概要
堅実志向であった従来のソビエト製の戦車から一転して意欲的な新機構が多く搭載されており、同盟国や友好国には供与されずに西側には長らく秘密となっていたものの、その正体が発表されたときの衝撃は大きかったという。
一方で、T-54/T-55の後継となることが予定されていたが、新機構を多く採用したために開発が遅れてT-54の後継はT-62となった。
新世代の戦車として絶大な期待が寄せられていたものの、高価かつ複雑な戦車となってしまい信頼性が高かったとは言えず実戦部隊からの評判はよろしくなかったという。
具体的に言うと、世界初の自動装填機構が特に曲者。これとソ連製戦車特有の車内の狭さが合わさった結果、砲弾の代わりによく乗員の腕やムスコを装填してしまっていたんだとか。
この教訓から、旧来の技術を利用したT-72が開発された事もあって、海外に輸出される事はなく現在も旧ソ連諸国の一部でのみ使用されている。
後には本車を基にやはり先進的な設計のT-80が開発されたが、悪評を払拭するに至らなかった。
参考資料
腕やキ◯◯マを「喰う」という自動装填装置。
一見大したことはなさそうだが、ソ連製の戦車の中はクソ狭いという事を考える必要がある。
車長席。