CV:鍵本景子
何か概要?
『魔女の宅急便』の登場人物。
オリキャラかつモブキャラではあるが、本作を語るうえでは良くも悪くも欠かせない存在である。
少女の祖母とその家政婦であるバーサと共に石窯で焼いたカボチャとニシンのパイを降りしきる雨からスカートで守りながら家にたどり着いたキキ。しかし少女は、祖母が孫のために作った料理をずぶ濡れになってでも届けてくれたキキの前で「あたし、このパイ嫌いなのよね」と言い放ち、特に礼のないまま家の扉を閉めてしまう。
この予想外の結末にキキは落ち込みのあまり、体を拭かずに寝てしまった結果風邪を引いてしまった。後日、おソノの計らいで快復したキキがトンボとデートしていた際に再登場。トンボが彼女達と仲良くしてるのを見たキキはまた精神が不安定になってしまい魔法の力が弱まってしまった。
このようにキキに対してはネガティヴな影響ばかり与えたせいかジジ(と多くの視聴者)はあまりいい印象を抱いていない。
そんな彼女だが、根は決して悪い子でなく、トンボを救おうとするキキをみんなと一緒に応援している。
まあ、トリビアじゃない
一連のやり取りについてだが、宮崎駿監督は『キキの認識が甘かった』と見解を示している。
これは、キキは「お金をもらって仕事をしているだけ」に過ぎず、少女からしてみればキキは「宅急便の人」それ以上それ以下でもなく、少女がキキを気遣わなくてはならない義務はない。つまり、キキが落ち込んだのは『荷物を運んだら感謝されるのが当たり前』と言う認識だったキキが自分の甘さを思い知った、その苦い経験を活かしてキキは成長していくという見解だそうな。
そもそも、人間誰しも気づかぬ内に他人に不快な思いをさせてしまうことがあるかもしれない。
顧客が配達員や店員などに親切に気遣うことはそうそうなく、気遣わなくてはならない義務はない、にも関わらずそれを棚に挙げて少女を批判してしまう、という所が「このシーンの一番辛い所」と宮崎監督が指摘している。
お婆ちゃんからまた余談が来たのー
ネット上では実際にカボチャとニシンのパイを作ってみた人も多い。
使われている魚は様々でムニエルだったり、甘露煮だったりと人によって様々だがニシンがスーパーに並ぶことがそうそうないためか、大抵は他の白身魚で代用されている。
ほとんどはホワイトソースも使われているが、肝心の公式設定ではそれが使われているのか不明。
カボチャとニシンのパイの元ネタは恐らくイギリスの伝統料理『スターゲイジーパイ』。詳細はリンク先を参照に。