概要
作者のS.SHIMIZU氏自身は普段メカ系の作品を投稿しており、戦後生まれのため被爆者ではないが、個人的こだわりから当作品を投稿する7年前から8月6日になると広島原爆に関連した作品を投稿している(後述)。実際この漫画を執筆にあたり30年以上に渡り資料を調べるなどしたうえで執筆・投稿しており、人物や一部地名等はフィクションではあるが、当時の情勢や主要建築物等は事実に基づいたものとなっている。
作品について
本編としての投稿数は14本であるが、話数は13までとなっている。これは10話と11話の間に7.5話が投稿されたためで、時系列的に7話と8話の間の話という設定である。本編の投稿間隔はばらつきがあったが、広島に原爆が投下された8月6日と長崎に原爆が投下された8月9日には必ず投稿が行われていた。
本編以外にも設定集と番外編(後述)が投稿されており、関連付けされた作品数は20(本編14、設定集5、番外編1)となっている。
2018年8月6日より続編となるヨゾラノ星2の連載が開始されている。
二次創作について
ファンアートなどの二次創作について、S.SHIMIZU氏本人や友人の発言からpixivやTwitterなどへの投稿・公開は遠慮なく行ってよい。但し、「作品の趣旨を理解しない内容(R-18や悪ふざけなど)」や「営利目的(コミケなど同人誌即売会での販売やLINEスタンプでの公開など)」は原則NGである(特に営利関係はS.SHIMIZU氏自身が営利活動を断っているのでやめたほうがよい)。許可されているのはあくまで非営利であることを踏まえて活動をしてほしい。
登場人物
本編および派生作品である「上を向いて歩こう」の登場人物を記述する。
滝田家
元々は広島浅野家に仕える武士であったが、明治維新後は快田村(広島から約10km離れていると説明があることから、現在の広島県海田町がモデルと推測される)に移住。そこで塩屋を営むようになり、明治21年に商店へ業態変換し現在に至る。表向きは商店であるが祖父の代から裏の取引も行っており、その利益で星を女学校へ通わせることが可能となっている。
- 滝田星(たきた せい)
- 滝田精一郎(たきた せいいちろう)
- 滝田松子(たきた まつこ)
- 滝田時生(たきた ときお)
ちなみに滝田家の男は代々「精」の文字が付けられているが時生には付けられていない。これは先述の通り時生が生まれる前に精作が借金を作って蒸発したため、精一郎がそれを嫌いあえて外したためである。
- 滝田光子(たきた みつこ)
- 月(つき)
火神家
大日本帝国軍人の家系で、家の規律は非常に厳しい。父母と息子2人、末娘の5人家族である。息子2人は戦地で死亡し、母と末娘も被爆で死亡。父のみ終戦を迎えたが、戦犯で収監された。集団下校で星たちと広島駅へ向かっていることから、家は広島駅周辺とみられる。
- 火神礼子(ひがみ れいこ)
- 火神厳造(ひがみ げんぞう)
- 火神加代(ひがみ かよ)
- 火神勝利(ひがみ かつとし)
- 火神勝海(ひがみ かつみ)
白鳥家
皇族とも親しい伯爵の家系。元々東京に住んでいたが、疎開のため叔父の家があり戦災を免れていた広島の紙屋町(広島の繁華街で、爆心地から500m程度)へ移住する。原爆により家族全員が死亡。
- 白鳥雪恵(しらとり ゆきえ)
- 白鳥貴子(しらとり たかこ)
- 白鳥杜博(しらとり もりひろ)
二木家
滝田家と同じ快田に住む家族。父母と娘の3人家族である。
- 二木悦子(にき えつこ)
- 悦子の母
- 悦子の父
黒田家
父母と子供4人の6人家族。爆心地の細工町に隣接する猿楽町(現在はどちらも大手町)に住んでいた。爆心地から離れた場所で被爆した夕子を除き家族5人は死亡。夕子が発見した時は全員が人の形をした灰の状態になっていた。
- 黒田夕子(くろだ ゆうこ)
- 黒田旭(くろだ あきら)
- 黒田照代(くろだ てるよ)
- 黒田朝太郎(くろだ ちょうたろう)
- 黒田朝次郎(くろだ ちょうじろう)
- 黒田小夜子(くろだ さよこ)
広島光明高等女学校生徒
広島市皆実町にある女学校。モデルは広島県立広島第一高等女学校(現・広島県立広島皆実高等学校)と推測される。戦前は白のセーラー服に紺のスカートであったが、戦争が進むにつれて藍染のモンペ姿になっている。
2年生以上が工場勤務となり、1年生も校庭での畑作作業を経て7月より奇数組と偶数組に分かれて校外での作業を行なうようになった。8月6日は奇数(1、3、5)組が鶴見橋の西側(爆心地から約1.3kmの全焼全壊地域)で疎開作業をしていたため熱線と爆風の直撃を受け、星と休んでいた3人以外は全員死亡した。一方で偶数(2、4、6)組は爆心地から約3km離れた東錬兵場の林中で作業待機中(熱線の直撃を受けず、錬兵場のため爆風の被害も限定的)であったため生存者が多かった(手信号で林から出ていた2組級長が火傷で重傷を負っている)。再開後は元偶数組を中心に東組と西組に再編されている。
戦後も星を除きモンペ姿(星は松子のお下がりの白セーラーを着用)であったが、二年生になった時に他の生徒も卒業生のお下がりを貰い、戦前のセーラー服に戻っている。
3組生
- 森永敏江(もりなが としえ)
昭和7年(1932年)6月25日生まれ。普段は無口であるが、喋らせると口が悪くクラスメイトからは距離を置かれている一方で、慰問会の仕方に騒ぐ奥田大尉に対し「女々しい」と一蹴するなど気が強い。病弱な母親がいる。星らと共に、建物疎開作業中に被爆し、背中に大火傷を負った。広島光明高等女学校に収容されるが、母親の前で「名誉の戦死」と強気な態度を崩さないまま、終戦の日の前夜の14日に死亡。
- 中田久美子(なかた くみこ)
- 鶴木加代(つるき かよ)
- 猫川珠(ねこかわ たまき)
先述の鶴木とは同じ金輪島出身で仲が良く、いつも一緒にいた。被爆で行方不明になり、兄弟が鶴木の証言を頼りに捜索した結果弁当箱のみ見つかる。結局遺体は見つからず、13日に認定死亡となった。
- 市村十和子
- 花田菊子
- 間垣留子
- 亀田
- 佐々木由江
- 田辺晴美
西組生
- 岡崎佳子(おかざき けいこ)
西組の級長。昭和7年(1932年)6月2日生まれ。星とは別のクラスである6組の級長で、東錬兵場での作業前に林の陰で他のクラスメイトと共に待機していたところ被爆したが、軽症を負っただけで無事。戦後西組にクラスに編入したが3組はほぼ全滅したことを知りショックで不登校となった星を気にかけ、再び登校するようになった星と一緒に行動するようになる。
- 山本純子(やまもと すみこ)
広島光明高等女学校教員
- 高橋栄子(たかはし えいこ)
1年3組担任。星や礼子が合唱会(その後誤魔化すために慰問会とした)を提案し、本来禁止であるが快諾した。建物疎開の引率中に被爆で重体となり、生徒に対し日赤病院へ向かうよう告げた(自身も引率して悦子や久美子らと共に日赤病院へたどり着く)が、その後死亡したことが明らかにされた。
- 西崎武一
- 山田廉造
- 藤巻平(ふじまき たいら)
軍人・予備役
- 奥田栄吾(おくだ えいご)
登場時は陸軍大尉で、第3特別輸送隊隊長。大正3年(1914年)8月24日生まれ。柔道3段剣道4段の腕前を持つ。戦争当初は戦場にいたが、右目を負傷したため内地での活動に専念することになる。広島光明高等女学校を接収し、女学生に対し奉仕活動を強要する。光明高等女学校の校舎内で被爆し負傷するも一命を取り留め、戦後は復員し運送会社に勤務している。星と再開した時責められたが、その後星や夕子がヤクザに絡まれた時助け、以来星や夕子と打ち解けるようになる。家族に妻と弟がいるが妻は原爆で被爆し死亡。弟は戦後復員せず弟の妻から相談を受ける描写がある。
- 新島
- 田村
- 河井
その他関係者
- 尾形新太郎(おがた しんたろう)
滝田家の裏に住む少年。被爆時は呉の工場にいたため直接被爆は免れたが、身内探しのため連日広島を訪れたため長時間放射能を浴び続けたことで原爆症により死亡した。これが原因で「ピカの毒」の噂が快田に広まり、星をはじめ滝田家は差別されることになる。
- 遠藤道子(えんどう みちこ)
- 大畑伝造(おおはた でんぞう)
- 加藤春夫(かとう はるお)
- 中津大五郎(なかつ だいごろう)
- 滝田陽三(たきた ようぞう)
- 木村純吉(たきた じゅんきち)
- ヤクザ
連載終了後の設定資料集では中折れ帽姿が「甚八」、長身が「長介」、背が低いのが「五郎」となっているが、続編では作者のミスで「甚八」の名前が「甚平」となっている(本作では名前が出てこなかったため「甚平」が正式名となる)。
- 達川花子(たつかわ はなこ)
- 明石富子(あかし とみこ)