開発経緯
アメリカ軍は旧来のM1911A1に「反動が大きい」「装弾数が少ない」「古いから新しいの欲しい」などの不満を抱いた。開発当時はジュールが大きく、初速が速いほど対人殺傷能力も高いと思われていたからである。また、.45ACPによる反動は実際未熟な射手には負担が大きく、反動のより小さいドイツが開発した9mmパラベラムを使用した拳銃を望んでいた。
それに対しイタリアのピエトロベレッタ社が開発した拳銃がM92である、SIG社のP226との競合に打ち勝ち、正式採用の名をほしいままにしたが、海兵隊は今もM1911を使用し、特殊部隊はP226を使うなど、どうやら特殊部隊にはあまり好かれていないようだ。
強装弾の使用や製造時の不具合による強度不足によりスライドが破断、後方に飛び出し射手が怪我をする事故が複数回あれば当然か。
事故もあって現在は破断時に後方へ飛び出さないようになった92FS、スライド自体を強化し強装弾に対応したブリガディア等がある。
運用
アメリカ軍の正式採用、イタリアの老舗ベレッタ社という事もありその人気は高く、各国の警察機関や軍で採用されている。また、近年のレイル化も取り入れており、各種アタッチメントを必要に応じて搭載できるものもある。
また、スライドが大きく肉抜きされた特徴的、かつ美しい曲線美から画面にも映え、バイオハザードシリーズやブラックラグーンなど様々な作品で初期装備やメインキャラのヴィジュアルとして登場する。最近では魔法少女や学生?も使うらしい。
性能
口径 | 9mm |
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使用弾薬 | 9mmパラベラム |
装弾数 | 15+1 |
全長 | 217mm |
重量 | 950g |
有効射程 | 約50m |
※wikipediaより概値
※いずれも最初期型のM92の数値
高初速で小口径である9mmパラベラムを用い、低反動、多弾数化を成功させている。また、大きく肉抜きされバレルがむき出しになっているという独特の設計は、後退するスライドの重量を落として反動をより小さくする事に貢献している。しかし、その設計上高威力の弾丸が使えず、初期のモデルはスライドの破損事故が時折見られたという。
最近でもあまり見られない内部のパーツをいじるだけで左射手にも対応できるという設計がなされており、エアガンなどでもこのようにできるモデルが存在するほど。
.45ACPに対し単純な貫通力とスピードに勝り、弾丸そのものが安価でもあるため個人での所持も人気である。しかし、実際は使用する弾薬は射手の好みによるところが大きいのであしからず。
最近はポリマーフレームのグロックシリーズや古参兵のM1911に押し負けている気がするが*誰も気にしない。