ/プロダクション尾木
ダンス系
声優系
声優事務所を参照。