"wunder" は英語の "wonder" に相当し、日本語では「驚異」「不思議」。
"kammer" は "chamber" で、「会議場」や「議会」、「謁見室」や「執務室」、もしくはより一般的に「部屋」「空間」と訳される。
"Wunderkammer" を日本語訳した『驚異の部屋』もタグ用例はそこそこあり、英語圏では "Cabinet of curiosities" (珍品収納庫)とも呼ばれる。
日本語への音声転写としては「ブンダーカンマー」「ヴンダーカマー」などの表記揺れが見られるが近年では漫画『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』(加藤元浩)において主人公・榊森羅の決め台詞として使われた「ヴァンダー・カンマー(を、ご案内します)」という表記が知られている。
概要
15世紀から18世紀にかけて、欧州の王侯貴族や名士の間で流行した「博物陳列室」。
自然物の(インチキを含む)標本から人工の器物・芸術作品(およびガラクタ)まで、珍しいもの・興味を引くものならば何でも、分野を隔てず収集し陳列した空間である。
自然科学の発達と社会体制の変化によって廃れていったが、これらの収集物は公的な博物館に収蔵されたり、科学や歴史学・民俗学といった各分野の研究に貢献してもいる。
現代社会においても蒐集家(収集家)、コレクターと呼ばれる人々は大なり小なりの「ヴンダーカンマー」を独自に造り上げている。