死がふたりを分かつまでの主人公。
過去の負傷で視力をほとんど失っており、エレメンタル・ネットワークによるバックアップで超音波ソナーによって得られた映像を網膜投影し視覚を獲得するサングラスで視界を得ている。
そのため色彩はなくポリゴンフレームのみの視覚となっており細かい凹凸の判別が出来ず人間の顔の識別が不可能であるため身体情報をメモリに保存、ラベル表示によって個人を識別している。
付近に潜伏している車両に搭載しているコンピュータによるモデリング処理のバックアップを受けないと解像度が落ちる。
初期は開発途中であったためイヤホン式無線を使っているが片側の耳が塞がるため体感に若干のずれが生じていた後に骨伝導ヘッドホン機能を内蔵した改良型に交換。
が、後にワイズマンの戦術に嵌められ事実上の敗北を期したことでサングラスを外して遥と共に山中に潜伏しつつ己を鍛えなおし感覚を鋭敏化、地面からの微かな振動などの非常に小さな反応から反射レベルでの反撃を可能としている。
そのためサングラスが無いほうが容赦がなく、強い。
基本的には白杖の形状を模した仕込み杖、犯罪被害者の刀匠が非合法に鍛造した無登録刀。犯罪を憎んで打たれた銘は「断罪」。
剃刀のように薄い刀身に超低摩擦コーティングを施し、刃先に単分子接合を施した刀は理論上分子結合を分断しあらゆるものを切り裂く。
難点として切断対象に対して垂直に刃を入れブレずに切断しないと単分子層が摩耗し切断力が低下し、刀として厚みも反りも重さもないため純粋な威力が低い。
上記のサングラスに弾道予測ソフトと土方の経験・技能によって放たれた銃弾を空中で切り裂く離れ業すら可能、また切断された拳銃は新品のガラスのように分子間力が働きピタリとくっ付くほどに滑らかな切断面となる。
強敵との戦いに於いては携帯性よりも土方の適正に合致した大太刀「鬼殺し」に持ち替え、示現流や念流、一刀流等の数々の流派を学んできた彼の柔剛合一の剣技により他を寄せ付けない強さを発揮する。
必殺技は佐々木小次郎の逸話を剣技で再現した「燕返し」。
過去
彼は犯罪被害者である。両親を目の前で飲酒運転の車によって失い、剣術を嗜んでいた祖父に引き取られる。
失意と怒りのままに剣を執った彼は剣術にのめり込み、祖父の剣技をあっという間に吸収すると指導しきれない祖父から真壁派一刀流の内弟子として入門、剣術に更にのめり込んでいった。
そして学生の頃、かれは道端で酔い潰れて泥酔していた一人の男を見つけた。その男はかつて両親を死に追いやった男だった。
両親を死に追いやり、懲罰に伏しておきながら尚酒を辞めずに飲みつぶれている姿に犯罪者は反省しない、再犯を行わせないためにはただの刑罰では温いという考えの種が生じた瞬間だった。
そして現代社会では無用長物でしかない古武術の剣技、自らの怒りが空虚に帰した葛藤を抱きながらも剣術を修める彼に、師の真壁は突然闇稽古を仕掛けた。
木刀同士の戦いとはいえ、技が決まれば当然死ぬ決戦。その中で無我夢中で戦った彼は師を手にかけてしまい、今際の言葉を受け取ると戦場を求めて放蕩することとなり各地のやくざを強襲しては撃破していった。
そして剣術を極めるの為にと次第に過酷な戦場を求め、エレメンタル・ネットワークのスカウトに応え養成学校にて近代軍隊戦闘術を獲得、優秀な成績を収めると敢えて武装を刀としてロシアの紛争地への武力介入部隊に配属となった。
そこで紛争地での人身売買と薬物転売を行う組織と衝突、伝説の殺し屋ジーザスと出会い一戦をするもの目的を同じくすると共闘する。
だが、その最中で味方が壊滅。生き残りを逃がすために囮となり敵に捕縛され、吐き気を催す邪悪と相対する。
誘拐され薬物付けの戦闘人形とされた敵兵士の中の一人が誘拐された子供たちの中に家族が居るためにどうにか逃がしたいと護に協力を持ち掛け、脱走し誘拐された子供たちの救出にも成功するが協力者は護の目の前で榴弾を撃ち込まれ、自身もその時の攻撃で眼球を損傷し失明する。
一連の経験で護は、悪党は死ぬほど痛めつけて後悔させるか殺すしかないと悪即斬の考えに至ると自分の甘さを痛感し、失明を理由にネットワークを一時脱退。
失明状態でもある程度戦えるように自分を鍛えなおし、後にメカニックの井川らと共に都市部専門の実働部隊として再スカウト、物語へと至る。