概要
三体(The Three-Body Problem)は、劉慈欣(Liu Cixin)のSF小説である。地球往事三部作(Remembrance of Earth’s Past)の第1作目にあたるので、転じて、シリーズ全体を指す場合もある。英訳者はKen Liu。
1960~1970年代の中国、及び近未来の地球と宇宙を舞台とする。
ストーリー
三体
文革から危機紀元の始めまでを描く。
黒暗森林
危機紀元を始めから終わりまで描く。
死神永生
コンスタンティノープルの陥落(西暦1453年)から、宇宙の熱的死間近(西暦10018906416年ごろ)までを描く。
登場人物
「三体」「黒暗森林」両方に登場
常偉思(Chang Weisi)
中国軍内での「三体」対応の責任者。階級は少将で、「三体」では陸軍所属だったが、「黒暗森林」では新たに創設された宇宙軍の司令官となる。
史強(Shi Qiang)
がさつだが、現実主義者であると同時に柔軟な発想が出来る有能な警察官。所属は、北京市警察のテロ対策部隊→地球防衛安全部。
軍隊にいた事があり、その時の上官は常偉思。
作中では大史(「史兄貴」と言った意味)と呼ばれる事が多い。
「三体」ではナノマテリアルの研究者である汪淼の、「黒暗森林」では4人目の「面壁者」である羅輯の護衛担当となる。
ちなみにヘビースモーカー。
三体
葉文潔(Ye Wenjie)
地球三体組織(Earth Three-body Organization, ETO)の精神的リーダー。自分の目標を達成するには、夫を犠牲にすることも厭わず。
黒暗森林
羅輯(Luo Ji)
大学教授ではあるが、大した学術的な業績も、それどころか学問への情熱すらなく、生活の為に学者をやっているような人物で、性格・私生活についてももかなりの駄目人間。
しかし、三体人に対抗する秘策を編みだす使命を受けた4人の「面壁者」最後の1人に選ばれてしまう。もちろん、他の3人の「面壁者」(アメリカの元国防長官、対米戦争に勝利した南米の小国の大統領、世界的な脳科学の権威)に比べると能力・業績ともに著しく見劣りがする。
果たして彼が、人類を救う使命を受けた「面壁者」に選ばれた理由とは……?
そして、最終的には、初めて「黒暗森林理論」を発見した地球人となる。
章北海(Zhang Beihai)
宇宙戦艦「自然選択」の艦長。
元々は、21世紀の中国軍人(所属:海軍→宇宙軍)。熱烈な「勝利主義者」であり、宇宙軍から「敗北主義者」「逃亡主義者」を徹底的に排除し続けてきた。優秀な軍人であると同時に、自分の信念や「三体人」に対する勝利の為には軍人としての本分に外れた違法行為さえ厭わないある種の狂信者。
同時に父親からは「他人に真意を見抜かれるな」「深く複雑な思考が出来る人間になれ」と云う教育を受けてきた。
そのせいもあって、21世紀の時代の中国宇宙軍の司令官である常偉思からは、信頼を寄せられる一方で、その強固で熱狂的な信念の源が全く見えない事を不審がられていた。
「三体人」との最終決戦に備え、人工冬眠につくが、人工冬眠より目覚めた後、戦艦同士での「暗き内ゲバ」で死ぬ。
死神永生
雲天明(Yun Tianming)
女の子に星を贈った人。のちに脳だけが三体星人の艦隊に送られる。
智子(Tomoko)
三体星人が作った対人コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。日本刀を愛用する。
関連項目
84話に登場した星姉ぇのプリチャンアイドル時代の名前「三体星智子」は、本作から取っていると思われる。