グガランナ
ぐがらんな
メソポタミア神話の『ギルガメッシュ叙事詩』に登場する天の牡牛。
概要
グガランナ(gu galann na)とはシュメール語で「天の牛」という意味で、『ギルガメッシュ叙事詩』によると、女神イシュタルがギルガメシュに振られたことに腹を立て、ギルガメシュをウルクごと滅ぼすために父なる主神アヌを脅して造らせた巨大な天の牡牛である。
グアンナ(gu ann na)やグガルアンナとも呼ばれる。
その姿は翼を持つ猛々しい牡牛であり、2本の青玉石の角には油が詰まっている。
アヌが創造しただけあり、7年間の不作を招き、殺したものは死を持って償わなければならないという聖獣でもあった。
それでもギルガメシュとエンキドゥには適わず倒された。
しかし、神々の理不尽ともいえる所業に怒ったエンキドゥは、腿を引きちぎってイシュタルの顔に投げつけ恫喝したため、以前に森の番人ハンババをも殺していたことも含めて死の呪いを受けてしまったという。
さらに古い時代のシュメール神話では、牡牛座のことを示す言葉であった。
またバビロニア神話の『エヌマ・エリシュ』に登場するティアマトによって、神々を滅ぼすために創造された11の混成獣の一柱であり、肉食獣の身体を持つウリディンムと対を成している、人の上半身を持つといわれる翼のある牡牛クサリク/クサリックと同一視される。