「いつまでも自分の事が嫌いで いつまでもずるくて いつもいつも あたしはいつもそんな自分が嫌で いつもそんな自分から抜け出したかった」
「怖くて出来なかったけど ずるくて出来なかったけど 甘えて抜け出せなかったけど もう誰かに甘えるのは嫌なの」
プロフィール
概要
君に届けの登場人物。
主人公黒沼爽子のクラスメイト。
愛称は「矢野ちん」。
ピアスを身につけたギャル風の大人っぽい女子。
恋愛経験が豊富で、他人の感情の機微に敏感。
当初は爽子を怖がっていたが、その内面を理解するとともに親友となり、彼女と風早との恋の進展を時には助け船を出しながら見守っている。
千鶴とは高校進学後に知り合った。「バカっぽい奴」「きどった奴」と互いに第一印象は悪かったものの小競り合いを繰り返すうちに友情を深めていった。
爽子と千鶴のことを何よりも大切に思っており、自分にとって「特別」な存在であると語っている。
自己嫌悪
「あたしはそのままのあたしが嫌いなの 大嫌いなの」
中学時代に所属していたバレー部でセッター兼キャプテンを務めていたが、チームメイトの一人が思いを寄せていた同級生から告白され断った結果部内で孤立し、退部したという過去がある。
北幌高校にはそうした人間関係から逃れるために進学しており、そんな自分を「いつも自分を守ってばかり」「ずるくてすぐ全部投げ出して逃げたくなる」と激しく嫌悪している。
恋愛においても、経験はあるものの誰かを本気で想ったことはなく、また自分も本気で想われることはないと思っている。だが爽子や千鶴のひたむきな恋愛を見守るうちに自分もそんなふうになれるのではないかと期待するようになり、修学旅行前に告白して来た茂木と付き合うものの、茂木の目当てが性的な行為であることを知り別れ、涙を流した。
恋愛関係
修学旅行以降、ケントから思いを寄せられるようになり戸惑う。はじめは拒んでいたが、その真剣さに心を動かされ、ケントと付き合うことになる。
海外留学のために東京のJ大学に行きたいと思いながらも共に札幌の大学に進学しようとするケントには言い出せずにいたが、本音を口に出してしまったことですれ違い、激しい自責の念に駆られる。最終的にはケントに寄りかからずにずるい自分を変えたいという気持ちから東京の大学を目指すことを選び、ケントと別れる。
その際ケントからは「オレがちゃんとあやねちゃんをだいすきだったこと 覚えてるんだよ」「そんで次はすげーすきな奴作って!」と言われており、その後担任の教師であるピンに初めての恋をする。
卒業直前の大学合格発表の日にケント、千鶴、爽子の励ましを受けてピンに告白する。ピンからは「・・・10年はえーんだよな!」「わりーが範囲外だ!」と言われふられるものの、その直前にあやねの笑顔を見たピンが「・・・・・・う・・・」と言葉に詰まる描写があり、ピンの真意は不明である。