概要
アニメ版『ウマ娘プリティーダービー(アニメ) Season2』で新たに登場する、トレセン学園内のチームである。
メンバーのうちナイスネイチャは第1期から登場していたものの、所属チームは判明していなかった。
第2期の第1~3話でツインターボ、イクノディクタス、マチカネタンホイザが順に加入したことで現在のメンバーとなっており、当初はチームといってもナイスネイチャと南坂トレーナーの2人だけだったようである。
チーム名のカノープスはりゅうこつ座の一等星であり、地球の夜空に輝く全ての星々の中でもシリウスに次いで2番目、太陽も含めると全天で3番目に明るい星である。
しかしその位置から日本では東北以北では見ることができず、見える場所でも光が大気を通過する距離が長いため、地上から見る限りではその明るさは分かりにくい。
決して1番ではなく派手さもないが、それでも本来は普通の一等星より強烈な輝きを放っている“夜空のスター”として名付けられたと思われる。あるいはチームのキャプテンが3位に定評があるためか。
チーム募集要項
実は第1期OVA『BNWの誓い』(『ウマ箱2』第4コーナー収録)の中で、マンハッタンカフェの登場シーンにて、ごく短時間ながらカノープスのメンバー募集用の貼り紙が映り込んでおり、募集要項も確認できる。その内容は、
壱 最新設備完備
弐 食券3枚プレゼント
参 合宿はハワイ
肆 GI出場(4年ぶり3度目)
伍 初心者歓迎
毎週火曜日放課後
ダンススタジオに(以降不明)
と上記の通り。合宿先がハワイとはなかなか粋なはからいである。
なお「毎週火曜日放課後ダンススタジオに」とあるが、これ以降はマンハッタンカフェの髪で隠れてしまっており不明。おそらくはこれ以上必要なことは書かれていないものと思われる。
補足
『BNWの誓い』公開から『Season2』の制作まで2年弱の期間が空いており、上記の貼り紙が「ナイスネイチャらの在籍するカノープス」のものとして描かれているかは判然できない。明確に否定するだけの材料もないため、受け手の解釈によるところだろう。
メンバー
所属するウマ娘たちのモデルとなっているのは、いわゆる「善戦ホース」と呼ばれるなど、強烈な個性を放って重賞戦線を盛り上げた競走馬たちである。
最後までGⅠタイトルには手が届かなかったものの、GⅠ馬達に勝るとも劣らない人気を博した名脇役が揃っている。
また、4頭中3頭が20世紀最大ともいわれる種牡馬ノーザンダンサーの直系子孫(ナイスネイチャがナイスダンサー系統の孫、マチカネタンホイザがノーザンテースト系統の孫、ツインターボがリファール系統の曾孫)に当たる。イクノディクタスのみ牝馬なので直系ではないが、母の父の父(曾祖父世代)にやはりノーザンダンサーの名前がある。
担当トレーナー
南坂(cv: 古川慎)
カノープスの顧問兼指導員を務める若手の男性トレーナー。担当するウマ娘にも時折丁寧語で接する穏やかな性格で、基本的には教え子たちに押され気味。
メンバーの現状に合わせた基礎トレーニングを重視しているようだが、スピカの偵察や堂々巡りの会議ばかりにかまける彼女たちに手を焼いている。一方でイクノの連戦スケジュールを組んでいる事にもなるので、それなりのマネジメント能力もうかがえる(ネイチャとのやりとりも鑑みると、レースの選定に関しては担当ウマ娘に押し切られる場面もあるようだが)。
彼自身も「うちのチームだって出来ることを証明したい」と勝利への意欲を持ち合わせている。
映像機器を扱うスキルも持っており、故障したトウカイテイオーの現役引退を思い留まらせたいカノープスのメンバーの要望を受け入れ、テイオーのサヨナラライブ本番で機材ジャックを敢行。
同時刻に強敵との重賞レースへ挑むターボの激走を会場のスクリーンに流してテイオーの心を揺さぶり、結果的に引退撤回に結びつける活躍を見せた。
温厚な人柄やネイチャとの付き合いの長さから、モデルとなったナイスネイチャ号の競走馬時代に寄り添った馬場厩務員に思いを馳せる声もある。
所属ウマ娘
ナイスネイチャ (cv :前田佳織里)
ちょっぴり卑屈で、キラキラした存在を遠目に見がちなウマ娘。チームカノープスのキャプテンを務める。
3位を自らの妥当な位置とするも、1位を目指し様々なレースで善戦を見せる、まさに名脇役。
『Season2』主人公の一人であるトウカイテイオーに食らいついていこうとする闘志を秘めている。
ツインターボ (cv: 花井美春)
わがままでお調子者、ちょっぴり稚気な性格のウマ娘。「大逃げ」命の向こう見ずな猛ダッシュをかますが、「逆噴射」でヘロヘロになってゴールする姿がよく見られる。ナリタブライアンのイベント戦にも登場しているが……
アニメにおいては「産経賞オールカマー」のレースでトウカイテイオーの復活に大きく貢献した。
イクノディクタス (cv: 田澤茉純)
「鉄の女」と呼ばれるほどの強靭さを持つウマ娘。尋常ではない数のレースに参戦した。
論理的な性格ではあるものの、その正体は「レースに出まくって強くなれ」理論の脳筋。
ツインターボとはツーカーの仲。
マチカネタンホイザ (cv: 遠野ひかる)
どこか天然で、おっちょこちょいなところが目立つゆるふわウマ娘。自分の頑張りを「普通」と評するも、その努力はまさに人一倍。少しばかり鼻血に縁がある。
アプリのイベントミッション画面における、「えい、えい、むん!」はもはや彼女の代名詞的セリフ。
各メディアにおけるチームカノープス
アニメ(第2期)
2期での主人達が所属するチームスピカをライバル視しており、「打倒」を目指している。「妥当」ではない。
ただしライバル視はしていても食堂で一緒にご飯を食べたり励まし合ったりと、メンバー間の仲は良好。というか、メジロマックイーンとイクノディクタスに至ってはルームメイトでもある。
レースでの成績は本人らも「惜しい所までは行ける」としていて、順位だけで見ればそこまで振るっていないものの数多くのレースに出場している。
また後述の通り若干ズレた会議などもしているが、勝つためには「トレーニングだ」と意気込み、そして出場したレースやスピカに対する勝利への意欲に関してもしっかりと作中で描かれている。
ゲームアプリ
ゲームにおいては「チームカノープス」という名前は登場していない(※1)が、この4人は様々なシーンで一緒に登場している。
期間限定イベント「Brand New Frends」ではメインのキタサンブラック、サトノダイヤモンドの先輩として4人全員がストーリーに登場。他爆逃げコンビのダイタクヘリオス、メジロパーマーも巻き込みながら、ストーリー内でちょっとした騒動を巻き起きした。
このストーリーで何故か両手を交互に上げながら踊るツインターボが人気を呼び、何故かNew Orderなどの楽曲に合わせて踊る動画が流行。ツイッターなどで一時期多く見られた。(ただし現在はその多くが権利上の問題で削除、あるいはアカウント凍結されているため観ることができない。)
既にイベントは終了しているが、「ストーリー」の「エクストラ」から他イベントストーリー同様に視聴が可能。全8話フルボイスでお楽しみいただくことができる。
またこのイベントで、ナイスネイチャ(SR)、マチカネタンホイザ(SSR)の限定サポートカードが入手であった。
それ以外にサポートカードでもイクノディクタスのSRサポートでターボとマチカネタンホイザが同時に描かれていたり、イベントではナイスネイチャとマチカネタンホイザが普通に一緒にいたり、なにかと一緒にいることが多い。
(※1)「チームスピカ」もあるにはあるが、メインストーリーに既にゴールドシップ、メジロマックイーンがチームシリウスに所属しているため、事実上「アニメとは違う世界線のウマ娘世界」ということになっている。
OPに登場するレースの元ネタ
カノープスのメンバーのレースシーン(動画の0:57~1:05)には、元となった競走がある。
ナイスネイチャ
1994年 高松宮杯(当時GⅡ)
実況:吉村功(東海テレビ)
「そしてナイスネイチャがやってきた!
ああ~っ、ウイニングチケットがもがいている!」
1着:ナイスネイチャ(松永昌博)
5着:ウイニングチケット(柴田善臣)
※開催当時はGⅡで走行距離は2000mであるが、ウマ娘達はGⅠのみ着用する勝負服を身に纏っている。
マチカネタンホイザ
1995年 高松宮杯(当時GⅡ)
実況:吉村功(東海テレビ)
「内からアイルトンシンボリが突っ込んで、マチカネタンホイザ!
外からマチカネタンホイザ!マチカネタンホイザ!」
1着:マチカネタンホイザ(柴田善臣)
5着:ヒシアマゾン(中舘英二)
※この年までGⅡ。翌1996年にGⅠに昇格し、距離が1200mに短縮。1998年に「高松宮記念」に改称された。
イクノディクタス
1993年 宝塚記念
実況:杉本清(関西テレビ)
「外からまたまたイクノディクタス!外からまたまたイクノディクタス!」
1着:メジロマックイーン(武豊)
2着:イクノディクタス(村本善之)
7着:シガーブレイド(シャコーグレイド、蛯名正義)
8着:ニシノフラワー(河内洋)
10着:メジロパーマー(山田泰誠)
※1991年はメジロライアン、1992年はメジロパーマーと来て、1993年はメジロマックイーンが勝利したことで、3年連続でメジロ軍団が勝利した。(しかも3頭とも同い年)
その事から「メジロ記念」と言われた事もあった。
但し名義が異なり、メジロ牧場で生産されたライアンとパーマーは「メジロ牧場」名義、他の牧場で生産されたマックイーンは「メジロ商事」名義である。
ツインターボ
1994年 有馬記念
実況:佐藤泉(ラジオNIKKEI)
「ツインターボの先頭はここで終わり!」
1着:ナリタブライアン(南井克巳)
2着:ヒシアマゾン(中舘英二)
3着:ライスシャワー(的場均)
5着:ナイスネイチャ(松永昌博)
13着:ツインターボ(田中勝春)
取消:マチカネタンホイザ(柴田善臣)
※ナイスネイチャは前年まで3年連続3着だったが、ライスシャワーに阻まれた。
※マチカネタンホイザは、蕁麻疹を発症したため、出走取消となった。レース直前に食べた飼い葉に蜘蛛が紛れ込んでいたためとする噂もあるが出典は定かではない。
なお、この4つの競走すべてに出走しているのはシンボリルドルフ産駒のアイルトンシンボリただ一頭。
実はこのアイルトンシンボリも善戦ホース仲間で、この4レースも全て掲示板を確保していたりする。
(94年高松宮杯4着(岡部幸雄) 95年高松宮杯3着(藤田伸二) 93年宝塚記念5着(柴田政人) 94年有馬記念4着(岡部幸雄))
余談
ところで、アニメ版の設定では「ウマ娘が5名所属していないチームは、レースへの出走登録は出来ない」とされているが、Season2ではメンバーが4人のカノープスも公式戦に度々出走している。
Season2の制作にあたって当初の設定がうやむやになったか、はたまたアニメには未登場の文字通り「ダークホース」メンバーが所属しているのか、といった推察もされていたものの、1周年記念のショートアニメではメンバーの4人が看板を手に新入生を募集しており、ツインターボが「新メンバーが入ったら~」と話しているので、やはりチームの所属人数の設定は無くなった様子である。
G1勝利経験者が一人もいないことから、劇中でこそ三枚目のような役回りではあるものの、そもそもG1という最高峰の舞台で走れること自体が大きな栄誉であり、そこで5着以内に入れば十分に優秀な部類と言える。ツインターボ以外は掲示板に何度か入っているし、有馬記念に3年連続で出走したナイスネイチャに至っては、順位も含めて無二の存在感を放ってさえいる。
なお、マチカネカノープスという競走馬が実在している。
(1979年生まれ、父ホープフリーオン・母アーンテイの牡馬(1982年の新潟3歳ステークスの勝ち馬スティールアサの半兄に当たる)で中央1勝)
競馬における価値観について
中央競馬においては生涯未勝利のまま引退する馬が全体の6割以上を占めており、オープンさえ走れずに地方へ飛ばされたり、引退を余儀なくされる馬も多い。
具体的には、
- サラブレッドとして誕生した馬が無事に競走馬としてデビューできる確率は約65%
- デビューしたサラブレッドが新馬・未勝利戦でまず1勝できる確率は約35%
- デビューしたサラブレッドがオープンクラスに出走できる確率は約3%(全体の上位3%を人間の偏差値に例えるなら概ね70以上)
- デビューしたサラブレッドがG1で勝利できる確率はわずか1%未満
- 同一世代に絞れば、デビューした約4,000頭のうちG1を勝利できるのは15頭くらい≒0.3%
この中でG2、G3といった重賞で複数勝利を挙げるだけの活躍を見せれば、競馬史に名が残ることはもちろん、ファンの記憶にも刻まれることになる。
スピカやリギル、アプリ版のシリウスなど、メンバーの殆どが複数のG1タイトルを獲ってくるような金メダリストチームが比較対象になってしまうことが異常というか不憫なだけであって、G1での掲示板入りや、G2、G3での勝利を複数回経験しているカノープスは強豪チームと評するに相応しい。
WINNING LIVE
WINNING LIVE 04
2022年3月にリリースされたアルバムにはメンバー4人で歌唱した『ユメヲカケル!』が収録されている(7:53~)。また、同じ盤の『うまぴょい伝説』を歌う18人の中にも揃って参加した。
関連タグ
ウマ娘プリティーダービー ウマ娘 トレセン学園
外部リンク