概要
小説『日本国召喚』に登場する国家。
第二文明圏圏外国家である。日本同様異世界に転移してきた国であり、第二文明圏を荒らし回っている国。
前世界でも世界征服のために行動する軍事国家であり、この世界においても覇権主義であり植民地では同化政策を当然のように行っている。
また兵の質も良くなく、転移後の世界に戦時国際法が無いのを良いことに、占領地域での略奪・強姦・暴行といった非人道的行為を精鋭部隊すら行う。こういった行為や捕虜の虐待を禁じる方針は一応存在するらしいが、有名無実化しておりかなり問題がある。
首都はラグナ、科学文明国でありWW2時程度の技術力を有する。
地球に比べて少々いびつな発展をしており、戦艦グレード・アトラスターがレーダー射撃や近接信管を用いた対空射撃をおこなっているのに対し、潜水艦や対潜兵器は1930年代の水準にとどまっている。
日本のことを、自国と同じく異世界から転移して来た国だと気付いているが、日本には自国の常識が通用しないことに、なぜか気が付かない。(異世界の存在には、自分たちの常識が通用しなくて当たり前であること、そのものに気付いていない。)
自国の常識で判断した結果、日本をひどく過小評価してしまい、日本より自国の方が強いと信じて疑っていない。
※本件を含め、本作の異世界の人々は正常性バイアス(もしくはそれに類する思考パターン)が極めて強く働く傾向が見受けられ、その点について「日本自身も戦前や戦中(旧世界での第二次大戦)は似たようなものだったのかもしれない。油断や慢心をしてはならない。(意訳」といった形で作中でも触れられている。
導かれし太陽編
間章『異界の大帝国』に登場。当初は穏当な外交手段をとっていたが、各国外交窓口をたらい回しにされた挙げ句(一応各国の対応は手続きに則ったものであったが…)、外交官を努めていた皇族が言いがかり同然に(相手にとっては新興の文明圏外国との認識な為、非道との認識無し)パガンダ王族に対する不敬罪に問われ殺害されたことで対応を一変、当該国を滅ぼしたのに続き、宗主国の列強レイフォルの主力艦隊を戦艦グレード・アトラスターが単艦で殲滅、その足で首都に艦砲射撃を行う。
この時点では(距離が遠いこともあり)同じ転移国家である日本の軍事力に対しては「砲が1、2門しかない巡洋艦」「回転翼機を実用化している」などの情報から、日本がいた世界(地球)について「海の面積が狭く、軍艦は発達しなかったが、技術力は上回る部分もある」と分析している。
崩れる均衡編
滅ぼした列強レイフォルに替わり『先進11ヶ国会議』に出席する。
会議中に全世界に宣戦を布告、各国外務大臣級護衛艦隊並びに訓練中のミ帝第零式魔導艦隊を襲撃し、マグドラ沖海戦、フォーク海峡海戦を引き起こす。
各国は臨時連合軍を組んで迎撃にあたるも次々と撃沈され、ついには日本の巡視船しきしま(その船体規模から他国からは巡洋艦、前弩級戦艦と誤認される)をも撃沈する。
その後のムー、ミリシアル、アガルタ法国、日本との捕虜返還交渉においても返還を認めず、日本側から「撃沈された船は軍艦ではなく、捕虜も軍人ではない」と伝えられるも、「負けた味方を切り捨てる見苦しい言い訳、警察機構の警備艇が戦闘機を多数撃墜できるわけがない」と聞き入れることはなく、誤認に気付かないまま、遂に捕虜を処刑してしまう。
後に、これが大きな失策となって返ってくる事を帝国はまだ知らなかった。
新世界大戦編
第二文明圏ムー大陸沖のバルチスタ沖大海戦で世界連合軍と交戦し、世界連合軍、ミリシアル艦隊を壊滅寸前に追い込む。
そのまま大勝利…と思いやミリシアルの対魔帝切り札『空中戦艦パル・キマイラ』の参戦により、壊滅的な損害を負いつつの辛勝に終る。
新世界大戦編(護国の戦士たち)
本国艦隊・第52地方艦隊、通称『イシュタム』がムー国首都オタハイト並びに商業都市マイカルを奇襲、『イシュタム』別動隊の相手にオタハイト防衛艦隊が絶望的な戦いを強いられるなか、日本による大改装をうけた戦艦『ラ・カサミ改』が姿を現す…。
一方マイカルに向かった『イシュタム』本隊を迎え撃つは『ラ・カサミ改』護衛、邦人保護のため待機中の海上自衛隊第4護衛隊群であった。
しきしまの一件から日本を過小評価する『イシュタム』は恐れる事無く攻撃を開始しようとするが…。
激動のムー大陸編
マイカル攻略の足掛かりとして、国境の町アルー侵攻のため兵力を集結させる帝国軍だったが、レイフォルの戦時外交局出張所を訪れた日本国外交官から自らの歴史を開示され、「万一ムーに侵略行為を行った場合は全力で撃滅する」と警告される。
しかしこの報告は上層部へ伝わる途中改竄され、ムー侵攻部隊は多少強化されるのみとなったが、日本国の意図は自衛隊到着まで、侵攻部隊の大規模化による準備に手間をかけさせ、僅かでもアルー侵攻を遅らせるための時間稼ぎだったので、上記警告後の帝国内部での対応は想定通りだった。
その後ムーへ進軍した帝国軍だったが、日ムー連合軍の攻撃によるバルクルス基地壊滅、消息を絶った『イシュタム』などの件をうけ、日本に対する詳細な調査を始める。
そして、日本国が弱小どころか(帝国側から見れば)SF作品の如き規格外の軍事力を持つ可能性が浮上し、情報を入手した情報局や海軍本部は騒然となる。更なる調査が試みられる中、帝国の皇太子であるグラ・カバルのバルクルス基地視察が始まり…。