概要
その名の通り、靴下をわざと弛ませてクシャクシャやダルダルにしたものである。
長さは20センチ代の短いものから最大で200センチに達するものまである。
単に緩いだけでは下に落ちてしまうため、「ソックタッチ」という専用のスティックのりで固定したり、輪ゴムや髪留めゴムを応用してずり落ち過ぎないよう形状を整えていた。
流行当時のスタンダードな履き方は「ふくらはぎの一番太い部分まで引っ張り上げ、ひだは下ほど大きく上は小さめにする」というものだったと言う。
流行り始めの頃は、薄地でサラサラしたものもあった。
リブ付きのざっくりした生地のものが主流であったが「リブなし」「ゴム抜き(ゴム無し)」と呼ばれる滑らかな生地が使われたルーズソックスも登場した。リブ付きのゴワゴワとしたひだを上下に重ねる履きこなしとは違ったより柔らかな緩さをだせるため派生型として人気を博した。
元々は登山用の装備のブーツソックスや、エアロビで流行していたレッグウォーマーから派生したもので、本来は運動中の脚部の保温の為のものだが、実用性ではなく制服の着崩しを演出するファッションとして流行した。
靴下にボリュームを持たせる事で、相対的に脚を細く見せる視覚的効果があると言われていたが、エアロビで鍛えているわけでもない一般人では逆効果であり実際は太く見えてしまった(ふくらはぎのラインを隠すことで太ももとの見かけ上の差異を抑制できるため、太ももが相対的に細く見える視覚効果があるとの主張も見られる)。
携帯電話、たまごっちと共に、90年代後半の女子高生文化を象徴するアイテムであり、一時は真面目な進学校の生徒ですら履いていた。
流行が続くにつれて次第に過激化し、布面積はどんどん大きくなり、たるみ方はさらに酷くなる。
「スーパールーズ」と呼ばれるタイプは、あまりにたるませすぎて地面に擦ってしまい、黒く汚れていることすらあった。しかも熱がこもりやすく足が蒸れやすいために汗疹ならまだしも水虫に罹患する娘も出たらしい。
長すぎるため洗濯、乾燥も手間だった。また通常の靴下より当然高価でもあり予備の履き替えの携帯はサイズの大きさから嵩張った。
足先部分が汚れやすく破れやすいため、使い古された先端部分をカットし、通常の靴下を履きその上から足先を切ったルーズソックスの脚部分を着用してルーズソックスを履きたいという気持ちと買い替えのコスト、さらに蒸れたり汚れたりする足先だけ履き替えることで清潔性を保つという工夫が生まれた。(ある意味レッグウォーマーへの先祖返りである)
人気が全国区になった頃には東京の女子高生はとっくに履いておらず地方の女子高生の「お上りさん」を見分けるアイテムとなっていた。
次第に清楚な紺のハイソックスに人気が移っていき、2000年頃を境に流行は急激に収まっていった。
一時はすっかり下火になってしまったルーズソックスだが、pixivでは未だ根強い人気があるようだ。
2020年代辺りから、流行は繰り返すかのごとくギャルの間で復活の兆しが見られ、重ね履き、クルーソックス丈などが出回るようになった。更に近年では、カラーバリエーション(主にパステルカラーや蛍光色)も豊富になり、私服と組み合わせるオシャレな着こなしをする人もいるようだ。
ニットベストとの組み合わせが80年代の魔女っ娘に似てると言う噂もある(目指していたのはそのスタイルだったのだろうか)。
ルーズソックス着用キャラ
※作品名太字は20世紀初出の作品
関連タグ
外部リンク
- 流行再び!ルーズソックスを描いたイラスト特集 - pixivision(2016年11月16日)
- ボリューミーなシルエット。ルーズソックスを描いたイラスト特集 - pixivision(2023年8月26日)