特徴
物語は前作ヨゾラノ星の最終回から1年後の昭和22年4月、共学化により女学校へ男子生徒が編入する場面から物語は始まっている。
作者のS.SHIMIZU氏は個人的こだわりから8月6日になると広島原爆に関連した作品を投稿しているが、本作も第1話が2018年の同日に投稿されている。また、第2話は長崎に原爆が投下された8月9日に投稿されており、原爆の日に投稿されるスタイルは前作と同様である。なお、第3話以降は完成次第随時投稿される予定である。
登場人物
広島光明高等女学校生徒
- 滝田星(たきた せい)
前作に続き本作の主人公で、広島光明高等女学校の3年生。前作の被爆時に左頬に火傷を負いながらも元気に通学している。
- 山本純子(やまもと すみこ)
前作では1年西組のクラスメイトとして登場したが、本作では星のクラスの級長として登場している。前作から髪型はほとんど変わっていない。
- 岡崎佳子(おかざき けいこ)
前作では1年西組の級長。前作から髪が伸び、お下げ頭となっている。
- 佐田絹子(さた きぬこ)
元4組級長。星らと同じクラスになったが元西組のメンバーとなじめず4組のメンバーとつるんでいる。
– 塚田凛子(つかた りんこ)
昭和5年(1930年)6月1日生まれ。光明女子5年1組級長で、演劇部の部長。現在の生徒会長的存在である。「一人劇団」の異名を持っている。因みに父が劇作家。
– 長谷川哲代(はせがわ てつよ)
昭和5年(1930年)12月2日生まれ。凛子の級友。文芸部員。通称「テッちゃん」
陵南中学校生徒
元々は男子校で、共学化により広島光明高等女学校へ編入してきた。編入前は学校が原爆により全焼したため、青空教室で授業を受けていた。
- 川島幹治(かわしま かんじ)
本作の第1話にて他の男子生徒と共に編入。級長を務めているが、被爆で背中に大きな火傷を負ったことが原因で復学が遅れ星らより1つ年上である。
男子側のプライドから当初は女子生徒側と対立していたが、絡まれた星を助けたことをきっかけで打ち解けるようになる。
- 二宮優作(にのみや ゆうさく)
幹治と共に編入してきた男子生徒。メガネをかけており、「ニノ」の愛称で呼ばれている。
- 和田山八郎(わだやま はちろう)
幹治と共に編入してきた男子生徒。ヒョウタンのような顔が特徴で、「ワッパ」の愛称で呼ばれている。
広島光明高等女学校・陵南中学校教師
- 藤巻平(ふじまき たいら)
広島光明高等女学校の英語教師。前作同様星のクラスの担任となっている。
- 戸田良子(とだ よしこ)
大正15年(1926年)5月9日生まれ。星が3年時より赴任した国語教師。性格は天然で、世間知らずな部分がある。
- 真木武雄(まき たけお)
3年時より赴任した英語教師。元々は少尉としてマレー半島におり、英語の授業そっちのけで少尉時代の話をする。生徒からは「M」と呼ばれ陰口をたたかれている。
- 大河原功吉(おおがわら こうきち)
陵南中学校からきた教師。戦時中は「オニガワラ」と呼ばれるほど恐れられていたが、復員で戻ってからは平和主義者となっている。
- 山形作二郎(やまがた さくじろう)
体育科の教師で農作業の面倒を見ている。
- 山田廉造
広島光明高等女学校校長。被爆で重傷を負いながらも生存し、校長を続けている。
奥田運送関係者
第5話で設立された運送会社。
- 奥田栄吾(おくだ えいご)
元陸軍大尉で、戦後は運送会社へ勤務していた。容姿は相変わらず怖く、大尉時代を知っている女学生からは怖がられているが、復員したことで性格は割と丸くなっている。実は猫アレルギーで、夕子が猫を近付けると蕁麻疹を起こして以来ネタにされている。
弟が復員してからは戦後復興のためヤミ屋で蓄えた資金を元手に奥田運送を設立する。
- 伊藤大介(いとう だいすけ)
原爆により家族を失った戦争孤児。孤児院に入ることを拒み、広島駅前で靴磨きをしていた。栄吾に気に入られ、奥田運送で面倒を見ている。
- 甚平(じんぺい)
前作最終回で星や夕子に絡んだところ栄吾に叩きのめされたチンピラの一人。仲間2人と共にヤクザの鉄砲玉にされかけたところを栄吾に拾われ、奥田運送設立メンバーになる。
なお、前作終了後の設定集では甚八(じんぱち)であったが作者のミスで名前が異なっており、前作中では名前が出てこなかったこともあり甚平が正式名である。
- 長介(ちょうすけ)
甚平と共にチンピラをしている背の高い人物。甚平同様栄吾に拾われ、奥田運送設立メンバーになる。
- 五郎(ごろう)
甚平と共にチンピラをしている背の低い人物。甚平同様栄吾に拾われ、奥田運送設立メンバーになる。
- 奥田栄造(おくだ えいぞう)
栄吾の弟。復員するが荒廃化した広島に失望し酒と薬に手を出そうとしたところ兄・栄吾に説教され田と同時に帰りを待って運送業を始めたことを告げられ、設立メンバーになる。
- 奥田明子(おくだ あきこ)
栄造の妻。前作最終回では栄造について栄吾に相談していた。栄造と共に設立メンバーになる。
娼婦(パンパン)
- 黒田夕子(くろだ ゆうこ)
前作に続きパンパンを稼業とし、星とよく会っている。奥田をよくからかい、都度追い掛け回されている。キヨに絡まれたところをフミの機転で逃がされ、娼婦から足を洗い一銭食堂(お好み焼き屋)を始める。
- 反町 喜代(そりまち きよ)
富子が岩国へ去った後横川から広島駅周辺へ活動を移した娼婦の棟梁。逆らった娼婦の顔をカミソリで傷つけることから「カミソリおキヨ」と恐れられている。
- 斎藤文子(さいとう ふみこ)
「上を向いて歩こう」に登場していた娼婦で「フミ」と呼ばれている。富子に従事し、夕子を間接的に面倒を見ていたがキヨから夕子を逃がすため暴行し、「二度とパンパンに戻るな」と言い夕子を川へ流す。
その他
- 銃鉄(じゅうてつ)
村越組のヤクザ。常に拳銃を持っていることから甚平らに恐れられている。
- ジョージ・ナカタ
アメリカ駐留軍中尉。母親が日本人のため少し日本語ができる。広島光明・陵南の被爆生徒を検査するため校長を脅していた。
- 一銭食堂の女将
路上でお好み焼き屋を営業し、夕子にお好み焼きを与えたことで夕子はお好み焼き屋を始める。作り方などを夕子に教えていた。
- 田原東山(たばらとうざん)
大正元年10月8日生まれ。元大日本帝国陸軍第27師団歩兵第3連隊の軍医。戦後は故郷の広島市で外科病院を開業した。軍医時代には奥田大尉と同じ連隊所属の戦友であった。