柘植の飛猿
つげのとびざる
演：野村将希
人物
『水戸黄門』第17部から登場した忍者。かつて鳥羽領に伊賀から飛猿一門が入領した際に城代家老から領民と同じ扱いを受けた事により鳥羽藩に恩義を持っている。第17部で鳥羽藩お家騒動を解決する為に鳥羽に入った光圀一行をつけ狙う反対派の刺客と行動を共にし、刺客には同志と思わせ正体を隠しつつその動きを監視、そして光圀一行を密かに助ける任務を藩から担っており、騒動解決後に一行に加わった。
第17部でかげろうお銀の配下の忍者である「煙の又平」が刺客によって壮絶な死を迎えた際、その状況からお銀は飛猿を又平の命を奪った仇と思いこんでいた。そのため、お銀からは真相が判明するまで幾度も命を狙われる事となる。
飛猿が事件を嗅ぎつけた時に流れる不穏な効果音は初登場の頃から使われており、当初は得体の知れなさを演出していたが、一行に加わった後は遭遇した悪党を鋭い目で見張っている事への演出として使用されている。
当初は柿色の忍び装束に猿面の忍者刀を使うスタイルだったが、道着のような衣装になってからは、忍者でありながら鍛え抜かれたその身体を活かした剛力を発揮する戦い方に変化した。その剛力ぶりは岩や灯篭を軽々と持ち上げて相手に投げつけたり、屋敷の壁を拳一つでブチ抜くほどである。
ちなみに演ずる野村氏は実際に鍛え抜かれた体を持つ肉体派俳優としても有名。
薬の知識に長けており、悪人達が用意した毒薬を先回りしてすり替える・毒の正体を簡単に見抜く能力を持つ。眠り薬もよく使う他に仮死薬と思われる薬を使った事もある。普段は表の顔として富山の薬売り行商人に扮しており､街道や町中でもそのように行動している。なお薬売りとして背中の薬箱で運んでいる「富山の萬金丹」は効能は本物であるが、実は本場富山の物ではない事が明かされたエピソードもある。領地名に合わせて名称を変えた御老公とは異なり、富山藩の領内に入った際もこの設定を変えなかったため､富山入りした飛猿が現地にいる本物の富山の薬売り達から見知った行商人ではない事を理由に怪しまれたこともある。
お銀と異なり一行と常に行動する事は少ないが、お銀と共に一行より先に国の情勢を偵察している事も多い。
第28部をもって登場しなくなり、以降はスペシャル回でまれに登場するようになった。
風車の弥七とは顔見知りで行動を共にした事があるが、弥七演じる中谷氏の健康上の理由で出演が少なくなった事もあり、ストーリー的に弥七に代わる隠密として新たに追加された形となっている。また、完全オリジナルキャラクターであり､飛猿の特定のモデルはないとのこと。
光圀一行への伝令手段は猿面に手紙を差し込んで投げ込むスタイル。
風の鬼若
演：照英
第31部～第37部10話に登場した飛猿の後継的位置づけのキャラクター。秋田杉の山守を務める柘植一族の出身。並外れたパワーとスピードを誇る巨漢の忍者で、一族の頭目・半右衛門の孫娘である少女くノ一・アキ（演：斉藤晶）の保護者的立場。最後は、祖父を殺害した伊賀の抜け忍を追うアキを庇って凶弾を浴び、そのまま崖から転落、生死不明となる。