概要
今日、世界中のレース場で走っているサラブレッド競走馬のすべては父系を遡ると
の3頭に行き着く。この3頭を「サラブレッドの三大始祖」と呼ぶ。
3頭の直系子孫を「サラブレッド」と呼ぶのであって、三大始祖自身はサラブレッドではない。
ちなみに勘違いされやすいが、サラブレッドの先祖にこの3頭しか種牡馬がいなかったわけではない。初期のサラブレッドには他にも登録されている種牡馬がいたが、長い歴史の中で徐々に淘汰されてこの三つの父系だけが残ったのである。当然他の種牡馬も母系を経由して影響を残しており、子孫が全くいなくなったということでもない。
分かりやすいところでいうと、サラブレッドに芦毛遺伝子をもたらしたと言われるオルコックアラビアンである。この馬はダーレーアラビアンと大体同世代頃の馬で、三大始祖とは別系統の父系祖先にあたる(父系としては18世紀末に断絶)。
例えば現時点で存続している芦毛血統であるゴールドシップからポイントフラッグ、メジロマックイーン…と芦毛の先祖をたどっていくと、ちゃんとオルコックアラビアンに繋がっている。
なお三大始祖とはいうものの、現在の種牡馬のおよそ95%はダーレーアラビアンの系統が占めており、残りの2つの父系は目下風前の灯である。
もちろん現在まで存続しているのはそれだけ過去に子孫が活躍した証拠なので貢献度自体は大きいのだが、三大始祖という概念が過去のものになる日は遠くないのかもしれない。
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