概要
おもに南日本に分布する魚で、大きさ55センチくらい。
名前は「真魚鰹(真名鰹)」とか「学鰹」とか「似鰹」とか書くが、カツオとは似ても似つかない縦に平たい魚であり実際なんの関係もない。
しかし似てよし焼いてよし蒸してよし、もちろん生でもよしととてもおいしい魚で、西日本では昔から高級魚として珍重されてきた。ちなみにマナガツオは冬の季語だが旬は初夏。
江戸時代後期~明治前期にかけて編集された辞書「和訓栞」には「まながつほ 世諺に西国にサケなく、東国にマナガツホなしといへり(マナガツオという魚は世間では『西日本では鮭がとれず、東日本ではマナガツオがとれない』といわれている)」なることわざが紹介されており、実際サケは東日本で賞味されるがマナガツオは東日本には分布しない(まれに東日本でも漁獲されることはある)。
今でこそ冷凍技術や流通網の発達で全国的に食べられるようにはなったが、当時はその地域に行かなければ食べられなかったわけで、いかに貴重だったかがうかがえるだろう。