天界での生活に退屈を感じていた天界人である金蝉童子は、ある日叔母である観世音菩薩の元に連れてこられた悟空と出会う。悟空は金蝉の金糸に見惚れながら「すげーきらきらしてんな。たいようみたいだ」と言い放ち、金蝉はその言葉と悟空の純粋な眼差しに目を見開いた。観世音菩薩曰く、この悟空の発言は「凄ェ口説き文句」らしい。この出会いを機に悟空は金蝉の元に預けられることになり、二人の生活がスタートした。
悟空に会うまでは「退屈は人を殺せる」とまで嘆いていた金蝉の生活は悟空との出会いで一変する。退屈を享受するだけだった生活はいつしか騒がしく忙しないものになっていた。以前よりも生き生きとした金蝉の変化は旧友である天蓬や観世音菩薩も気が付いていた。また悟空は天界に来た当初名前が付いていなかったが、「空を悟るもの」という意味合いを込めて「悟空」と名付けたのは金蝉であった。悟空は金蝉からもらった名前を心から喜び、大切にしていた。
関わりのないその他の天界人からは悟空は金蝉の稚児として寵愛を得ていると思われていた。
ネタバレ
斉天大聖に変貌し、天界で大虐殺を起こしてしまった悟空を庇い、天蓬・捲簾と共に天界を追われる身となった金蝉は最終的に悟空を地上へ亡命させることに成功するが自身は悟空の目の前で圧死してしまう。
金蝉は最期の時まで悟空のことを思いやり、悟空の眼に映っても恥ずかしくない生き方をしようとその意志を貫いた。出会った際に悟空が金蝉を「たいよう」と言い表したが、金蝉にとっての「太陽」は悟空自身であった。金蝉は次に会う時は自分から悟空に手を差し伸べると約束し、来世での再会を仄めかせこの世を去った。悟空はその後天界での記憶を消され岩牢で五百年を過ごすことになるが、観世音菩薩の配慮により金蝉の与えた「悟空」という名前だけは忘れずに覚えていた。
尚、籠城中眠っていた悟空が斉天大聖のまま目覚め、金蝉を押し倒した際に身体を起こし悟空の頭を両手で包み込むシーンがあるが、最遊記RELOADBLASTのアニメ画面だと完全にデコチューしているように見える。『純愛』という言葉が最も似合うCPの一つである。
キャラクターソング
・金蝉童子の歌う「glitter」の歌詞には以下のものがある。
手のひらを 灯した光は
お前という希望だから
この歌詞からわかるように、金蝉にとって悟空は希望そのものでありかけがえのない存在であったことがうかがえる。
・金蝉童子&悟空の歌う「桜花」は悟空との出会いから忙しない日常の思い出、お互いを思いやる気持ちが綴られている。また最期の別れの際、金蝉が悟空の背中を押し想いを未来に紡いでいく描写まで表現されており、一曲の中に様々な感情やドラマが詰め込まれている。