概要
ウマ娘プリティーダービーのBNW3人を主軸とし、S.SHIMIZU氏によって独自の世界観および設定で2020年7月6日に第一話が公開され、以降不定期で新しい話が追加されている。(確認できる限りでは)第2期アニメ放送開始前より二次創作としてシリーズ化された漫画である。
「ウマ娘プリティーダービー」との違い
キャラ設定などは基本的には「ウマ娘プリティーダービー」を踏襲しているが、「最強の継承者」は「ウマ娘外伝」としており、「ウマ娘プリティーダービー」とは別世界という扱いである。そのため後述の相違が見受けられる。
以降、「ウマ娘プリティーダービー」を「公式」、「最強の継承者」を「本作」と記述する。
キャラクターについて
- 基本的にBNWが活躍した1990年代前半までのウマしか登場しない。公式は時系列にばらつきがあるが、本作は時系列に忠実となっている。これはS.SHIMIZU氏のこだわりで、第3Rの最後でも「BNWが活躍した時期に産まれていないウマたちが出ることはない」としている。
- 第1期アニメ(2018年春アニメ)およびBNWの誓い(2018年12月発売)にて登場したウマ娘はほぼ公式に沿ったキャラが登場するが、第2期アニメ(2021年冬アニメ)以降やアプリ版から登場したウマ娘は公式とは異なったS.SHIMIZUオリジナルである。これについてもS.SHIMIZU氏は「(公式に合わせることなく)予め自分がデザインしたウマ娘を踏襲する」意向を示している。
- 公式では未発表のウマ娘が多数登場している(ベガやレオダーバンなど公式では権利上の都合で名前が変えられているウマ娘も本作では名前を変えずに登場している)。
- 上記の理由から寮の部屋割りも大きく異なる。BNWのルームメイトは以下の通り。
作品名 ビワハヤヒデ ナリタタイシン ウイニングチケット プリティーダービー テイエムオペラオー スーパークリーク トーセンジョーダン 最強の継承者 ナリタタイシン ビワハヤヒデ ベガ
- 公式よりも牡馬(ボ)と牝馬(ヒン)は実力差がはっきりしており、その証拠に第一回ジャパンカップで敗れた際に「それも敗れたのはヒン馬だ」という台詞がある。
トレセン学園について
- トレセン学園に入学する条件は公式では体力測定、筆記試験、面接で好成績を得られれば入学できるが、本作では「ファーム学園カップで好成績」「里の推薦」「チームの推薦」のいずれかが必要である。これらがない場合はセリ市に出てスポンサーを探すか抽選での入学になる。セリ市からの入学はスポンサーに賞金の15%を支払う必要があり、抽選入学組にいたっては学園に賞金の25%を支払う必要がある。
- 公式では生徒会の管理・監視のもと治安が行き届いているが、本作はカツアゲ行為やケンカが行われるなど治安が良いとは言えない。
- 年功序列が公式に比べて厳しくなっている。また学年も公式では混在しているが、本作ではデビュー年に合わせている。
- 制服は公式とほぼ同じであるが、本作はニーソックスではなくハイソックスになっている。
競技について
- 公式ではチームに入ればレースに出場できるが、本作ではチームに入るだけでなく筆記、ゲート試験、模擬レースからなるプロテストに合格しなければならない。
- グレード制は公式は現在(2018年以降)に合わせているが、本作は当時(1990年代前半)に準じており、レース名も当時の名称を使用している(例:大阪杯は公式ではGⅠだが本作ではGⅡ、GⅠ高松宮記念は本作ではGⅡ高松宮杯など)。
- GⅡ以下のレースでの服装は公式では体操服であるが、本作では自転車自転車ロードレースに似た競技用衣装で、重賞は上半身のみGⅠの勝負服に準じた仕様となっている(下半身は競技用衣装のまま)。またゼッケンも衣装に縫いつけられている。
- 蹄鉄について公式は靴の裏に装着するスタイルであるが、本作のウマ娘は足の裏に蹄があり、そこに蹄鉄をはめ込むスタイルとなっている。
- 本作では馬券購入や実際の競馬に準じた賞金が出ることがはっきり描かれている(公式では馬券購入や外れ馬券の紙吹雪の描写はなく、また賞金にも触れられていない)。
- レース後のステージライブの内容が異なっており、公式では「全レースが対象かつ3着までがライブを披露(アプリでは4着以下もバックダンサーで登場)」であるが、本作では「GⅠレースのみが対象で、ライブを披露するのは1着のみ」となっている。
ウマ娘の誕生について
本作ではウマ娘でも牡馬(ボ)と牝馬(ヒン)の性別的な差が明確に分けられており、「ボ」のウマ娘は引退後「ダーレー」「ゴドルフィン」「ダイアリー」の三種類の樹に自らの能力を「種付け」して実を作り、その実の種を子宮を持つ「ヒン」のウマ娘が食べて子を宿すことでウマ娘が誕生するようになっている。種の形は「ボ」のウマ娘ごとに形が違っており、血液型を調べると誰の種かはすぐにわかる。
誕生したウマ娘には古代のウマ娘文字が刻まれており、これが彼女たちの名前となる。
誕生から二年は人間の5倍の速さで成長する。
「外国産駒」について
本作では外国産駒について公式以上にはっきり区別されている。
- 外国産駒は出生地の公用語(英語など)が主体で、日本産駒と基本的に言葉が通じない(但しそれだと本作の物語に影響が出るので、母親がイギリス産駒のビワハヤヒデが英語が得意で会話可能という設定にしている。)
- 本作の基準では5大クラシック(皐月賞、桜花賞、日本ダービー、オークス、菊花賞)および天皇賞(春・秋)には出走できない。但し2001年頃から順次緩和され出走可能となっている(ちなみに先述の通り公式は放送時点の基準を適用していることから、この外国産のウマ娘が日本ダービーに出走している)。
「セン」について
「ボ」のウマ娘は気性難を発する者もおり、出走に影響が出ることもある。抑制剤で気性難を抑えることはできるが副作用で勝つことができなくなるため、センを受けて気性難を克服する場合がある。
ただセンを受けると「種付け」の能力を喪失してしまい、さらに以下のレースに出走できなくなる。
- 「ボ」「ヒン」限定のレース。
- 「ジュニア」「クラシック」といった年齢制限があるGⅠレース(GⅡ以下は出走可能)。
- 天皇賞(春・秋とも。2008年に緩和され、現在では出走可能。)
登場キャラクター
公式モデルのウマ娘
本作の主人公。幼少の頃ナリタブライアンを助けるため足を負傷。大事には至らなかったがそれがトラウマで全力で走れなくなっていた。以後は走りたい夢を押し殺しながら、知恵の部分で周囲のウマ娘を助けていたが、ひょんなことから参加することになった学園カップに出場して優勝し、トレセン学園の分校を経て本校に編入される。公式に比べるとルーキー状態から登場しているためか、若干青臭い部分や未熟な面が残るが、バナナ好きで頭が大きいことを気にしているところは公式に準じている。
第4Rより登場。入学式早々カツアゲ犯を返り討ちにし、あわや処分を受けそうになった(その後カツアゲ犯が捕まり不問)。ビワハヤヒデと同じ部屋になる。容姿は公式に準じているが、本作での性格は不真面目系(公式はクール系)とS.SHIMIZU氏のオリジナルが入っている。
第4Rより登場。快活で泣き虫なところは公式に準じているが、自分のことを「ボク」という点は少し異なる。入学式の日にビワハヤヒデと一緒にカツアゲ犯を撃退。練習では全力で走らないなどその脚力を隠している。
第4Rより登場。トレセン学園の生徒会長。生徒の不祥事に対しての処分も下している。
第5Rより登場。ビワハヤヒデがトレセン学園に入学したころには既にメディアに追いかけられるほどのスターウマ娘。春の天皇賞でトウカイテイオーに勝利するもその無理が祟り骨折してしまう。
第5Rより登場。春の天皇賞でメジロマックイーンに敗れる。公式では描かれなかった93年の秋の天皇賞とジャパンカップの出走が本作では描かれ、秋の天皇賞は7着、ジャパンカップは優勝している。
第5Rより登場。坂路の申し子で4本目をそつなくこなす。なおトレーナーは公式の黒沼トレーナーではなく実馬の調教師である戸山為夫をモデルにしたドヤマトレーナーとなっている。菊花賞ではライスシャワーに敗れ三冠馬の夢が断たれる。
第7Rより登場。頭に「サクラ」が付くウマ娘たちで結成された「サクラ軍団」上級生。公式のようなおバカな様子は一切なく、後輩たちを厳しく鍛えている。
第10Rより登場。3着に入ることが多いことからブロンズコレクターと称され、学園祭で小さいブロンズ像を売っていた。93年の秋の天皇賞では4着。
第10Rより登場、学園祭の5人対抗リレーでその名前がある。菊花賞でミホノブルボンに勝利し1着となる。容姿は公式に準じているが、普段から表情がよどんでおり、「ブラック走気」によってイメージが悪いとされている。
第12Rより登場。本作では理事長を務めている。93年の秋の天皇賞ではヤマニングローバルを気にかけていた。
オリジナルウマ娘
S.SHIMIZUデザインのウマ娘を記述する。
チームカストル
ビワハヤヒデが所属するチーム。所属するウマ娘は全員ハヤタの里出身。
トレーナーのハマギシ自身は若手だが、比較的有力なウマ娘が多い。
- マーベラスクラウン
- ペガサス
- ジンクタモンオー
後から公式でも登場したウマ娘
上述でも述べた通り公式では第2期以降に登場し、デザインが異なるためS.SHIMIZUオリジナルとする。また、公式にてモデルらしきウマはいるが改名されてるウマ娘については「その他のウマ娘」に分類する。
- イクノディクタス
- メジロパーマー
- ダイイチルビー
- ダイタクヘリオス
- マチカネタンホイザ
BNWと同期のウマ娘
- ベガ
第4Rより登場。ウイニングチケットと同じ部屋になる。
- アンバーライオン
- マイシンザン
- ガレオン
- ステージチャンプ
- ロイスアンドロイス
- ダンシングサーパス
- ダンツシアトル
- ニホンピロスコアー
- テイエムハリケーン
- エルウェーウィン
その他のウマ娘達
- パシフィカス
第1Rに登場するビワハヤヒデとナリタブライアンの母。イギリス出身。
- テトラ
- メジロデュレン
- ビゼンニシキ
- レオダーバン
- ヤマニングローバル
- ユーセイフェアリー
- ホワイトストーン
- ムービースター
- カリブソング
- レッツゴーターキン
トレーナー
- ハマギシ
チームカストルのトレーナー。幼少の頃からビワハヤヒデに注目し、トレセン学園への進学を勧める。名前の元ネタは史実でビワハヤヒデに関係する浜田調教師と岸騎手を合わせたものと思われる。
- エイジ
- マサ
- イナミ
第22Rより登場。トレーナーとしては初のアニメ版からの輸入キャラ。イナミのことを知っているが、現段階(第22R時点)ではどのウマ娘のトレーナーかは不明である。
関連項目
ウマ娘プリティーダービー オリジナル オリジナルウマ娘 ウマ娘プリティーダービーの二次創作作品一覧
公式での関連作品
BNWの誓い:公式でのBNWを中心としたOVA作品。
ウマ娘シンデレラグレイ:本作同様時系列が史実基準にしており、オグリキャップ世代以降のキャラクターが登場しない。なお、本作では第22R時点でオグリキャップ世代のキャラクターが登場していない(シンボリルドルフで出ているがオグリキャップと世代が異なる)。