概要
『BNWの誓い』とは、アニメ作品『ウマ娘プリティーダービー』のブルーレイBOX「ウマ箱 第4コーナー」に収録する為に制作された、アニメオリジナル作品である。形式上はEXTRA Rとしてカウントされている。
このブルーレイBOXシリーズは4巻に分かれているが、テレビアニメは全13話完結のため、13話分を含めて均等に4巻に分けるには3話分足りない。そこで、このオリジナル新作アニメを3話分のボリュームで作られることとなった。
2018年7月20日にティザービジュアルを公開。11月4日に日比谷にて先行上映会を実施した後、12月19日の発売に至る。
2021年1月2日には、アニメ2期の放送開始を前に全3話続けてのTV放送がなされた。
R | サブタイトル | モチーフとなったレース | アイキャッチ担当 |
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EXTRA | BNWの誓い① | '94天皇賞(秋)、'93東京優駿 | ビワハヤヒデ |
EXTRA | BNWの誓い② | ナリタタイシン | |
EXTRA | BNWの誓い③ | 大阪杯 | ウイニングチケット |
BNWとは?
1993年、中央競馬牡馬クラシック三冠路線(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)においてそれぞれのタイトルを分け合った3頭がモチーフのウマ娘達。それぞれの馬名の頭文字とドイツの自動車メーカーの名前をかけて名付けられた。
B(ビワハヤヒデ、菊花賞馬)
N(ナリタタイシン、皐月賞馬)
W(ウイニングチケット、日本ダービー馬)
間違ってもカーブランドのBMWとは関係はない
あらすじ
来たる春のファン大感謝祭にて、生徒会は目玉として1チーム7人がタスキを繋ぐ「BNW駅伝」を企画していた。実行委員に選ばれたチームスピカの面々はBNW(ビワハヤヒデ・ナリタタイシン・ウイニングチケット)の3人に声かけをしに行く。
しかしBNWの3人は前年から怪我や不調でぎくしゃくした関係のまま。副会長ブライアンの姉であるハヤヒデは参加を承諾するが、残り2人は参加に消極的であり、早くも企画成立に暗雲が立ち込めはじめるのだった。
春のファン大感謝祭
正式名称は「トゥインクル・シリーズ 春のファン大感謝祭」。
名前の通りトレセン学園主催のファンイベントであるが、どういうわけか世界中からも注目されているようで、フランスからブロワイエが遥々やってくるほど。
実行委員はトレーナーによるくじ引きで決まり、そのチームのチームメンバー全員が委員に任命される。
つまり実質貧乏くじ(当たりを引いた沖野Tはキン肉マン大好きウマ娘によるロメロスペシャル(ラーメンマン)の刑に)。
BNW駅伝
トレセン学園生徒会幹部が企画した、BNWそれぞれを主将とする7人1組のチーム対抗駅伝。優勝チームには副賞として、「全国お取り寄せ高級スイーツ1年分」が贈られる。
実況兼司会はサクラバクシンオー、解説はグラスワンダーとエルコンドルパサー、7区中継リポーターはスマートファルコン。
駅伝メンバー
メンバー編成は、BNWが1993年にそれぞれ勝利したクラシック三冠レースと同じレースを制した事のある競走馬となる。二冠を達成している場合は、そのいずれかに入る。
スピカのメンバーの中ではダイワスカーレットだけが出走していないが、これは史実のダイワスカーレット号が牝馬三冠路線を進んだため、クラシック三冠のいずれのレースも出走経験がないためである。本作では目のケガという理由で出走を回避している。そのため他メンバーがトレーニングを始めて以降は、彼女が1人で取りまとめに奔走することとなる。
- チームB
史実で菊花賞を勝ったウマ娘で構成される。
ビワハヤヒデの絶対的な理論に基づいた知略による勝利を目指す。
担当 | ウマ娘名 | 史実の優勝年・鞍上 |
---|---|---|
1区 | ライスシャワー | 1992年 的場均 |
2区 | マチカネフクキタル | 1997年 南井克巳 |
3区 | マヤノトップガン | 1995年 田原成貴 |
4区 | マンハッタンカフェ | 2001年 蛯名正義 |
5区 | スーパークリーク | 1988年 武豊 |
6区 | メジロマックイーン | 1990年 内田浩一 |
7区 | ビワハヤヒデ | 1993年 岡部幸雄 |
※マチカネフクキタル以外のメンバーは、天皇賞(春)も制している。
- チームN
史実で皐月賞を勝ったウマ娘で構成される。
ゴールドシップを筆頭に妙にノリのいい個性的な面々が集まっている。
担当 | ウマ娘名 | 史実の優勝年・鞍上 |
---|---|---|
1区 | ミホノブルボン | 1992年 小島貞博 |
2区 | セイウンスカイ | 1998年 横山典弘 |
3区 | アグネスタキオン | 2001年 河内洋 |
4区 | テイエムオペラオー | 1999年 和田竜二 |
5区 | エアシャカール | 2000年 武豊 |
6区 | ゴールドシップ | 2012年 内田博幸 |
7区 | ナリタタイシン | 1993年 武豊 |
※ミホノブルボンはダービーと二冠。セイウンスカイとエアシャカールとゴールドシップは菊花賞と二冠。
- チームW
史実で日本ダービーを勝ったウマ娘で構成される。
チケットが率いており、3チームの中では最も仲の良い雰囲気である。
担当 | ウマ娘名 | 史実の優勝年・鞍上 |
---|---|---|
1区 | アイネスフウジン | 1990年 中野栄治 |
2区 | スペシャルウィーク | 1998年 武豊 |
3区 | ウオッカ | 2007年 四位洋文 |
4区 | エイシンフラッシュ | 2010年 内田博幸 |
5区 | アドマイヤベガ | 1999年 武豊 |
6区 | トウカイテイオー | 1991年 安田隆行 |
7区 | ウイニングチケット | 1993年 柴田政人 |
※トウカイテイオーは皐月賞と二冠。ウオッカはモチーフ元がこのメンバーで唯一の牝馬。
その他企画
- オグリキャップのわんこそばショー
大食いウマ娘オグリキャップがBNW駅伝と並行してわんこそば1000杯の完食を目指す。実況兼司会はイナリワン、給仕担当は岩手県出身のユキノビジン。
- 高知物産展・岩手物産展
ハルウララが高知担当・ユキノビジンが岩手担当。地方活躍馬モチーフ繋がり。わんこそばショー開催中は岩手物産展は休止していた。
- Hair Make Tail ゴールドシチー
現役モデルのゴールドシチーが構える美容室。プレオープン時はヒシアマゾンやウオッカがヘアアレンジされていた。ちなみにやたらリボンが多い。
- ビコーペガサスショー
ヒーローショー。ビコーペガサスがヒーロー役、ヒシアケボノが怪人役。会場の子供も人質役として飛び入り参加している模様。
- マンハッタンカフェ喫茶店
コーヒー通のマンハッタンカフェが構える漫画喫茶。
- スーパークリークの癒しの耳かき屋さん
スーパークリークが構える耳かき屋。プレオープン時はクイーンベレーが耳かきされていた。
- エイシンフラッシュの料理教室
計量や計時に厳密なエイシンフラッシュの料理教室。プレオープン時はサンバイザーが厳しい指導を受けていた。
- ファインモーションラーメン
ファインモーションが構えるラーメン店。湯切りをこれ見よがしにしているが、あまり見てもらえていない。
主題歌
オープニングテーマ
作詞・作曲:新田目駿/編曲:新田目駿、廣澤優也
歌:スペシャルウィーク(CV:和氣あず未)、サイレンススズカ(CV:高野麻里佳)、トウカイテイオー(CV:Machico)、ウオッカ(CV:大橋彩香)、ダイワスカーレット(CV:木村千咲)、ゴールドシップ(CV:上田瞳)、メジロマックイーン(CV:大西沙織)
全話。ムービーは1期と同じ。
エンディングテーマ
作詞:真崎エリカ/作曲:桑原聖/編曲:酒井拓也
歌:スペシャルウィーク(CV:和氣あず未)、サイレンススズカ(CV:高野麻里佳)、トウカイテイオー(CV:Machico)、ウオッカ(CV:大橋彩香)、ダイワスカーレット(CV:木村千咲)、ゴールドシップ(CV:上田瞳)、メジロマックイーン(CV:大西沙織)
①話・②話エンディングテーマ。ムービーは1期と同じ。
- 『Enjoy and Join』
作詞・作曲・編曲:新田目駿
歌:ミホノブルボン(CV:長谷川育美)、セイウンスカイ(CV:鬼頭明里)、アグネスタキオン(CV:上坂すみれ)、テイエムオペラオー(CV:徳井青空)、エアシャカール(CV:津田美波)、ゴールドシップ(CV:上田瞳)、ナリタタイシン(CV:渡部恵子)
③話限定エンディングテーマ。歌唱はBNW駅伝においてチームNのメンバー。音源はのちにアニメ2期サウンドトラック『ANIMATION DERBY Season2 vol.3』のボーナストラックとして収録された。
挿入歌
- 『春空BLUE』
作詞:結城アイラ/作曲:shilo/編曲:松田彬人
歌:ウイニングチケット(CV:渡部優衣)、ナリタタイシン(CV:渡部恵子)、ビワハヤヒデ(CV:近藤唯)
③話挿入歌。先んじて発売されたキャラクターソングCD『STARTING GATE 11』に収録されていたユニット曲。のちに発売された『STARTING GATE Unit Song Collection』にも収録。
余談
- 本作では3人の日本ダービーの映像が過去の映像として扱われており、スペシャルウィークは「実家で見た」と発言している。しかし同じレースが2期第9話にて描かれており、その際のスペシャルウィークはスピカの面々と一緒に部室で観戦していた。そのため本作と2期では時系列の矛盾が生じている。その事から、本作は後に制作された二期と平行世界の関係という憶測がファンの間でなされている。
- 「BNW」の三人についても、本作中ではスピカの面々の先輩格という扱いで描かれてたが、二期では史実の競走馬での関係に則り、三人はテイオーとマックイーンの後輩で、次世代のウマ娘として描かれている。ナリタブライアンのキャラについても、当初のクール系で、丁寧語を目上に使うキャラで描かれている。後の二期以降のメディア展開では、ナリタブライアンは粗野/孤高キャラでキャラ付けが統一されたため、事実上、本作はナリタブライアンとBNWが『プロジェクト開始当初の人物像と位置づけ』であった最後の公式メディア展開となる。
- アニメ1期第13Rまでの登場人物については、何らかの形でオリジナルウマ娘を含めたほぼ全員が登場しており、北海道にいるはずのお母ちゃんですら終盤のあるシーンで登場する。一方で、本作がアニメ初出演のウマ娘も多い。
- 演出や小ネタも第13Rまでのコメディシーンをオマージュしたものが多い。主なものは
- WDT予選でスぺがマルゼンスキーに向かって「La victoire est moi!」と言い放った隙に出遅れてしまう
- トレーニング中スカーレットの右目に土が入り、頑丈だったゴルシと違い眼帯沙汰になる
- チケット説得の際に、スぺが第9Rでのトレーナーのセリフを丸パクリする
- ゴールドシップがカーブを曲がれない際に「とまれな~い!」と叫ぶ
- など。
- チームNの練習風景では、練習と言いつつ歴代ライダーに似たポージングの練習しかしていなかったような描写もあった。(なお、ブルボン→カブト、スカイ→BLACK、タキオン→W、オペラオー→電王、シャカール→ビルド、ゴルシ→1号)。
- 最終Rで描かれる「大阪杯」は名前こそ実在のGⅠレースのものだが、出走メンバーから考えて史実でのモチーフレースはないと思われる。史実では既に引退しているはずのウマ娘や後年に活躍するウマ娘も出走しており、WDTなどと同じく「夢の対決」といえよう。
- その大阪杯だが、ゴールドシップはゲート内でエアシャカールと喧嘩し、かの120億円事件のごとく出遅れてしまう。そこで解説の細江純子が悲鳴をあげるという、2015年宝塚記念当時の再現がなされた。勿論、当時担当していた関西テレビ川島壮雄アナの「出ない!出ない!」まで実況の台詞に採り入れた(いわゆるCXネタである)。
関連イラスト
関連動画
予告編
関連項目
ウマ娘プリティーダービー ウマ娘プリティーダービー(アニメ)
BNW…史実の競走馬BNW